○秋田市介護医療院の人員、施設および設備ならびに運営に関する基準を定める条例

平成30年3月19日

条例第23号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 人員に関する基準(第4条)

第3章 施設および設備に関する基準(第5条・第6条)

第4章 運営に関する基準(第7条―第42条)

第5章 ユニット型介護医療院の基本方針ならびに施設、設備および運営に関する基準

第1節 この章の趣旨および基本方針(第43条・第44条)

第2節 施設および設備に関する基準(第45条)

第3節 運営に関する基準(第46条―第54条)

第6章 雑則(第55条・第56条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この条例は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第111条第1項から第3項までの規定に基づき、介護医療院の人員、施設および設備ならびに運営に関する基準を定めるものとする。

(基本方針)

第2条 介護医療院は、長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づき、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療ならびに日常生活上の世話を行うことにより、その者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにするものでなければならない。

2 介護医療院は、入所者の意思および人格を尊重し、常に入所者の立場に立って介護医療院サービスの提供に努めなければならない。

3 介護医療院は、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域および家庭との結び付きを重視した運営を行い、市、居宅介護支援事業者(居宅介護支援事業を行う者をいう。以下同じ。)、居宅サービス事業者(居宅サービス事業を行う者をいう。第44条第2項において同じ。)、他の介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

4 介護医療院は、入所者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、研修の実施その他の措置を講じなければならない。

5 介護医療院は、介護医療院サービスを提供するに当たっては、法第118条の2第1項に規定する介護保険等関連情報その他必要な情報を活用し、適切かつ有効に行うよう努めなければならない。

(令3条例11・一部改正)

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 療養床 療養室のうち、入所者1人当たりの寝台又はこれに代わる設備の部分をいう。

(2) Ⅰ型療養床 療養床のうち、主として長期にわたり療養が必要である者であって、重篤な身体疾患を有する者、身体合併症を有する認知症高齢者等を入所させるためのものをいう。

(3) Ⅱ型療養床 療養床のうち、Ⅰ型療養床以外のものをいう。

第2章 人員に関する基準

(従業者の員数)

第4条 法第111条第2項の規定による介護医療院に置くべき従業者の員数は、医師および看護師にあっては介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号。以下「基準省令」という。)に定める員数とし、これら以外の従業者にあっては次のとおりとする。

(1) 薬剤師 常勤換算方法で、介護医療院の入所者のうちⅠ型療養床の利用者(第3号において「Ⅰ型入所者」という。)の数を150で除した数に、介護医療院の入所者のうちⅡ型療養床の利用者(同号において「Ⅱ型入所者」という。)の数を300で除した数を加えて得た数以上

(2) 看護師又は准看護師(第12条および第52条において「看護職員」という。) 常勤換算方法で、介護医療院の入所者の数を6で除した数以上

(3) 介護職員 常勤換算方法で、Ⅰ型入所者の数を5で除した数に、Ⅱ型入所者の数を6で除した数を加えて得た数以上

(4) 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士 介護医療院の実情に応じた適当数

(5) 栄養士又は管理栄養士 入所定員100以上の介護医療院にあっては、1以上

(6) 介護支援専門員 1以上(入所者の数が100又はその端数を増すごとに1を標準とする。)

(7) 診療放射線技師 介護医療院の実情に応じた適当数

(8) 調理員、事務員その他の従業者 介護医療院の実情に応じた適当数

2 前項の入所者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規に許可を受ける場合は、推定数によるものとする。

3 第1項の常勤換算方法は、当該介護医療院の従業者のそれぞれの勤務延時間数の総数を当該介護医療院において常勤の従業者が勤務すべき時間数で除することにより、常勤の従業者の員数に換算する方法をいう。

4 介護医療院の従業者は、専ら当該介護医療院の職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

5 介護医療院の介護支援専門員は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、当該介護医療院の他の職務に従事することができるものとし、介護支援専門員が医療機関併設型介護医療院(病院又は診療所に併設され、入所者の療養生活の支援を目的とする介護医療院をいう。次項において同じ。)の職務に従事する場合であって、当該医療機関併設型介護医療院の入所者の処遇に支障がない場合は、当該医療機関併設型介護医療院に併設される病院又は診療所の職務に従事することができる。

6 第1項第1号第3号第4号および第6号の規定にかかわらず、併設型小規模介護医療院(医療機関併設型介護医療院のうち、入所定員が19人以下のものをいう。以下この項において同じ。)の薬剤師、介護職員、理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士又は介護支援専門員の員数の基準は、次のとおりとする。

(1) 薬剤師又は理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士 併設される医療機関が病院の場合にあっては当該病院の医師、薬剤師又は理学療法士、作業療法士もしくは言語聴覚士により、併設される医療機関が診療所の場合にあっては当該診療所の医師により当該併設型小規模介護医療院の入所者の処遇が適切に行われると認められるときは、置かないことができること。

