※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2024年3月1日号

市長コラム


秋田市長 穂積 志(もとむ)

新年度予算への思い


空から見た外旭川地区(中央が卸売市場)

 吹く風と光の強さに春を感じ、空を見渡すと白鳥の群れがV字型の隊列をなして北の方向に飛んでいきました。弥生3月、季節は自然に忠実にめぐってきますが、市役所のカレンダーは、新年度の予算案を市議会に提出し審議いただく季節となります。
 予算は市民生活全般に直結するため広範多岐にわたりますが、今号では、私がどういう思いで予算編成にあたったか、力を込めた2点についてお話しします。“守り"と“攻め"両面を見据えた視点とも言えるかと思います。
 一つは、昨今頻発する災害への備えについてです。昨年は本市も2度にわたり記録的な豪雨に見舞われ、元日には能登半島地震もありました。日本は常に災害と隣り合わせということを前提に考えていく必要があります。被災者の生活再建のための「地域支え合いセンター」では、支援が必要な世帯への戸別訪問に加え、見守りが必要な一人暮らしの高齢世帯に対しさらに手厚く支援します。またセンターの運営する地域サロンの情報提供や個別相談なども拡充させたいと考えています。ハード面では、古川流域の治水対策のほか、太平川、旭川、草生津川などにおける県の改修対策にあわせ内水氾濫対策として、雨水幹線、排水ポンプ、排水樋門(ひもん)などの整備に取り組むため、約57億円を予算計上いたしました。
 このたびの能登半島地震では、冬期間の避難所運営や1・5次、2次避難の課題も浮き彫りになっています。ストーブや発電機、毛布、乳幼児・女性に配慮した備蓄、給水車の増車なども急務です。こうした点も踏まえ、昨年の豪雨災害への対応も十分に検証しながら、すぐできることはすぐに着手し、課題によっては中長期に整理し、来年度策定予定の地域防災計画に盛り込んでいきます。
 二つ目は、人口減少下にあっても持続可能な社会基盤の構築と、交流人口の拡大による新しい活力や魅力づくりに向けた、官民連携による外旭川地区のまちづくりです。「御所野にあるショッピングセンターが外旭川にもできるんでしょう?」とよく聞かれますが、「それとは違うものですよ」と答えています。例えば、東京都江東区の豊洲市場の隣に「豊洲千客万来」という食と温泉を楽しめる施設。あるいは、北海道北広島市のエスコンフィールドに付随する商業・宿泊施設など、交流・連携があってこそ、相乗効果を発揮し付加価値が生み出されると思います。その先に見えてくるのが私の言う「未来が見えるまちづくり」だと考えています。多くの地元企業も参加の意向です。外旭川地区は、市場、スタジアム、ホテル、健康施設、発酵をテーマとするミュージアム、従来とは違う商業施設などの交流・連携のモデル地区として最適だと捉えています。
 まもなく甲子園で選抜高校野球も始まります。秋田市政も同じように“守り"と“攻め"両面に全力投球していきます。

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