岡田謙三記念館
2期
ぼくたちのあそび 岡田謙三と馬場彬
 日本的な美意識を取り入れた抽象画で1950年代から国際的に活躍した岡田謙三(1902−82)。アトリエの壁には、独特のソフトな色と様々な形が重なり合う岡田作品のデッサンとも言うべき、色紙や包装紙、木の葉などを使ったコラージュが貼られていました。それは千代紙を集め、色彩に興味津々だった子ども時代の遊び心の面影を残したものです。
 戦後、日本の抽象絵画の主要な作家のひとりとして活躍した馬場彬(1932−2000)は「豊かな肉づきの芸術の骨は遊び感覚なのだ」と語りました。グレーを基調とした色と有機的な形が調和する馬場の作品の中でも、特にドイツ・ケルンに滞在した1984年以降に制作されたものは、豊かな形と色がリラックスした感覚で表現されています。
 今回の展示では、当館で初公開となる馬場彬のオブジェやコラージュなどを含む約40点を紹介します。抽象画家・岡田謙三と馬場彬が創り出す色や形を通じて、二人の作品の内にひそむ「遊び心」を感じてみてください。