○秋田市査察規程

平成16年6月30日

消防本部訓令第4号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 査察業務

第1節 査察業務の基本(第2条の2―第4条の2)

第2節 業務管理等(第5条―第7条)

第3節 査察員(第8条・第9条)

第4節 関係行政機関との連携(第10条)

第5節 査察対象物の区分(第11条)

第3章 立入検査等

第1節 立入検査の種別(第12条)

第2節 立入検査(第13条―第16条)

第3節 立入検査結果の処理(第17条―第19条)

第4節 資料提出、報告徴収等(第20条―第23条)

第5節 削除

第4章 違反処理

第1節 通則(第25条―第31条)

第2節 警告(第32条―第34条)

第3節 事前手続(第35条・第36条)

第4節 命令(第37条―第40条)

第5節 公示(第41条)

第6節 特例認定の取消し(第42条)

第7節 許可の取消し(第43条)

第8節 告発(第44条―第46条)

第9節 過料事件の通知(第47条―第49条)

第10節 代執行(第50条―第52条)

第11節 即時措置(第53条・第54条)

第12節 警告書等の送達(第55条)

第13節 違反処理結果の報告(第56条)

第5章 雑則(第57条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、別段の定めがあるもののほか、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)、石油コンビナート等災害防止法(昭和50年法律第84号。以下「石災法」という。)および秋田市火災予防条例(昭和48年秋田市条例第27号。以下「条例」という。)に基づく査察の執行等に関し必要な事項を定めるものとする。

(用語の意義)

第2条 この訓令における用語の意義は、法、石災法および条例の例による。

2 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 査察 立入検査、違反処理および火災予防のための措置を含む行政作用をいう。

(2) 立入検査 法第4条、法第16条の3の2もしくは法第16条の5又は石災法第40条の規定に基づき関係のある場所もしくは貯蔵所等又は特定事業所に立ち入って、検査又は質問を行うことならびに法令違反その他の火災予防上の不備欠陥事項(以下「不備欠陥事項等」という。)がある場合は、当該不備欠陥事項等について関係者に指摘し、その是正を促すことをいう。

(3) 違反処理 警告、行政措置権、告発又は過料事件の通知によって、違反の是正もしくは予防又は出火の危険、延焼の拡大の危険もしくは火災による人命の危険(以下「火災危険」という。)の排除を図るための行政上の措置をいう。

(4) 警告 違反事項又は火災危険が認められる事項について、査察対象物の関係者に当該違反の是正又は火災危険の排除を促す意思表示をいう。

(5) 行政措置権 命令、法第8条の2の3第6項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定による認定の取消し(以下「特例認定の取消し」という。)、法第12条の2第1項の規定による許可の取消し(以下「許可の取消し」という。)、代執行および即時措置をいう。

(6) 告発 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第239条第2項の規定に基づき違反の事実を捜査機関に申告し、違反者の訴追を求める意思表示をいう。

(7) 過料事件の通知 法第46条の5の規定に基づき法第8条の2の3第5項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)又は法第17条の2の3第4項の規定による届出を怠った者を過料に処せられる者として管轄の地方裁判所に通知することをいう。

(8) 命令 法又は石災法の規定に基づき強制的に違反の是正又は火災危険の排除を促す意思表示をいう。

(9) 代執行 行政代執行法(昭和23年法律第43号)に定めるところにより、命令による代替的作為義務についての履行すべき行為を命令者自らが行い、又は第三者に行わせ、当該行為に係る費用を義務者から徴収することをいう。

(10) 即時措置 法第3条第2項又は法第5条の3第2項の規定に基づき物件の除去等の措置をとることをいう。

(11) 査察対象物 査察を執行する必要のある消防対象物をいう。

(12) 査察員 査察に関する業務(以下「査察業務」という。)に従事する消防職員をいう。

(13) 主任査察員 予防技術資格者の資格を有する査察員のうち、査察および違反処理に必要な高度な知識と技術を有する者として、消防長が認定した者をいう。

(14) システム 査察対象物等に関する情報について、電子計算機を使用して入力、蓄積、編集、加工、修正、更新、検索、消去、出力又はこれらに類する処理を行うことができる消防情報ネットワークシステムで査察業務に係るものをいう。

(15) 不利益処分 行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第4号に規定する不利益処分をいう。

(平25消本訓令2・平28消本訓令1・平31消本訓令2・一部改正)

第2章 査察業務

第1節 査察業務の基本

(査察執行方針等)

