○秋田市犯罪被害者等見舞金支給条例

平成29年3月17日

条例第9号

(目的)

第1条 この条例は、自らの責めに帰すべき事情がないにもかかわらず、犯罪行為により、不慮の死を遂げた市民の遺族又は傷害を受けた市民に対して犯罪被害者等見舞金を支給し、もってその生活の安定および精神的被害の軽減を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪行為 日本国内又は日本国外にある日本船舶もしくは日本航空機内において行われた人の生命又は身体を害する罪に当たる行為(刑法(明治40年法律第45号)第37条第1項本文、第39条第1項又は第41条の規定により罰せられない行為を含むものとし、同法第35条又は第36条第1項の規定により罰せられない行為および過失による行為を除く。)をいう。

(2) 犯罪被害 犯罪行為による死亡又は傷害をいう。

(3) 市民 本市の住民基本台帳に記録されている者をいう。

(4) 被害者 犯罪被害を受けた者(当該犯罪被害の原因となった犯罪行為が行われた時において市民である者に限る。)をいう。

(5) 傷害 医師の診断により全治1月以上の加療を要するものをいう。

(犯罪被害者等見舞金の支給)

第3条 市長は、被害者があるときは、この条例の定めるところにより、被害者又はその遺族(当該犯罪被害の原因となった犯罪行為が行われた時において市民である者に限る。)に対し、犯罪被害者等見舞金を支給することができる。

(犯罪被害者等見舞金の種類等)

第4条 犯罪被害者等見舞金は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者に対して、一時金として支給する。

(1) 遺族見舞金 犯罪行為により死亡した者の第1順位遺族(次条第3項および第4項の規定による第1順位の遺族をいう。第7条において同じ。)

(2) 傷害見舞金 犯罪行為により傷害を受けた者

(遺族の範囲および順位)

第5条 遺族見舞金の支給を受けることができる遺族は、被害者の死亡の時において、次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)

(2) 被害者の収入によって生計を維持していた被害者の子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹

(3) 前号に該当しない被害者の子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹

2 被害者の死亡の当時胎児であった子が出生した場合における前項の規定の適用については、その子は、その母が被害者の死亡の当時被害者の収入によって生計を維持していたときにあっては同項第2号の子と、その他のときにあっては同項第3号の子とみなす。

3 遺族見舞金の支給を受けるべき遺族の順位は、第1項各号の順序とし、同項第2号および第3号に掲げる者のうちにあっては、それぞれ当該各号に掲げる順序とし、父母については、養父母を先にし、実父母を後にする。

4 被害者を故意に死亡させ、又は被害者の死亡前に、その者の死亡によって遺族見舞金の支給を受けることができる先順位もしくは同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた者は、遺族見舞金の支給を受けることができる遺族としない。遺族見舞金の支給を受けることができる先順位又は同順位の遺族を故意に死亡させた者も、同様とする。

(犯罪被害者等見舞金を支給しない場合)

第6条 市長は、次に掲げる場合は、犯罪被害者等見舞金を支給しない。

(1) 被害者と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む。)があるとき。

(2) 被害者が犯罪行為を誘発したとき、その他当該犯罪被害につき、被害者にもその責めに帰すべき行為があったとき。

(3) 前2号に掲げる場合のほか、被害者又はその遺族と加害者との関係その他の事情から判断して、犯罪被害者等見舞金を支給することが社会通念上適切でないと認められるとき。

(犯罪被害者等見舞金を支給しない場合の特例)

第7条 前条第1号の規定にかかわらず、犯罪行為が行われた時に、被害者又は第1順位遺族からの申立てにより、加害者に対し配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第10条の規定による命令が発せられている場合又はこれに準ずる事情があると認められる場合であって、前条第2号および第3号に該当しないときは、犯罪被害者等見舞金を支給することができる。

(犯罪被害者等見舞金の額)

第8条 犯罪被害者等見舞金の額は、次のとおりとする。

(1) 遺族見舞金 30万円

(2) 傷害見舞金 10万円

2 遺族見舞金の額は、遺族見舞金の支給を受けることができる遺族が2人以上ある場合は、前項第1号に定める額又は次項の規定により算定した額をその人数で除して得た額(その額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てた額)とする。

3 市長は、傷害見舞金の支給後に当該被害者が当該犯罪行為により死亡したときは、第1項第1号に規定する遺族見舞金の額から支給した傷害見舞金の額を減じて得た額を遺族見舞金としてその遺族に支払うものとする。

(犯罪被害者等見舞金の支給の申請)

第9条 犯罪被害者等見舞金の支給を受けようとする者は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。

2 前項の申請は、当該犯罪被害の発生を知った日から2年を経過したときは、することができない。

(犯罪被害者等見舞金の支給の決定等)

第10条 市長は、前条第1項の申請があったときは、速やかにその内容を審査し、犯罪被害者等見舞金の支給の可否を決定しなければならない。

2 市長は、前条第1項の申請があった場合において、加害者を知ることができない等当該犯罪行為に係る事実関係に関し、速やかに第6条各号に掲げる事由を確認することができない事情がある場合であって、特に必要があると認めるときは、犯罪被害者等見舞金を支給する旨の決定をすることができる。

(決定のための調査等)

第11条 市長は、犯罪被害者等見舞金の支給の決定を行うため必要があると認めるときは、申請者(第9条第1項の申請をした者をいう。第3項において同じ。)又はその他の関係人に対して、報告をさせ、文書その他の物件を提出させ、又は医師の診断を受けさせることができる。

2 市長は、犯罪被害者等見舞金の支給の決定を行うため必要があると認めるときは、犯罪捜査の権限のある機関に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

3 市長は、申請者が正当な理由なく第1項の規定による報告をせず、文書その他の物件を提出せず、又は医師の診断を拒んだときは、その申請を却下することができる。

(犯罪被害者等見舞金の返還)

第12条 市長は、犯罪被害者等見舞金の支給を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、期限を指定して、これを返還させることができる。

(1) 偽りその他不正の手段により犯罪被害者等見舞金の支給を受けたとき。

(2) 犯罪被害者等見舞金の支給を受けた後において、第6条各号に定める事由に該当することが判明したとき。

(時効)

第13条 犯罪被害者等見舞金の支給を受ける権利は、その請求をすることができる時から2年間これを行わないときは、時効により消滅する。

(権利の保護)

第14条 犯罪被害者等見舞金の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

(委任)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成29年4月1日から施行し、同日以後に行われた犯罪行為による死亡又は傷害について適用する。

秋田市犯罪被害者等見舞金支給条例

平成29年3月17日 条例第9号

(平成29年4月1日施行)