○秋田市消防水難救助規程

平成6年7月15日

消防本部訓令第5号

(目的)

第1条 この規程は、自給気式潜水器具(以下「潜水器具」という。)、救助艇、その他の必要な資器材を使用し、水難救助等の活動を安全確実に行うため、必要な事項を定めることを目的とする。

(平29消本訓令1・一部改正)

(用語の意義)

第2条 この規程の用語は、次の各号に定めるところによる。

(1) 活動 水難事故等により生命、身体に危険が及び、自ら危険を排除することができない者を救助する活動をいう。

(2) 訓練 活動の基礎技術を習得するための基礎訓練および技術の維持向上を図る習熟訓練をいう。

(3) 救助等 活動および訓練をいう。

(4) 現場指揮者 現場における最高指揮者をいう。

(5) 隊 救助等に必要な潜水器具、救助艇その他の資器材(以下「救助資器材等」という。)を装備した水難救助隊員により編成された隊をいう。

(6) 隊員 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)に定める潜水士免許の交付を受け、消防長が任命した者をいう。

(7) 隊長 隊員として5年以上潜水業務に従事し、かつ、消防士長以上の階級にあり、活動又は訓練において隊を指揮する者をいう。

(8) 潜水業務 潜水器具を用い、かつ、ボンベから給気を受けて、水中において行う業務をいう。

(9) 潜水時間 潜降開始したときから浮上を開始するまでの時間をいう。

(10) 浮上時間 水底又は水中の活動位置から水面に達するまでの時間をいう。

(平29消本訓令1・一部改正)

(救助隊員の招集)

第3条 消防長は、水難事故等が発生し、又は発生するおそれのあるときには、必要に応じて隊員を招集するものとする。

(救助隊の編成)

第4条 隊は、隊長以下隊員6人以上をもってその都度編成する。ただし、現場指揮者の判断により4人以上でも編成できるものとする。

(出動区域)

第5条 隊の出動区域は、秋田市全域とする。ただし、消防長が必要と認めたときは、この限りでない。

(出動)

第6条 隊は、次に掲げる場合であって、指令課の指令があるときは、出動する。

(1) 水難事故等が発生した旨の通報を受けたとき。

(2) 現場指揮者が、消防活動中に救助活動の必要があると判断し、出動を要請したとき。

(3) その他消防長が必要と認めたとき。

(平15消本訓令3・平29消本訓令1・一部改正)

(現場報告)

第7条 隊長は、救助等を実施する場合は、次の各号に掲げる事項を現場指揮者に報告しなければならない。

(1) 水難事故発生水域の救助等の良否

(2) 救助等の内容および隊員の任務

(3) 潜水深度、潜水時間および浮上時間

(4) その他必要な事項

(救助資器材等)

第8条 救助資器材等は、土崎消防署に保管する。

2 隊員は、救助資器材等の保守管理に努め、救助等の活動に際しその使用に支障をきたさないようにしなければならない。

3 隊員は、救助資器材等の点検修理その他の必要な措置を講じたときは、その旨を記録しなければならない。

(救助等の基準)

第9条 救助等を実施する場合は、次の各号に定める基準によるものとする。

(1) 潜水深度は、15メートル以下とする。ただし、隊長が、水流および海潮流の流速(以下「流速」という。)、波浪、水中視界ならびに隊員の潜水能力等を総合的に考慮し、安全が確保できると判断した場合は、20メートル以下とすることができる。

(2) 水温は、概ね摂氏7度以上とする。ただし、寒冷用乾式潜水服を着用した場合は、この限りでない。

(3) 流速は、概ね1.0ノット以下とする。ただし、隊長が十分安全措置が確保できると判断した場合には、2.0ノット以下とすることができる。

(4) 波高は概ね1メートル以下、うねりは概ね2メートル以下とする。

(5) 水中の視界は、概ね0.5メートル以上とする。ただし、隊長が、現場付近の視界に応じた活動方法を指示することにより十分な安全措置が確保できると判断した場合は、この限りでない。

(6) 潜水時間帯は、日の出から日没までの間とする。ただし、潜水に十分な照明があり、かつ、短時間に救助可能である場合又は事故発生後時間経過が少なく要救助者の所在が明らかな場合は、この限りでない。

(安全対策)

第10条 現場指揮者は、救助等を実施する場合は、高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号)その他の関係法令を遵守し、隊員の適正な労働環境を確保しなければならない。

2 隊長は、救助等の内容を検討し、現場の状況変化に即応できるよう余裕のある活動方法を選定するとともに、各隊員の任務分担、活動計画、浮上開始時間、その他の必要事項を全隊員に対し確実に示達しなければならない。

3 隊員は、潜水業務を行う場合は、使用する潜水器具およびボンベ充填圧力を点検しその結果を隊長に伝えるとともに、水中時計、水深計および水中ナイフ等を携行し、浮力調整具を着用しなければならない。

4 隊員は、2人1組(バディ潜水)の原則を厳守し、みだりに指示された以外の救助等を行ってはならない。

5 隊長は、隊員の活動状況を監視し、潜行および浮上を適正に行わなければならない。

6 隊長は、潜水時の予期しない事故に備え、隊員を潜水可能な状態で待機させるとともに、潜水時間等必要事項を記録させなければならない。

7 救助等においては、水中信号を用い隊員間の連携を保たなければならない。

8 船舶等が航行する水域の救助等は、海上衝突予防法(昭和52年法律第62号)第27条の定めるA旗を掲げ、当該水域への他の船舶の進入を防止しなければならない。

9 隊長は、深度を表示した下がり綱を備え、隊員が潜行又は浮上する場合は、これを使用させなければならない。

10 隊長は、隊員が水深10メートル以上の場所において潜水業務を行う場合は、高気圧障害を防止するため、あらかじめ潜水業務計画を作成して隊員に周知しなければならない。

11 浮上速度は、毎分10メートル以下とする。ただし、事故等のため必要がある場合は、この限りでない。

12 救助等終了後においては、各隊員にその潜水深度、潜水時間に応じて休息を与えなければならない。

(平29消本訓令1・一部改正)

(関係機関との相互協力)

第11条 現場指揮者は、関係機関とともに救助等の活動を行う場合は、これら関係機関の現場指揮者又は統括責任者とそれぞれの任務分担、活動方法、その他の必要事項を協議し、密接な連絡を保持しなければならない。

(委任)

第12条 この規程の施行に必要な事項は、消防長が別に定める。

この訓令は、平成6年7月20日から施行する。

(平成15年3月31日消防本部訓令第3号)

この訓令は、平成15年4月1日から施行する。

(平成29年3月17日消防本部訓令第1号)

この訓令は、平成29年4月1日から施行する。

秋田市消防水難救助規程

平成6年7月15日 消防本部訓令第5号

(平成29年4月1日施行)