第2条の2 消防長は、査察を適正かつ効果的に実施するため、火災危険性および予防行政上の必要性を勘案し、立入検査の優先順位を明確にした上で、毎年2月末日までに翌年度の査察執行方針(以下「執行方針」という。)を定めるものとする。

2 消防長は、査察の執行状況を管理し、毎年度、執行方針および査察の執行体制の見直しを行うものとする。

3 消防長は、査察の執行管理を適正かつ円滑に行うため、必要に応じて査察執行管理会議を開催するものとする。

(平29消本訓令3・追加)

(立入検査権の行使)

第3条 消防長又は消防署長(以下「署長」という。)(以下「消防長等」と総称する。)は、査察の目的を達成するため、査察対象物の用途、収容人員、管理状況等から火災危険等を判断し、行政上必要と認められる査察対象物に対し、適切に立入検査権を行使し、積極的に安全の確保を図らなければならない。

(改善指導および行政措置権の行使)

第4条 消防長等は、立入検査における不備欠陥事項等に対する改善指導をするに当たっては、当該内容を関係者に対して直接に、かつ、具体的に指摘するとともに、十分な指導を行い、関係者の理解および認識によって自主的な履行がなされるよう努めるものとする。

2 第19条第1項の勧告、警告その他の行政指導によっては、関係者の自主的な履行による安全確保が期待できないと判断するときは、行政措置権、告発又は過料事件の通知を行うものとする。

(執行状況の報告等)

第4条の2 署長は、査察の執行状況について、定期に消防長に報告するものとする。

2 消防長は、特に必要があると認めるときは、署長に査察の執行状況について報告を求め、又は査察に関し必要な指示をするものとする。

(平29消本訓令3・追加)

第2節 業務管理等

(消防長等の責務)

第5条 消防長等は、査察と行政責任とのかかわり合いを十分に認識し、世論の動向等を洞察して、常に社会情勢に対応するよう努めるものとする。

2 消防長等は、査察対象物の複雑化および多様化ならびに関係者等の知識および技術の高度化に対応し、ならびに査察員の査察に関する知識および技術を向上させるため、査察員に対する教育の実施、研修会の開催、自己啓発の助長等により、査察員の資質の向上を図るよう努めなければならない。

(平29消本訓令3・一部改正)

(情報管理)

第6条 消防長等は、査察業務の効率的な執行を推進するため、査察業務においてシステムの効果的な活用を図るよう努めなければならない。

2 消防長等は、立入検査により得た情報その他査察業務に係る情報のうち必要な情報をシステムにより適正に管理し、消防活動、消防行政等に広くその活用が図られるよう努めなければならない。

3 消防長等は、査察業務に係る情報のシステムによる処理その他の管理に当たっては、機密の保持に十分配慮するものとする。

(査察対象物の関係資料の整備)

第7条 消防長等は、査察対象物(法第10条第1項ただし書の規定により危険物を仮に貯蔵し、又は取り扱うものおよび舟車を除く。)に関する資料を査察対象物ごとに整理しておかなければならない。

第3節 査察員

(査察員の責務)

第8条 査察員は、査察業務を行うために必要な知識および技術を修得し、適正な査察業務の推進を図るとともに、行政に対する信頼を高めるよう努めるものとする。

(主任査察員の責務)

第8条の2 主任査察員は、主として査察対象物の違反処理に従事するほか、組織全体の査察能力向上のため、職員の教育および研修を行うものとする。

(平31消本訓令2・追加)

(査察員の派遣)

第9条 署長は、査察業務に関して、特に必要があると認めるときは、消防長に対して、査察員の派遣を要請することができる。

2 消防長は、前項の規定による要請があったとき又は特に必要があると認めるときは、査察業務に従事させるため、予防課長又は他の署長に対し査察員の派遣を指示するものとする。

(平29消本訓令3・一部改正)

第4節 関係行政機関との連携

(関係行政機関との連携)

第10条 消防長等は、立入検査において指摘した法、石災法および条例以外の法令の防火に関する規定の違反(以下「他法令違反」という。)については、主管行政庁に通知し、その是正の促進を要請するとともに、当該主管行政庁と十分な連絡を図り、その改善指導に努めるものとする。

2 消防長等は、他法令違反が存在する査察対象物について違反の是正を行う場合は、関係機関への情報提供および関係機関との連絡調整を行うとともに、他の手段がないときその他やむを得ないときに限り法第35条の13の規定に基づく照会を関係のある官公署の事務に支障がないように配慮して行うなど、適切な措置を講ずるよう相互の連絡に努めるものとする。

