市民活動の促進ー市民協働型まちづくりへのステップ

最終更新日:平成29年7月25日


 市民協働型まちづくりへのステップとして、誰もが市民活動に参加しやすい環境を作るため、秋田市では、平成16年に策定した「秋田市市民活動促進基本方針」に基づいて市民活動を促進しています。

 その拠点となる市民活動センター「市民交流サロン」(秋田拠点センターアルヴェ・秋田市民交流プラザ3階)では、次のような活動支援を行っています。

市民活動促進に関する基本認識

1 市民活動促進の目的

 市民一人ひとりのしあわせとは、安定した生活のもと幅広い選択の自由が平等に保障され、それを生かして創造的・個性的に生きようとする中で実現するものと考えられます。そして個人は、「自由」に伴う「責任」と「思いやり」を持つなかで自立し、自らを高めながら、自分のみならず社会全体のしあわせにも貢献していけると考えられます。
 秋田市は、市民活動の促進を通じて、市民一人ひとりの自己実現や人と人との新たなネットワーク創出の手助けをしながら、市民と行政とのパートナーシップを確立していきます。

(1) 市民活動を通じた自己実現のサポート

 今、市民活動は、「他者や社会のため」という奉仕的な動機よりも、むしろ「自分のため」に普段着感覚でという動機によって行われることが増えています。このような活動は、自己発見や自己開発につながるものを内在しており、個人は「他者に必要とされる」ことによって生きがいや喜びを覚え、自立し、自らを高めながら、多面的に社会に貢献していくことができると考えられます。
 市民活動の促進は、だれもが主体的に各種市民活動に参加しやすくなるような環境づくりにより、市民一人ひとりが、市民活動を通じて他者をサポートしながら自らを高め、自己実現を図っていくことの手助けをねらいとしています。

(2) 新たなネットワークづくり

 地域社会でのふれあいや助け合いが薄れつつある中、従来のコミュニティの機能の回復や、人々を結びつける新たなネットワークの重要性が高まっています。
 市民一人ひとりの各種市民活動への参加は、参加から交流へとステップアップしていくことで、共通の目的で結ばれた新たなネットワークを作り出せる可能性があります。そして、この新たなネットワークと従来のコミュニティとが連携すれば、相互にさらなる発展の可能性が生まれてきます。
 市民活動の促進は、新たなネットワークづくりをねらいとしています。

(3) 市民協働によるまちづくりへの布石

 市民の公共サービスに関するニーズは個別化かつ多様化しており、行政が統一性・公平性の観点から画一的に提供してきた公共サービスでは質的にも量的にも対応できない部分が生じてきています。また、地方分権が進展する中、地域特性を活かした魅力あるまちづくりを進めていくためには、地域を知り、地域に愛着を持つ住民がまちづくりに主体的に関わっていくことが必要です。
 このような社会的課題に対応し、市民と行政が互いに力と知恵を出し合って解決していく仕組みが市民協働型のまちづくりです。
 市民活動の促進には、市民協働のための素地となる市民力の総体的な底上げを図るというねらいがあります。そして、次なる段階として、政策形成過程や公共サービス提供など様々な場面において、パートナーシップに基づく市民協働型まちづくりのあり方を確立していきます。

2 市民活動の定義

 市民活動促進基本方針の対象とする市民活動は、次に掲げる事項を満たすものとします。

  1. (1) 自らの自由意志に基づき自主的・自発的に行う活動
  2. (2) 幅広く他の人たちをサポートする活動
  3. (3) 営利を目的としない活動
  4. (4) 秋田市に関わりのある活動

ただし、宗教の教義を広める活動や、政治上の主義・主張を主たる目的とする活動は含めない。

市民活動促進にあたっての基本姿勢

(1) 「個」の重視

 市民一人ひとりが市民活動への意欲を持ち、各種市民活動に参加しやすくなるような環境づくりを進め、各個人の社会参加を促進していくことで、市民一人ひとりの生きがいの創出を支援します。また、このことにより、総体としての市民力をより高めるものとします。

