○秋田市福祉ホームの設備および運営に関する基準を定める条例

平成24年12月27日

条例第67号

(趣旨)

第1条 この条例は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第80条第1項の規定に基づき、福祉ホームの設備および運営に関する基準を定めるものとする。

(基本方針)

第2条 福祉ホームは、利用者(福祉ホームを利用する障害者をいう。以下同じ。)が地域において自立した日常生活および社会生活を営むことができるよう、現に住居を求めている障害者につき、低額な料金で、居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な支援を適切かつ効果的に行うものでなければならない。

2 福祉ホームは、利用者の意思および人格を尊重し、常に利用者の立場に立ったサービスの提供に努めなければならない。

3 福祉ホームは、地域および家庭との結び付きを重視した運営を行い、市、障害福祉サービス事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に努めなければならない。

4 福祉ホームは、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、職員の研修の実施その他の必要な措置を講じなければならない。

(令3条例18・一部改正)

(配置、構造および設備)

第3条 福祉ホームの配置、構造および設備は、利用者の特性に応じて工夫され、かつ、日照、採光、換気その他の利用者の保健衛生に関する事項および防災について十分考慮されたものでなければならない。

2 福祉ホームの建物(利用者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。以下同じ。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。以下同じ。)又は準耐火建築物(同条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。以下同じ。)でなければならない。

3 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動その他の消防の活動に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号に掲げる要件のいずれかを満たす木造かつ平屋建ての福祉ホームの建物であって、かつ、火災に係る利用者の安全性が確保されていると認めた建物の場合は、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火および延焼の抑制に配慮した構造であること。

(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見および通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うための十分な幅員を有する避難路の確保等により円滑な避難が可能な構造を有しており、かつ、避難訓練の頻繁な実施、配置人員の増員等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

(運営規程)

第4条 福祉ホームは、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する運営規程を定めておかなければならない。

(1) 施設の目的および運営の方針

(2) 職員の職種、員数および職務の内容

(3) 利用定員

(4) 利用者に対して提供するサービスの内容ならびに利用者から受領する費用の種類およびその額

(5) 施設の利用に当たっての留意事項

(6) 非常災害対策

(7) 虐待の防止のための措置に関する事項

(8) 前各号に掲げるもののほか、施設の運営に関する重要事項

(非常災害対策)

第5条 福祉ホームは、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に関する具体的な計画を立て、非常災害時の関係機関への通報体制および連絡体制を整備し、これらを定期的に利用者に周知しなければならない。

2 福祉ホームは、非常災害に備えるため、定期的に避難訓練、救出訓練その他の必要な訓練を行わなければならない。

3 福祉ホームは、前項に規定する訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならない。

(令3条例18・一部改正)

(サービスの提供の記録)

第6条 福祉ホームは、利用者に対しサービスを提供したときは、当該サービスの提供日、内容その他必要な事項を、サービスの提供の都度記録しなければならない。

(記録の整備)

第7条 福祉ホームは、職員、設備、備品および会計に関する記録を整備しておかなければならない。

2 福祉ホームは、利用者に対するサービスの提供に関する次に掲げる記録を整備し、当該サービスを提供した日から5年間保存しなければならない。

(1) 前条に規定するサービスの提供の記録

(2) 第17条第2項に規定する苦情の内容等の記録

(3) 第18条第2項に規定する事故の状況および事故に際してとった処置についての記録

(令3条例18・一部改正)

(規模)

第8条 福祉ホームは、5人以上の人員を利用させることができる規模を有するものでなければならない。

(設備の基準)

第9条 福祉ホームは、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該福祉ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、利用者に対するサービスの提供に支障がないときは、当該設備の一部を設けないことができる。

(1) 居室

(2) 浴室

(3) 便所

(4) 管理人室

(5) 共用室

2 前項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。

(1) 居室

 1の居室の定員は、原則として、1人とすること。

 利用者1人当たりの床面積は、原則として、収納設備等を除き、9.9平方メートル以上とすること。

(2) 浴室 利用者の特性に応じたものであること。

(3) 便所 利用者の特性に応じたものであること。

(4) 共用室 利用者の娯楽、団らん、集会等の用に供する共用の部屋として、利用定員に応じて適当な広さを有すること。

3 福祉ホームの設備は、専ら当該福祉ホームの用に供するものでなければならない。ただし、利用者に対するサービスの提供に支障がない場合は、この限りでない。

(職員の配置の基準)

第10条 福祉ホームには、管理人を置かなければならない。

2 管理人は、障害者の福祉の増進に熱意を有し、福祉ホームを適切に運営する能力を有する者でなければならない。

(利用者に求めることのできる金銭の支払の範囲等)

第11条 福祉ホームが利用者に対し支払を求めることができる金銭は、当該金銭の使途が直接利用者の便益を向上させるものであって、当該利用者に支払を求めることが適当であるものに限るものとする。

2 前項の規定により金銭の支払を求めるときは、当該金銭の使途および額ならびに利用者に金銭の支払を求める理由について書面によって明らかにするとともに、利用者に対し説明を行い、その同意を得なければならない。

(勤務体制の確保等)

第12条 福祉ホームは、利用者に対し、適切なサービスを提供することができるよう、職員の勤務の体制を定めておかなければならない。

2 福祉ホームは、当該福祉ホームの職員によってサービスを提供しなければならない。ただし、利用者の支援に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。