3 消防長等は、違反処理につき関係機関から協力を求められたときは、必要に応じ協力するものとする。

(平25消本訓令2・一部改正)

第5節 査察対象物の区分

(査察対象物の区分)

第11条 査察対象物の区分および範囲は、別表第1のとおりとする。

第3章 立入検査等

第1節 立入検査の種別

(立入検査の種別)

第12条 立入検査の種別は、次のとおりとする。

(1) 随時立入検査 通常事務を行うために必要に応じて行う立入検査

(2) 定期立入検査 定期的に行う立入検査

(3) 特別立入検査 火災予防上特に必要とする場合において行う立入検査

2 署長は、別表第2に定める基準に従い、定期立入検査の回数を定めるものとする。ただし、署長が火災予防上支障がないと認める査察対象物については、同表に定める基準によらないことができる。

第2節 立入検査

(立入検査実施計画)

第13条 署長は、執行方針に基づき、査察対象物の火災危険に関する実態、自主的な管理の状況、過去の立入検査実施状況およびその結果等を総合的に判断して、毎年3月末日までに翌年度の立入検査実施計画(立入検査の実施方法、実施者その他立入検査の実施に必要な事項を定めた計画をいう。以下この条において同じ。)を策定し、消防長に報告するものとする。

2 署長は、火災の発生状況、社会情勢等により必要と認めるときは、前項の立入検査実施計画を変更し、効果的に立入検査ができるよう配慮しなければならない。

3 署長は、第1項の立入検査実施計画に基づき、毎月末日までに翌月の月間立入検査実施計画を策定するものとする。

4 署長は、第1項の立入検査実施計画および前項の月間立入検査実施計画に基づき、立入検査を行うものとする。

(平29消本訓令3・一部改正)

(事前準備)

第14条 査察員は、立入検査に当たっては、査察対象物について事前に検討を行い、立入検査の効率的な執行を図るものとする。

2 査察員は、立入検査に当たって関係者に対して事前に通知を行うときは、口頭又は立入検査通知書により行うものとする。

(平25消本訓令2・一部改正)

(立入検査要領の基本)

第15条 査察員は、立入検査に当たっては、火災危険の排除を主眼とし、査察対象物の実態に応じて検査を行うものとする。

2 査察員は、立入検査に当たっては、消防計画、予防規程、防災規程、関係者等が行った自主的な管理の状況の記録等を確認するものとする。

3 査察員は、立入検査に当たって消防用設備等および特殊消防用設備等ならびに防火避難施設を検査するときは、火災発生時を想定し、設備および施設を関係者等にその取扱いを求める等して、有効に活用し得るか否かを確認するよう努めなければならない。

4 査察員は、立入検査に当たっては、消防活動について十分に配慮して行うものとする。

(遵守事項)

第16条 査察員は、立入検査を行うときは、法第4条、法第16条の3の2もしくは法第16条の5又は石災法第40条の規定によるほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 査察対象物の内外にわたり綿密に検査し、火災が発生するおそれがある場所又は物件を発見し、火災の未然防止に努めること。

(2) 言語および動作に注意し、相手に不快感を抱かせないようにすること。

(3) 原則として、関係者、防火管理者、危険物保安監督者等の立会いを求めること。

(4) 不備欠陥事項等に対しては、その理由を説明し、および法的根拠を明らかにし、懇切丁寧に指導すること。

(5) 正当な理由がなく立入検査を拒み、妨げ、又は忌避する者があるときは、立入検査の趣旨等を説明し、なお応じないときは、当該拒否等の理由を確認した上でその旨を上司に報告して必要な指示を受けること。

(6) 関係者の民事に関与しないこと。

(平28消本訓令1・一部改正)

第3節 立入検査結果の処理

(立入検査結果の報告等)

第17条 査察員は、立入検査が終了した場合は、その都度、その結果を消防長等に報告するとともに、査察対象物に不備欠陥事項等があるときは、その内容が軽微なものを除き、立入検査結果通知書により当該査察対象物の関係者に通知するものとする。

(改修の報告)

第18条 消防長等は、前条の規定により通知した不備欠陥事項等については、同条の立入検査結果通知書の交付後、速やかに、改修(計画)報告書により関係者に報告を求めるものとする。ただし、消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書(以下「点検結果報告書」という。)の提出その他の方法により、不備欠陥事項等の是正が確認できる場合については、この限りでない。