(2) 介護職員 常勤換算方法で、当該併設型小規模介護医療院の入所者の数を6で除した数以上

(3) 介護支援専門員 当該併設型小規模介護医療院の実情に応じた適当数

(令3条例11・一部改正)

第3章 施設および設備に関する基準

(条例で定める施設)

第5条 法第111条第1項の規定による介護医療院が有しなければならない施設は、療養室、診察室、処置室および機能訓練室のほか、次のとおりとする。

(1) 談話室

(2) 食堂

(3) 浴室

(4) レクリエーション・ルーム

(5) 洗面所

(6) 便所

(7) サービス・ステーション

(8) 調理室

(9) 洗濯室又は洗濯場

(10) 汚物処理室

2 前項に規定する施設の基準は、次のとおりとする。この場合において、療養室、診察室、処置室および機能訓練室の基準は、基準省令に定めるところによる。

(1) 談話室

入所者同士ならびに入所者およびその家族が談話を楽しめる広さを有すること。

(2) 食堂

内のりによる測定で、入所者1人当たり1平方メートル以上の面積を有すること。

(3) 浴室

 身体の不自由な者の入浴に適したものとすること。

 一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別浴槽を設けること。

(4) レクリエーション・ルーム

レクリエーションを行うために十分な広さを有し、必要な設備を備えること。

(5) 洗面所

身体の不自由な者の利用に適したものとすること。

(6) 便所

身体の不自由な者の利用に適したものとすること。

3 第1項各号に掲げる施設は、専ら当該介護医療院の用に供するものでなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

(構造設備の基準)

第6条 介護医療院の構造設備の基準は、次のとおりとする。

(1) 介護医療院の建物(入所者の療養生活のために使用しない附属の建物を除く。以下この号および次項において同じ。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。以下この条および第45条において同じ。)とすること。ただし、次に掲げる要件のいずれかを満たす2階建て又は平屋建ての介護医療院の建物にあっては、準耐火建築物(同法第2条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。以下この条および第45条において同じ。)とすることができる。

 療養室その他の入所者の療養生活に充てられる施設(以下この項および第45条第4項において「療養室等」という。)を2階および地階のいずれにも設けていないこと。

 療養室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

(ア) 消防長又は当該介護医療院の所在地を管轄する消防署長と相談の上、第32条第1項に規定する計画に入所者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。

(イ) 第32条第1項に規定する訓練については、同項に規定する計画に従い、昼間および夜間において行うこと。

(ウ) 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。

(2) 療養室等が2階以上の階にある場合は、屋内の直通階段およびエレベーターをそれぞれ1以上設けること。

(3) 療養室等が3階以上の階にある場合は、避難に支障がないように避難階段を2以上設けること。ただし、前号に規定する直通階段を建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第123条第1項に規定する避難階段の構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる。

(4) 診察の用に供する電気、光線、熱、蒸気又はガスに関する構造設備については、危害防止上必要な方法を講ずることとし、放射線に関する構造設備については、基準省令第6条第1項第4号に定めるところによる。

(5) 階段には、手すりを設けること。

(6) 廊下の構造は、次のとおりとすること。

 幅は、1.8メートル(中廊下にあっては、2.7メートル)以上とすること。

 手すりを設けること。

 常夜灯を設けること。

(7) 入所者に対する介護医療院サービスの提供を適切に行うために必要な設備を備えること。

(8) 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けること。

2 前項第1号の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動その他の消防の活動に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号に掲げる要件のいずれかを満たす木造かつ平屋建ての介護医療院の建物であって、かつ、火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めた建物の場合は、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室その他の火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火および延焼の抑制に配慮した構造であること。

(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見および通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うための十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造を有しており、かつ、避難訓練の頻繁な実施、配置人員の増員等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

(令3条例11・一部改正)

第4章 運営に関する基準

(内容および手続の説明および同意)

第7条 介護医療院は、介護医療院サービスの提供の開始に際しては、あらかじめ、入所申込者又はその家族に対し、第29条に規定する運営規程の概要、従業者の勤務の体制その他の入所申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について入所申込者の同意を得なければならない。

2 介護医療院は、入所申込者又はその家族からの申出があった場合は、前項の規定による文書の交付に代えて、第5項に定めるところにより、当該入所申込者又はその家族の承諾を得て、当該文書に記すべき重要事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次に掲げるもの(以下この条において「電磁的方法」という。)により提供することができる。この場合において、当該介護医療院は、当該文書を交付したものとみなす。

(1) 電子情報処理組織を使用する方法のうち又はに掲げるもの

 介護医療院の使用に係る電子計算機と入所申込者又はその家族の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法