(2) 市民活動の自主性・独自性の尊重

 市民活動は、市民の自由な発想のもとに自主的・主体的に行われてこそ、柔軟性やきめの細かさ、機動性といった優れた特性が発揮できます。このような市民活動が、活動の実績を重ねながら地域社会を支える存在へと健全に発展していけるよう、秋田市は活動主体の自発性や目的、活動スタイルを尊重し、側面的な支援を行います。

(3) 行政の守備範囲の明確化

 それぞれの市民活動は、その活動分野や内容、活動の範囲とも様々であり、行政と関わりの深い活動もあれば、全く関係のない活動もあります。秋田市が活動の支援を行う際には、これら各活動主体と行政との関係を明らかにし、それぞれの守備範囲を明確にしながら、必要な支援を行うものとします。

(4) 市民協働の推進へ

 個人や団体等の市民活動主体が市民力をより高め、よりよい活動をしていくためには、市民活動主体と行政とが、情報の共有を前提とする対等なパートナーシップのもと、協働して社会的課題の解決に取り組んでいくことが大切です。秋田市は、市民活動の促進とあわせ、政策形成過程での市民協働や公共サービスの実施における市民協働など、できることから一つひとつ市民協働を確立し、その推進に努めていきます。

(5) 秋田県との連携

 秋田県では、ボランティア資金の助成や、活動スペースの提供、ホームページによるボランティア団体の情報発信など各種の市民活動支援事業を実施しています。市民活動の促進にあたっては、県が実施する事業との重複に留意しながら、相互に連携・補完し、総体として最適な支援を行っていくものとします。

市民活動促進に関するQ&A

1 「市民活動」の範囲

Q 市民活動とは具体的にどの範囲を指しますか?

 行政・企業セクターではない市民サイドのセクターであって、主として各種のボランティア活動、NPO、NPO法人の活動などがここに含まれると考えています。

Q 町内会など既存のコミュニティについてはどのようにとらえているのですか?

 町内会は、清掃活動や運動会等の催しなど、メンバーの利益を目的とした互助的な活動の一方、各種お知らせ等の各戸配付、防犯灯の設置管理、資源回収、アメシロ等の防除といった公益的な活動まで幅広く行っています。ただ、一般的に町内会の「公益」の範囲は町内のエリアに限定されると考えられ、「幅広くほかの人たちをサポートする」という定義にはあたらないことから、ここで促進の対象としている「市民活動」とは分けるべきと考えます。一方、市民協働という側面においては、町内会等の地縁によるコミュニティは、協働の重要なパートナーであると考えています。
 また、近年の急激な情報化の進展などにより、地域住民の活動範囲は地域を越えた広範なものとなっており、都市部ばかりでなく郊外においても、住民活動は従来の地縁によるコミュニティから地域を越えた新たな目的別のネットワークへと広がりを見せています。こうした中では、新たなネットワークと既存のコミュニティが相互に連携し、それぞれの特性を発揮することによって、地域の課題解決の可能性を広げることができます。このように、市民活動の促進は、既存のコミュニティの活性化にも貢献しうるものと考えています。

Q 生涯学習や趣味のサークル活動、子育てサークル活動についてはどうですか?

 サークル活動などであっても、活動成果を広く社会に還元できる活動が行われるなど、「市民活動の定義」の要素を満たす限り、その側面に限っては活動促進の対象となりうると考えています。

Q コミュニティビジネスと言われる活動についてはどうですか?

 公共サービスの新たな担い手としてコミュニティビジネスと言われる活動が注目を集めています。これは、住民が主体となり、地域の資源を活用して地域の課題の解決に取り組む小規模ビジネスのことで、地域振興のほか雇用の拡大や新たな産業の創出等の面でも期待されています。コミュニティビジネスの「市民が地域の課題解決のために行う活動」という側面をとらえた場合、市民活動の一形態であり、まちづくりのための重要なパートナーにもなりうると考えられることから、今後こうした活動と市との関わり方についても研究を進めていきます。
 なお、一般企業等へ行政サービスの一部を外部委託することが一部の自治体で行われていますが、これは、市民活動というよりも行政の効率化という面で捉えるべきことと考えています。

2 支援についての考え方

Q 市民活動支援についての基本的考えは?