2 前項の改修(計画)報告書には、次に掲げる事項を明示させるものとする。

(1) 改修に一定の期間を要するものについては、改修予定日その他具体的な改修計画

(2) 改修が完了したものについては、改修完了年月日

3 査察員は、改修予定日が社会通念上又は火災予防上妥当と認められない場合は、第1項の改修(計画)報告書を受理する際、その場で当該報告書を提出した者に対し指導を行うものとする。

(勧告等)

第19条 消防長等は、第17条の規定により通知した事項が是正されないとき又はその是正が期待できないと認められるときは、当該査察対象物の関係者に対して勧告書により勧告し、是正を促すものとする。

2 消防長等は、前項の規定による勧告によっては火災予防上又は人命安全上十分な効果が得られないと認めるときは、同項の規定にかかわらず、次章に定めるところにより、速やかに違反処理を行うものとする。

第4節 資料提出、報告徴収等

(資料提出)

第20条 火災予防のため必要と認める資料(査察対象物の実態を把握するために必要な既存の文書その他の物件をいう。以下同じ。)は、関係者に対し任意の提出を求めるものとする。

2 前項の規定による任意の提出により難い場合で法第4条、法第16条の3の2又は法第16条の5の規定に基づく命令によって資料の提出を求めるときは、資料提出命令書により行うものとする。

(平28消本訓令1・一部改正)

(報告徴収)

第21条 資料以外のもので火災予防上必要と認められる事項については、関係者に対し任意の報告を求めるものとする。

2 前項の規定による任意の報告により難い場合で法第4条、法第16条の3の2もしくは法第16条の5又は石災法第39条の規定に基づく報告を求めるときは、報告徴収書により行うものとする。

(平28消本訓令1・一部改正)

(資料の受領等)

第22条 前2条の規定により資料を提出させ、又は報告を受けるときは、当該関係者に対し、資料提出報告書の提出および資料の返還の希望の有無を明らかにすることを求めるものとする。ただし、任意の提出又は報告を求めた場合で特に必要がないと認められるときは、この限りでない。

2 前2条の規定により資料の提出又は報告があったときは、当該関係者に対し、資料保管書を交付しなければならない。ただし、当該関係者が資料の返還を希望しないときは、この限りでない。

3 前項の規定により資料保管書を交付した資料は、保管品台帳に記載し、保管票を付して紛失、き損等をしないように保管し、保管の必要がなくなったときは、当該関係者に対し資料保管書と引換えに資料を返還するものとする。

(危険物の収去)

第23条 査察員は、法第16条の5第1項の規定により危険物又は危険物であることの疑いのある物を収去しようとするときは、秋田市危険物の規制に関する規則(昭和60年秋田市規則第7号)第8条の規定に定めるところにより処理するものとする。

第5節 削除

(平29消本訓令3)

第24条 削除

(平29消本訓令3)

第4章 違反処理

第1節 通則

(違反処理の主体)

第25条 違反処理の主体は、消防長、署長ならびに消防長および署長以外の消防吏員とし、これらの者がそれぞれ行う違反処理の対象は、別に定める。

(違反処理の区分)

第26条 違反処理の区分は、次のとおりとする。

(1) 警告

(2) 命令

(3) 特例認定の取消し

(4) 許可の取消し

(5) 告発

(6) 過料事件の通知

(7) 代執行

(8) 即時措置

(違反処理上の基本的留意事項)

第27条 違反処理は、次に掲げる事項に留意して行わなければならない。

(1) 違反の内容又は火災危険の重大性に着目し、時機を失することなく厳正かつ公平に行うこと。

(2) 違反処理の業務を行うに当たっては、関係者に対し誠実かつ冷静沈着に対処すること。

(3) 違反処理を行った事案については、適時、追跡確認を行い、その是正の促進に努めること。

(違反処理基準)

第28条 違反処理は、第26条各号に掲げる措置への移行、履行期限等の判断に関し別に定める違反処理基準(以下「違反処理基準」という。)に従って行わなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、違反の事実が明白で、かつ、火災予防上もしくは人命安全上猶予できないと認める場合又は特異な違反の事案の処理に係る場合は、違反処理基準に定める措置順序によらないことができる。

(違反状況の管理)

第29条 消防長等は、違反処理に係る当該違反の発生から是正に至るまでの経過等を記録するため、違反処理台帳(以下「台帳」という。)を整備し、当該違反処理の状況を適正に管理しなければならない。

(違反の調査等)