 介護医療院の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された前項に規定する重要事項を電気通信回線を通じて入所申込者又はその家族の閲覧に供し、当該入所申込者又はその家族の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該重要事項を記録する方法(電磁的方法による提供を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合にあっては、介護医療院の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)

(2) 磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに前項に規定する重要事項を記録したものを交付する方法

3 前項各号に掲げる方法は、入所申込者又はその家族がファイルへの記録を出力することにより文書を作成することができるものでなければならない。

4 第2項第1号の「電子情報処理組織」とは、介護医療院の使用に係る電子計算機と入所申込者又はその家族の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。

5 介護医療院は、第2項の規定により第1項に規定する重要事項を提供しようとするときは、あらかじめ、当該入所申込者又はその家族に対し、その用いる次に掲げる電磁的方法の種類および内容を示し、文書又は電磁的方法による承諾を得なければならない。

(1) 第2項各号に掲げる方法のうち介護医療院が使用するもの

(2) ファイルへの記録の方式

6 前項の規定による承諾を得た介護医療院は、当該入所申込者又はその家族から文書又は電磁的方法により電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、当該入所申込者又はその家族に対し、第1項に規定する重要事項の提供を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該入所申込者又はその家族が再び前項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。

(提供拒否の禁止)

第8条 介護医療院は、正当な理由なく介護医療院サービスの提供を拒んではならない。

(サービス提供困難時の対応)

第9条 介護医療院は、入所申込者の病状等を勘案し、入所申込者に対し自ら必要なサービスを提供することが困難であると認めた場合は、適切な病院又は診療所の紹介その他の適切な措置を速やかに講じなければならない。

(受給資格等の確認)

第10条 介護医療院は、介護医療院サービスの提供を求められた場合は、その者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無および要介護認定の有効期間を確認するものとする。

2 介護医療院は、前項に規定する被保険者証に法第73条第2項に規定する認定審査会意見が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮し、介護医療院サービスを提供するよう努めなければならない。

(要介護認定の申請に係る援助)

第11条 介護医療院は、入所の際に要介護認定を受けていない入所申込者については、要介護認定の申請が既に行われているかどうかを確認し、申請が行われていない場合は、当該入所申込者の意思を踏まえ、速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならない。

2 介護医療院は、要介護認定の更新の申請が遅くとも当該入所者が受けている要介護認定の有効期間の満了日の30日前までには行われるよう必要な援助を行わなければならない。

(入退所)

第12条 介護医療院は、その心身の状況および病状、その置かれている環境等に照らし療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療等が必要であると認められる者に対し、介護医療院サービスを提供するものとする。

2 介護医療院は、入所申込者の数が入所定員から入所者の数を差し引いた数を超えている場合は、長期にわたる療養および医学的管理の下における介護の必要性を勘案し、介護医療院サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。

3 介護医療院は、入所申込者の入所に際しては、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等(法第8条第24項に規定する指定居宅サービス等をいう。第28条において同じ。)の利用状況等の把握に努めなければならない。

4 介護医療院は、入所者の心身の状況および病状、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討し、その内容等を記録しなければならない。

5 前項の規定による検討に当たっては、医師、薬剤師、看護職員、介護職員、介護支援専門員その他の従業者の間で協議しなければならない。

6 介護医療院は、入所者の退所に際しては、その者又はその家族に対し適切な指導を行うとともに、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対する情報の提供に努めるほか、退所後の主治の医師に対する情報の提供その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

(サービスの提供の記録)

第13条 介護医療院は、入所に際しては入所の年月日ならびに入所している介護保険施設の種類および名称を、退所に際しては退所の年月日を、当該者の被保険者証に記載しなければならない。

2 介護医療院は、介護医療院サービスを提供したときは、提供した具体的なサービスの内容等を記録しなければならない。

(利用料等の受領)

第14条 介護医療院は、法定代理受領サービス(法第48条第4項の規定により施設介護サービス費(同条第1項に規定する施設介護サービス費をいう。以下この項および第46条第1項において同じ。)が入所者に代わり当該介護医療院に支払われる場合の当該施設介護サービス費に係る介護医療院サービスをいう。以下同じ。)に該当する介護医療院サービスを提供したときは、入所者から利用料(施設介護サービス費の支給の対象となる費用に係る対価をいう。以下同じ。)の一部として、当該介護医療院サービスについて法第48条第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該介護医療院サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に介護医療院サービスに要した費用の額とする。次項および第46条において「施設サービス費用基準額」という。)から当該介護医療院に支払われる施設介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。

2 介護医療院は、法定代理受領サービスに該当しない介護医療院サービスを提供したときに入所者から支払を受ける利用料の額と施設サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。

