※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
202310月6日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

令和5年の夏


被害調査に全国各地から多数の職員のみなさんにご協力いただきました。感謝の念でいっぱいです。ありがとうございました。

 8月の平均気温30℃で、140年の観測史上最も高く、最高気温35℃以上の猛暑日が13日にのぼった歴史的にも暑く長い夏でした。
 7月14日からの雨は、秋田市では経験のない記録ずくめの豪雨となり、市内の広い地域で甚大な被害をもたらしました。線状降水帯の発生はありませんでしたが、とにかく長い時間降り続きました。「これまで大きな災害も少なく安全な秋田市だと思っていたのに、まさか」という声も多く聞きました。被災された市民のみなさまには心からお見舞いを申し上げます。一日も早い生活の再建のために、全庁を挙げて全力で取り組んでまいります。
 このたびの大雨に対し、各地区81か所に避難所を開設し市民の居場所や食事の確保など、まずは人命を守ることを第一に災害対策にあたりました。そのなかで、いくつもの考えさせられることがありました。避難情報の発令のあり方、避難所の開設と運営、災害廃棄物の収集方針、家屋調査や被害認定調査、罹災証明書発行など、多くの課題を突きつけられたと考えています。
 また、このたびの水害では外水氾濫と内水氾濫の複合型もあったとされています。外水の場合は、河川の堤防の決壊や越水による洪水で目に見えるとおりですが、内水の場合はよく見えないこともあります。雨水は多くの場合、雨水管や水路、側溝などを通り河川に流れています。流れていく先の河川の水位が高く水の行き場がなくなって氾濫を起こすこともあります。
 このため、8月に国土交通省や気象庁などの国の機関、県などとともに分科会を設置し、被害発生の要因について検証することとしています。検証にあたっては、上流から下流そして浸水域まで含め、あらゆる関係者が連携し、ハード・ソフト対策に取り組む「流域治水」という考え方が有効かと考えています。また、これまでの雨水対策は、どちらかといえばできるだけ早く水路や側溝から川、そして海に「流す」ことに力点が置かれていたように感じますが、これからは、場合によっては貯留や浸透によって「流さない」まちづくりといった考え方も重要になると考えています。
 さて一方で、清掃ボランティアや義援金など全国から心温まるご支援をいただきました。心から感謝を申し上げます。
 激甚災害対策に多くの教訓と宿題を残して去っていった令和5年の夏でした。耳を澄ませば虫の声が聞こえ、澄みわたる空には、秋の月。つらいときこそ上を向いてがんばっていきましょう。

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