第30条 査察員は、職務の執行に際し、第28条の規定に基づく違反処理が必要な違反の事実を発見し、又は聞知したときは、速やかに消防長等に報告しなければならない。

2 消防長等は、前項の報告を受けた場合は、査察員に命じて速やかに違反の事実の調査に当たらせるものとする。ただし、立入検査により違反の事実が確定しているときは、当該調査を省略することができる。

3 前項の調査を行った査察員は、当該調査の結果を違反調査報告書により消防長等に報告しなければならない。

(質問調書)

第31条 査察員は、違反に係る調査又は違反処理を行うに際し関係者等に対し質問を行ったときは、質問調書を作成しておかなければならない。

第2節 警告

(警告)

第32条 消防長等は、次の各号のいずれかに該当する場合は、命令又は告発を行う前の措置として、当該関係者に対し、警告書を交付することにより警告を行うものとする。

(1) 違反の事案について関係者の具体的な是正の意思が認められない場合

(2) 消防長等が違反の内容の実態から火災予防上必要があると認める場合

2 消防長等は、違反の事案が違反処理の手続を行う前に是正された場合であっても、必要に応じ、違反の再発の防止を図るため警告を行うものとする。この場合において、前項の警告書によらないことができる。

3 消防長等は、違反の事実が明白で、かつ、火災予防上必要があると認める場合であって、第1項の警告書を交付するいとまがないときは、査察員に口頭で警告すべき事項を告知させることにより警告を行うことができる。

4 消防長等は、前項の規定により警告を行ったときは、当該関係者に対し、速やかに第1項の警告書を交付するものとする。

(履行状況の確認)

第33条 消防長等は、前条の規定により警告を行ったときは、査察員にその履行状況を確認するための調査に当たらせるものとする。

2 前項の調査を行った査察員は、当該調査の結果を消防長等に報告するとともに、その内容を台帳に記録しなければならない。

3 査察員は、第1項の調査により、その履行期限が経過してもなお違反が是正されていないことが確認されたときは、違反調査報告書により消防長等に報告しなければならない。

(上位措置への移行)

第34条 消防長等は、前条第3項の報告により当該違反が是正されていないと認めるときは、時機を失することなく、違反処理基準に従い必要な措置をとらなければならない。ただし、当該違反の大部分が是正され、かつ、火災危険が排除されたと認められるとき、又は当該違反の是正が部分的であっても、その時点において是正が進行中であり、かつ、その進捗状況が極めて良好であると認められるときは、当該措置を留保することができる。

第3節 事前手続

(聴聞および弁明の機会の付与が必要な不利益処分)

第35条 この訓令において、聴聞が必要な不利益処分とは、別表第3に掲げるものとする。

2 この訓令において、弁明の機会の付与が必要な不利益処分とは、別表第4に掲げるものとする。

(不利益処分に関する手続)

第36条 前条に規定する不利益処分に関する手続については、行政手続法および秋田市聴聞および弁明の機会の付与に関する規則(平成8年秋田市規則第3号)に定めるところによる。

第4節 命令

(命令)

第37条 消防長等は、法又は石災法に定める命令の要件に該当する場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、当該関係者に対し、命令書を交付することにより命令を行うものとする。

(1) 第32条の規定により警告した事項がその履行期限を経過してもなお履行されない場合

(2) 火災危険を生ずるおそれがあり、緊急に違反の是正その他の措置を講ずる必要があると認められる場合

(3) 公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため、緊急の必要があると認められる場合

2 消防長等は、違反の事実が明白で、かつ、緊急を要すると認める場合であって、前項の命令書を交付するいとまがないときは、査察員に口頭で命令すべき事項を告知させることにより命令を行うことができる。

3 消防長等は、前項の規定により命令を行ったときは、当該関係者に対し、速やかに第1項の命令書を交付するものとする。

4 査察員(消防吏員に限る。)は、立入検査その他の職務の執行に際し、違反処理基準に定める法第3条第1項又は法第5条の3第1項の規定による命令を行うべきものに該当する違反を発見したときは、命令書を交付することにより命令を行うものとする。

5 査察員(消防吏員に限る。)は、緊急を要すると認める場合であって、前項の命令書を交付するいとまがないときは、口頭で命令すべき事項を告知することにより命令を行うことができる。

6 査察員(消防吏員に限る。)は、前項の規定により命令を行ったときは、当該関係者に対し、速やかに第4項の命令書を交付するものとする。

(教示)

第38条 不服申立てをすることができる命令に関し、当該命令を書面で行うとき、又は当該命令を口頭で行った場合であって利害関係人から教示を求められたときは、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第82条に定める教示をしなければならない。