 対象によって2つの考えに分けることができます。
 発展途上の市民活動主体(市民活動を行う個人や団体)に対して、活動を育てていくことを目的にする場合は、活動主体の自主性・自立性を損なわない側面的な支援を行うべきと考えています。秋田県ではNPO法人等の活動に対する補助などの財政支援を実施していますが、秋田市では、県との役割分担も考慮して、活動の情報提供やコーディネイト、活動場所の提供といった側面的支援を主体とし、財政的支援を行う場合は、活動に縛りをかけない範囲の物品によるものや、公益信託等による小口の貸付等に限定するべきと考えています。
 一方、行政との協働ということを目的とする場合には、単に市民活動だからという理由で支援を行うのではなく、行政の政策的目的と合致することを前提に、その目的を明らかにした上で、個別の要綱や要領を制定し、予算の範囲内で必要な支援を行うべきと考えています。財政的支援としては、事業委託や補助金などが考えられますが、支援内容については、今後検討していきます。

3 協働についての考え方

Q 市民協働とは具体的にどのようなことを想定していますか?

 市民協働の形態としては概ね以下のような形を想定しています。単に業務を委託するとか意見聴取などの形にとどまらず、様々な協働の形を実現していく必要があると考えています。

①行政への提言・提案活動
行政が未開拓である問題の指摘、または今後実行するであろう施策への企画立案段階での提言、社会的ニーズに関する情報を収集し行政に提供するなどの活動を行う形。
②行政施策の企画立案における参画
 市民活動主体が自らの能力を発揮しながら、行政とともに必要なサービス提供の方法や仕組みをともに創っていく形。異なる立場から同じ問題に関わり、開発のプロセスを共有することで、新たな価値を生み出していく。
③行政施策への市民活動主体の参加
 市民活動主体が、行政施策の目的・計画内容・実行方法などに賛同して参加し、その施策の実行部分を受け持っていく形。
④市民活動主体への行政の支援
 市民活動主体が独自に企画立案した事業に対し、行政が賛同し委託料等の活動資源を提供していく形。
⑤市民活動主体による独自の公益活動
 市民活動主体が公益サービスの一つを独自に担い、行政が関与しない社会的役割を独自に発揮することによって、バランスのとれた社会政策の一翼を担っていく形。 

Q 「参加」という言葉の意味するところは?

 「参加」という言葉の意味は、参加者の関わり方の変化に応じて、様々な段階に分けて考えることができます。その第1は「いあわす」段階であり、参集としての参加。第2は個人の殻を破って他者と関わり合う段階。そして第3は自らその場の設営に参加し、主体的にその一端を担っていく段階です。第3の段階は、特に「参画」と呼ぶことができ、市民協働型まちづくりに不可欠な参加の段階として捉えています。

Q 市民協働の趣旨は理解しても直ちに対応するのは難しいのですが

 活動主体によって活動のあり方は様々であり、すでに自立し、一定の社会的責任を担って活動をしている場合もあれば、必ずしもそうではない場合もあり、責任を担える範囲というのはそれぞれ異なっています。各活動主体と行政が協働して何かを行おうとする際には、まず、何のために協働するのかという目的やそれぞれが担える役割などについて十分な話し合いを行い、そこで得られた共通認識を前提として、直ちに任せるのか一緒にやりながら徐々に任せていくのかも含めて、役割分担を組み立てていく必要があります。このように、無理のない協働の形を実現するためには、十分な話し合いを通じた共通認識の醸成が不可欠と考えています。


市章 秋田市中央市民サービスセンター 〒010-8560 秋田市山王一丁目1番1号(TEL.018-888-5640/FAX.018-888-5641)
ro-copr@city.akita.lg.jp