菅井梅関「墨梅」 1834年

谷文晁「孔雀」 1815年
大井錦亭「放哉句」 1996年

 モノトーンの世界。美術では、単一色の濃淡、明暗で描かれた単彩画やモノクローム写真、エッチングなどの版画等あるが、日本人であれば一番に思い浮かぶのは水墨画や書といった墨を使った作品ではないだろうか。
 墨は五彩ありといわれるように、墨色の変化で色彩を想起させ、墨と水による微妙な黒の諧調やにじみ、ぼかしなどで多様な表現を可能とする。こうした墨の魅力をよく伝えているのが水墨画である。また筆を自在に操った表情のある線は、墨の線そのものが見え、書にも通じるところが多い。書のにじみやかすれといった表現も墨という素材の力によるところが大きく、文字の造形や配置などの空間構成や余白の美しさとともに書を鑑賞する上で欠かせない要素となっている。
 このたびは、館蔵品の書および日本画の水墨作品を中心に、岡田謙三の油彩画等もあわせて展示し、静謐な中にも多彩な表現を繰り広げるモノトーンの世界を紹介する。


日時:
平成19年
3月7日(水)、18日(日)
4月1日(日) 
いずれも午後2時より

解説:担当学芸員