(平28消本訓令1・一部改正)

(催告)

第39条 消防長等は、第37条の規定により命令を行った場合は、第33条の規定に準じて、随時、その履行状況を確認し、その履行期限を経過してもなお履行されていないときは、必要に応じ、当該命令を受けた者に対し、催告書を交付して、その履行の促進を図るものとする。

(命令の解除)

第40条 消防長等は、第37条の規定により命令した事項の全部又は一部が履行され、当該命令を解除する必要があると認めるときは、当該命令を受けた者に対し、速やかに命令解除通知書を交付することにより当該命令を解除するものとする。

第5節 公示

(公示)

第41条 消防長等は、法第5条第1項、法第5条の2第1項、法第5条の3第1項、法第8条第3項および第4項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)、法第8条の2第5項および第6項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)、法第8条の2の5第3項ならびに法第17条の4第1項および第2項の規定に基づく命令を行ったときは、当該命令に係る査察対象物又は当該査察対象物のある場所への標識の設置その他秋田市火災予防規則(昭和48年秋田市規則第16号)第2条に規定する方法により公示を行うものとする。

2 消防長等は、法第11条の5第1項および第2項、法第12条第2項、法第12条の2第1項および第2項、法第12条の3第1項、法第13条の24第1項、法第14条の2第3項、法第16条の3第3項および第4項ならびに法第16条の6第1項の規定に基づく命令を行ったときは、当該命令に係る査察対象物又は当該査察対象物のある場所への標識の設置その他秋田市危険物の規制に関する規則第5条に規定する方法により公示を行うものとする。

3 前2項の公示は、前2項に規定する命令を行った後、速やかに行うものとし、当該命令の履行又は解除がなされるまでの間その状態を維持するものとする。

(平25消本訓令2・一部改正)

第6節 特例認定の取消し

(特例認定の取消し)

第42条 消防長等は、法第8条の2の3第6項各号(法第36条第1項において準用する場合を含む。)のいずれかに該当する場合は、当該防火対象物の管理について権原を有する者(以下「管理権原者」という。)に対し、特例認定取消書を交付することにより特例認定の取消しを行うものとする。

(平25消本訓令2・一部改正)

第7節 許可の取消し

(許可の取消し)

第43条 消防長等は、法第12条の2第1項に定める許可の取消しの要件に該当する場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、当該許可を受けた者又は法第11条第6項の規定によりその地位を承継した者に対し、許可取消書を交付することにより許可の取消しを行うものとする。

(1) 法第12条の2第1項の規定による使用の停止の命令に従わない場合

(2) 違反の内容が重大で、許可の取消しの必要があると認める場合

第8節 告発

(告発)

第44条 消防長等は、次の各号のいずれかに該当する場合であって、罰則(過料事件の通知に係るものを除く。)をもって対応すべきと認めるときは、告発を行うものとする。

(1) 違反の内容が重大な場合

(2) 違反に起因する火災等が発生し、もしくは拡大し、又は死傷者が発生した場合

(3) 前2号に掲げるもののほか、告発をもって措置すべき情状が認められる場合

(告発の手続)

第45条 告発は、違反の生じた場所を管轄する捜査機関の司法警察員又は検察官に対して行うものとする。

2 告発を行うときは、告発書に、次に掲げる資料のうち当該違反に関する資料として必要な資料を添付するものとする。

(1) 立入検査結果通知書の写し

(2) 勧告書、警告書、命令書又は催告書の写し

(3) 図面又は写真

(4) 前3号に掲げるもののほか、違反の事実および情状の認定に必要な資料

(告発の事前報告)

第46条 署長は、告発を行うときは、あらかじめ消防長に報告しなければならない。

第9節 過料事件の通知

(過料事件の通知)

第47条 消防長等は、法第8条の2の3第5項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)又は法第17条の2の3第4項の規定による届出を怠った者を覚知した場合であって、過料をもって対応すべきと認めるときは、過料事件の通知を行うものとする。

(平25消本訓令2・一部改正)

(過料事件の通知の手続)

第48条 過料事件の通知は、法第8条の2の3第5項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)又は法第17条の2の3第4項の規定による届出を怠った者の住所地を管轄する地方裁判所に対して行うものとする。

2 過料事件の通知を行うときは、過料事件通知書に、次の各号に掲げる過料事件の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める資料を添付するものとする。

