※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2024年4月5日号

市長コラム


秋田市長 穂積 志(もとむ)

春・サキホコレ


桜の下で、お茶っこ飲んでちょっと息抜き(写真は昨年のもの)

 各地から花の便りが届く季節となりました。秋田の春は、梅や桜、辛夷(こぶし)などに加え、ところによっては菜の花なども、春の喜びを爆発させるように一斉に花開くことが大きな特徴かと思います。いたるところで見つけることができるふきのとうは「ばっきゃみそ」や天ぷらにすると、独特の苦みが春の到来を実感させてくれます。
 先月の下旬、季節はずれの雪が降ったあとでしたが、八橋にある菅原神社を訪ねてきました。菅原道真公を祀った学問の神様として有名ですが、一足早い梅の名所としてもよく知られています。かすかにわずかばかりの可憐な花びらをつけた梅の木もあれば、五分咲きくらいに見えるような紅い花びらをたたえた梅の木もありました。境内を歩きながら、今では日本の花といえば桜が一般的ですが、かつては梅だったという話を思い出しました。奈良時代は遣唐使による唐との交易が盛んで、その中で珍重されたのは梅で、万葉集には桜を詠んだ歌が43首に対し梅は110首もあったそうです。その後平安時代になり遣唐使も廃止され、人々は日本古来の文化を大切にするようになり、古今和歌集では、梅18首に対し桜は70首と逆転しています。
 折しも受験シーズン、境内には合格祈願の絵馬がたくさん掛けられていました。具体的に学校名が書かれているのもあれば、ただ志望校合格というのもあり、また受験生本人のもあれば、祖母より、などというのもありました。絵馬一枚一枚に込められた願いが、サクラサク、として一輪でも多く結実されていることを祈って菅原神社をあとにしました。
 さてその桜です。日本気象協会によれば、秋田市の開花予想は13日、満開は17日とありました。あらたまって花見というと、市内では千秋公園を思い浮かべますが、他にも一つ森公園、新城川や太平川沿いの桜並木、あらやさくら公園など、見どころは多いと思います。「探梅(たんばい)」という冬の季語がありますが、辞書を引くと、梅の花を求めて山野を歩くこととあります。一方、桜の魅力はその気になれば身近なところで手軽に愛でることができることではないかと思います。近所の公園や小学校の校庭、川堤、お寺や神社にも思い出の桜があり、自分なりの桜の名所となっています。
 いよいよ春も本番。新入生や新社会人として、あるいは転勤や定年退職などで生活が大きく変化したかた、農作業の準備などに忙しくされているかたも多いと思います。ときどき軽い息抜きをかね、あなたなりの春を見つけに出かけてみてはいかがでしょうか。道ばたのタンポポに目がとまったり、ウグイスのさえずりに耳を澄ませたり、何かしらの発見があるかもしれません。

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