※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2023年11月3日号

市長コラム

市長 穂積 志(もとむ)

クマにご用心

スポーツや紅葉など秋田の秋を満喫しませんか

ソユースタジアムで行われた
「健康のつどい」に
参加しました(10月9日)

千秋公園表門(10月11日撮影)

秋田国際ダリア園(10月13日撮影)…11月5日(日)まで開園

 ちょっと前まで汗を拭き拭き日陰を探しながら道を歩いていた夏も過ぎ、今はしっかりと上着を着込み、寒さに備えた装いです。
 四季の移ろいの中で、春と秋というのは暑くも寒くもなく、新緑や紅葉が美しく食べ物も美味(おい)しい、何をやるにも絶好の季節のはずですが、昨今はどうも変わってきていると感じます。春と秋はあっという間に過ぎ、夏は猛暑と豪雨、冬は寒さ厳しく大雪など、これまで経験したことのない事態が常態化しつつあるように思います。
 このことは、高温障害など稲作にも直接大きな影響を与えています。JA秋田なまはげ管内の一等米比率をみると、今年は6割程度(10月16日時点)で例年よりも2割以上落ち込んでおり、実りの秋を心から実感できない事態となっています。
 そしてクマの異常な出没です。新屋寿町や寺内の野村交差点(通称新国道)など、これまでは考えられないような市街地や交通量の多い道路、学校、公園などでもたびたび目撃されており、人身事故も多発しています。市内の目撃件数は467件で、すでに昨年の倍以上、人身事故も8件(12人)にのぼります(10月16日時点)。
 クマの被害は果樹農家にも及んでいます。河辺果樹振興会によると岩見三内地区のりんご園では、わかっただけでも400万円近い被害が出ています。
 地元紙の社会欄に「クマの目撃(県警調べ)」という記事があり、以前は下の方に遠慮がちに載っていましたが、だんだん紙面の大きな部分を占めるようになっています。これは届け出のあったものだけですので、実際にはさらに多くのクマが、私たちの周辺にいると考えたほうがいいと思います。まさに「いつでも、どこでも、誰でも」クマに出くわす可能性があります。
 今年はクマの餌(えさ)となるブナの実の不作も報じられており、クマが里に下りてきてもっと近づくことも想定されます。私も先月10日に「クマ出没の注意喚起に関する市長コメント」を出したり、また鉄製の箱わなをしかけるなどの対策を講じていますが、散歩の時は携帯ラジオや鈴のような音の出るものを身につけるとか、クマが好みそうなものを家の外に出さない・置かないなど、一人ひとりの注意がより効果的だと思います。
 さて、八幡平や栗駒高原などの標高のあるところは紅葉から雪景色に変わる頃ですが、千秋公園や街路樹など市内の紅葉はこれから見頃を迎え、ようやく観光施設や飲食店もコロナ禍以前に戻りつつあります。冬までにはもう少し時間があります。クマの出没には注意を払う必要がありますが、残っている秋を存分に満喫していただきたいと思っています。

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