(1) 法第8条の2の3第5項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)に係る過料事件

 法第8条の2の3第1項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定による認定を受けた防火対象物の管理権原者であったことを証する資料の写し

 管理権原者に変更があったことを証する資料の写し

 過料に処せられるべき者の住所地等を証する資料

 違反時点において法第8条の2の3第1項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定による認定を受けた防火対象物であったことを証する資料

(2) 法第17条の2の3第4項に係る過料事件

 法第17条第3項の認定を受けた者であることを証する資料

 認定を受けた特殊消防用設備等又は設備等設置維持計画の軽微な変更の内容を証する資料

 過料に処せられるべき者の住所地等を証する資料

(平25消本訓令2・一部改正)

(過料事件の通知の事前報告)

第49条 署長は、過料事件の通知を行うときは、あらかじめ消防長に報告するものとする。

第10節 代執行

(代執行)

第50条 消防長等は、第37条第1項から第3項までの規定により命令した事項を当該関係者が履行しない場合であって、告発その他の方法によってはその履行が確保できず、特に必要があると認めるときは、代執行を行うものとする。

2 代執行を行うときは、事前にその執行に伴う作業、警戒、経費等の計画を立て、関係行政機関等と調整を行うものとする。

3 代執行に係る戒告、通知および費用の徴収のための文書ならびに執行責任者の証票は、次のとおりとする。

(1) 戒告書

(2) 代執行令書

(3) 代執行費用納付命令書

(4) 代執行執行責任者証

(代執行の事前報告)

第51条 署長は、代執行を行うときは、あらかじめ消防長に報告しなければならない。

(代執行執行責任者証の携帯)

第52条 消防長等その他の査察員は、執行責任者として代執行の現場に赴くときは、第50条第3項第4号の代執行執行責任者証を携帯し、関係者等の請求があるときは、これを示さなければならない。

第11節 即時措置

(即時措置)

第53条 消防長等は、法第3条第1項又は法第5条の3第1項の規定による命令に係る履行義務者を確知することができないために当該命令を行うことができないときは、必要に応じ、即時措置を行うものとする。

(即時措置の事前報告)

第54条 署長は、即時措置を行うときは、あらかじめ消防長に報告しなければならない。

第12節 警告書等の送達

(送達)

第55条 この訓令に定める警告書、命令書、特例認定取消書、許可取消書、戒告書、代執行令書および代執行費用納付命令書(以下「警告書等」という。)を交付するときは、原則として、当該関係者等に直接交付し、受領書に署名を求めるものとする。

2 前項の規定にかかわらず、当該関係者等が警告書等の受領を拒否した場合その他やむを得ない理由により直接交付することができない場合は、配達証明郵便又は内容証明郵便の取扱い等により郵送するものとする。ただし、関係者等の住所および居所がいずれも明らかでないため郵送することができないとき(警告書に係るときを除く。)は、秋田市公告式条例(昭和25年秋田市条例第26号)第2条第2項に規定する掲示場に掲示することにより行うものとする。

(令3消本訓令1・一部改正)

第13節 違反処理結果の報告

(違反処理結果の報告)

第56条 署長は、命令(口頭による場合を含む。)、特例認定の取消し、許可の取消し、告発、過料事件の通知、代執行又は即時措置を行ったときは、次項に規定する場合を除き、違反処理結果報告書により消防長に報告しなければならない。

2 署長は、違反処理が完結したときは、違反処理完結報告書により消防長に報告しなければならない。

第5章 雑則

(委任)

第57条 この訓令に定めるもののほか必要な事項は、消防長が別に定める。

(施行期日)

1 この訓令は、平成16年7月1日から施行する。

(経過措置)

2 この訓令の施行の日前になされたこの訓令の規定による処分、手続その他の行為に相当する行為は、この訓令の規定によりなされたものとみなす。

(平成25年10月1日消防本部訓令第2号)

この訓令は、公布の日から施行する。ただし、第41条第1項および別表第2の改正規定は、平成26年4月1日から施行する。

(平成26年3月24日消防本部訓令第1号)

この訓令は、平成26年4月1日から施行する。

(平成28年3月9日消防本部訓令第1号)

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

(平成29年3月22日消防本部訓令第3号)

この訓令は、平成29年4月1日から施行する。

(平成31年3月28日消防本部訓令第2号)

この訓令は、平成31年4月1日から施行する。

(令和3年3月29日消防本部訓令第1号)

この訓令は、令和3年4月1日から施行する。

別表第1(第11条関係)