3 福祉ホームは、職員に対し、その資質の向上のため、研修の機会を確保しなければならない。

4 福祉ホームは、適切なサービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化その他の必要な措置を講じなければならない。

(令3条例18・追加)

(定員の遵守)

第13条 福祉ホームは、利用定員を超えて利用させてはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

(令3条例18・旧第12条繰下)

(業務継続計画の策定等)

第14条 福祉ホームは、感染症又は非常災害の発生時において、利用者に対するサービスの提供を継続的に実施するためおよび非常時の体制で早期の業務の再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定し、当該業務継続計画に従い必要な措置を講じなければならない。

2 福祉ホームは、職員に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修および訓練を定期的に実施しなければならない。

3 福祉ホームは、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うものとする。

(令3条例18・追加)

(衛生管理等)

第15条 福祉ホームは、利用者の使用する設備および飲用に供する水について、衛生的な管理に努めるとともに、衛生上必要な措置を講じなければならない。

2 福祉ホームは、当該福祉ホームにおいて感染症の発生又はまん延を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 当該福祉ホームにおける感染症の予防およびまん延の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置その他の情報通信機器(第19条第1号において「テレビ電話装置等」という。)を活用して行うことができるものとする。)を定期的に開催するとともに、その結果について、職員に周知徹底を図ること。

(2) 当該福祉ホームにおける感染症の予防およびまん延の防止のための指針を整備すること。

(3) 当該福祉ホームにおいて、職員に対し、感染症の予防およびまん延の防止のための研修および訓練を定期的に実施すること。

(令3条例18・旧第13条繰下・一部改正)

(秘密保持等)

第16条 福祉ホームの職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。

2 福祉ホームは、当該福祉ホームの職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

(令3条例18・旧第14条繰下)

(苦情解決)

第17条 福祉ホームは、その提供したサービスに関する利用者又はその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するため、苦情を受け付ける窓口の設置その他の必要な措置を講じなければならない。

2 福祉ホームは、前項の苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。

3 福祉ホームは、その提供したサービスに関し、市から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

4 福祉ホームは、市からの求めがあった場合は、前項の改善の内容を市に報告しなければならない。

5 福祉ホームは、社会福祉法(昭和26年法律第45号)第83条に規定する運営適正化委員会が同法第85条の規定により行う調査又はあっせんにできる限り協力しなければならない。

(令3条例18・旧第15条繰下)

(事故発生時の対応)

第18条 福祉ホームは、利用者に対するサービスの提供により事故が発生した場合は、直ちに必要な措置を講ずるとともに、市、当該利用者の家族等に連絡を行わなければならない。

2 福祉ホームは、前項の事故の状況および事故に際してとった処置について、記録しなければならない。

3 福祉ホームは、利用者に対するサービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。

(令3条例18・旧第16条繰下)

(虐待の防止)

第19条 福祉ホームは、虐待の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 当該福祉ホームにおける虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)を定期的に開催するとともに、その結果について、職員に周知徹底を図ること。

(2) 当該福祉ホームにおいて、職員に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。

(3) 前2号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

(令3条例18・追加)

(電磁的記録等)

第20条 福祉ホームおよびその職員は、記録、保存その他これらに類するもののうち、この条例の規定において書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下この条において同じ。)により行うことが規定されているもの又は想定されるもの(次項に規定するものを除く。)については、書面等に代えて、当該書面等に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により行うことができる。

2 福祉ホームおよびその職員は、説明、同意その他これらに類するもの(以下「説明等」という。)のうち、この条例の規定において書面等により行うことが規定されているもの又は想定されるものについては、当該説明等の相手方の承諾を得て、当該説明等の相手方が利用者である場合は当該利用者に係る障害の特性に応じた適切な配慮をしつつ、書面等に代えて、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によっては認識することができない方法をいう。)によることができる。

(令3条例49・追加)

(委任)

第21条 この条例に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

(令3条例18・旧第17条繰下、令3条例49・旧第20条繰下)

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(令和3年3月18日条例第18号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(虐待の防止に係る経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)から令和4年3月31日までの間、改正後の秋田市福祉ホームの設備および運営に関する基準を定める条例(以下「新条例」という。)第2条第4項および第19条の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは、「講ずるよう努めなければ」とする。

(業務継続計画の策定等に係る経過措置)

3 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第14条の規定の適用については、同条中「講じなければ」とあるのは「講ずるよう努めなければ」と、「実施しなければ」とあるのは「実施するよう努めなければ」と、「行う」とあるのは「行うよう努める」とする。

(感染症の予防およびまん延の防止のための措置に係る経過措置)

4 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第15条第2項の規定の適用については、同項中「講じなければ」とあるのは、「講ずるよう努めなければ」とする。

(令和3年6月29日条例第49号)

この条例は、令和3年7月1日から施行する。

秋田市福祉ホームの設備および運営に関する基準を定める条例

平成24年12月27日 条例第67号

(令和3年7月1日施行)

体系情報
第9編 社会福祉/第5章 心身障害者福祉
沿革情報
平成24年12月27日 条例第67号
令和3年3月18日 条例第18号
令和3年6月29日 条例第49号