査察対象物の区分および範囲

区分

範囲

(1) 第1種査察対象物(甲)

次のいずれかに該当するもの

ア 防火対象物定期点検報告を必要とする防火対象物

イ アに掲げるもの以外のもので、法第8条第1項の規定により防火管理者を定めなければならない特定防火対象物

ウ ア又はイに掲げるもの以外のもので、消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「政令」という。)第21条の規定により自動火災報知設備の設置を必要とする特定防火対象物

(2) 第1種査察対象物(乙)

危険物製造所等のうち、製造所、屋外タンク貯蔵所および移送取扱所

(3) 第1種査察対象物(丙)

特定事業所

(4) 第2種査察対象物(甲)

第1号に掲げるもの以外のもので、次のいずれかに該当するもの

ア 法第8条第1項の規定により防火管理者を定めなければならない防火対象物

イ アに掲げるもの以外のもので、政令第13条の規定により水噴霧消火設備等の設置を必要とする防火対象物

ウ ア又はイに掲げるもの以外のもので、政令第21条又は条例第40条の規定により自動火災報知設備の設置を必要とする防火対象物

(5) 第2種査察対象物(乙)

第2号に掲げるもの以外のもので、法第13条第1項の規定により危険物保安監督者を定めなければならない危険物製造所等

(6) 第3種査察対象物(甲)

第1号又は第4号に掲げるもの以外のもので、政令第10条の規定により消火器具の設置を必要とする防火対象物

(7) 第3種査察対象物(乙)

第2号又は第5号に掲げるもの以外の危険物製造所等

(8) 第4種査察対象物

前各号に掲げるもの以外のもので、次のいずれかに該当するもの

ア 高圧ガス貯蔵取扱所等

イ 少量危険物貯蔵取扱所等

ウ ア又はイに掲げるもののほか、消防長が火災予防上必要と認める消防対象物

備考

1 この表において「防火対象物定期点検報告」とは、法第8条の2の2第1項の規定による点検および報告をいう。

2 この表において「危険物製造所等」とは、法第10条に規定する指定数量以上の危険物の製造所、貯蔵所および取扱所をいう。

3 この表において「高圧ガス貯蔵取扱所等」とは、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)第1条の10第1項各号に掲げる物質で当該各号に定める数量以上のものを貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。

4 この表において「少量危険物貯蔵取扱所等」とは、少量危険物(指定数量の5分の1以上指定数量未満の危険物をいう。)又は条例第33条第1項の指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱う場所をいう。

別表第2(第12条関係)

(平25消本訓令2・一部改正)

定期立入検査実施基準

区分

立入検査の回数

(1) 第1種査察対象物

2年に1回以上

(2) 第2種査察対象物

3年に1回以上

(3) 第3種査察対象物

5年に1回以上

(4) 第4種査察対象物

管轄区域の実態等を総合的に判断して署長が必要と認める回数

別表第3(第35条関係)

(平25消本訓令2・一部改正)

聴聞が必要な不利益処分

処分内容

根拠条項

(1) 特例認定の取消し

法第8条の2の3第6項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)

(2) 許可の取消し

法第12条の2第1項

(3) 危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令

法第13条の24第1項

別表第4(第35条関係)

(平25消本訓令2・平26消本訓令1・平28消本訓令1・一部改正)

弁明の機会の付与が必要な不利益処分

処分内容

根拠条項

(1) 防火対象物の改修、移転等の命令

法第5条第1項

(2) 防火対象物の使用の禁止、停止等の命令

法第5条の2第1項

(3) 防火対象物における火災の予防又は消防活動の障害除去のための措置命令

法第5条の3第1項

(4) 防火管理上行うべき業務についての措置命令

法第8条第4項および第8条の2第6項

(5) 防災管理上行うべき業務についての措置命令

法第36条第1項において準用する法第8条第4項および第8条の2第6項

(6) 危険物施設の使用停止命令

法第12条の2第1項および第2項

(7) 予防規程の変更命令

法第14条の2第3項

(8) 特定事業所の施設の使用停止命令

石災法第21条第3項

秋田市査察規程

平成16年6月30日 消防本部訓令第4号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第14編 防/第2章
沿革情報
平成16年6月30日 消防本部訓令第4号
平成25年10月1日 消防本部訓令第2号
平成26年3月24日 消防本部訓令第1号
平成28年3月9日 消防本部訓令第1号
平成29年3月22日 消防本部訓令第3号
平成31年3月28日 消防本部訓令第2号
令和3年3月29日 消防本部訓令第1号