3 介護医療院は、前2項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を受けることができる。

(1) 食事の提供に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入所者に支給された場合は、同条第2項第1号に規定する食費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入所者に代わり当該介護医療院に支払われた場合は、同条第2項第1号に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)

(2) 居住に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入所者に支給された場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入所者に代わり当該介護医療院に支払われた場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の負担限度額)を限度とする。)

(3) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な療養室の提供を行ったことに伴い必要となる費用

(4) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用

(5) 理美容代

(6) 前各号に掲げるもののほか、介護医療院サービスにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、入所者に負担させることが適当と認められるもの

4 前項第1号から第4号までに掲げる費用については、別に厚生労働大臣が定めるところによるものとする。

5 介護医療院は、第3項各号に掲げる費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、入所者又はその家族に対し、当該サービスの内容および費用を記した文書を交付して説明を行い、当該入所者の同意を得なければならない。ただし、同項第1号から第4号までに掲げる費用に係る同意については、文書によるものとする。

(保険給付の請求のための証明書の交付)

第15条 介護医療院は、法定代理受領サービスに該当しない介護医療院サービスに係る費用の支払を受けた場合は、その提供した介護医療院サービスの内容、費用の額その他必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を入所者に対して交付しなければならない。

(介護医療院サービスの取扱方針)

第16条 介護医療院は、施設サービス計画に基づき、入所者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を踏まえ、その者の療養を妥当かつ適切に行わなければならない。

2 介護医療院サービスは、施設サービス計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して行われなければならない。

3 介護医療院の従業者は、介護医療院サービスの提供に当たっては、懇切丁寧を旨とし、入所者又はその家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導又は説明を行わなければならない。

4 介護医療院は、介護医療院サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。

5 介護医療院は、身体的拘束等を行う場合は、その態様および時間、その際の入所者の心身の状況ならびに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。

6 介護医療院は、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置その他の情報通信機器(以下「テレビ電話装置等」という。)を活用して行うことができるものとする。)を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

(3) 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

7 介護医療院は、自らその提供する介護医療院サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(令3条例11・一部改正)

(施設サービス計画の作成)

第17条 介護医療院の管理者は、介護支援専門員に施設サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。

2 施設サービス計画に関する業務を担当する介護支援専門員(以下この条および第28条において「計画担当介護支援専門員」という。)は、施設サービス計画の作成に当たっては、入所者の日常生活全般を支援する観点から、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて施設サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。

3 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、入所者について、その有する能力、その置かれている環境等の評価を通じて入所者が現に抱える問題点を明らかにし、入所者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握しなければならない。

4 計画担当介護支援専門員は、前項に規定する解決すべき課題の把握(次項および第9項において「アセスメント」という。)に当たっては、入所者およびその家族に面接して行わなければならない。この場合において、計画担当介護支援専門員は、面接の趣旨を入所者およびその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。

5 計画担当介護支援専門員は、入所者の希望、入所者についてのアセスメントの結果および医師の治療の方針に基づき、入所者の家族の希望を勘案し、入所者およびその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、介護医療院サービスの目標およびその達成時期、介護医療院サービスの内容、介護医療院サービスを提供する上での留意事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。

6 計画担当介護支援専門員は、サービス担当者会議(入所者に対する介護医療院サービスの提供に当たる他の担当者(以下この条において「担当者」という。)を招集して行う会議(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとし、入所者又はその家族が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該入所者又はその家族の同意を得なければならないものとする。)をいう。第11項において同じ。)の開催、担当者に対する照会等により、当該施設サービス計画の原案の内容について、担当者に専門的な見地からの意見を求めるものとする。

7 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の原案の内容について入所者又はその家族に説明し、文書により入所者の同意を得なければならない。

8 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画を作成したときは、当該施設サービス計画を入所者に交付しなければならない。

9 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成後、施設サービス計画の実施状況の把握(入所者についての継続的なアセスメントを含む。)を行い、必要に応じて施設サービス計画の変更を行うものとする。

10 計画担当介護支援専門員は、前項に規定する実施状況の把握(第2号において「モニタリング」という。)に当たっては、入所者およびその家族ならびに担当者との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。

(1) 定期的に入所者に面接すること。

(2) 定期的にモニタリングの結果を記録すること。

11 計画担当介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により、施設サービス計画の変更の必要性について、担当者に専門的な見地からの意見を求めるものとする。

(1) 入所者が法第28条第2項に規定する要介護更新認定を受けた場合

(2) 入所者が法第29条第1項に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合

12 第2項から第8項までの規定は、第9項に規定する施設サービス計画の変更について準用する。

(令3条例11・一部改正)

(診療の方針)

第18条 医師の診療の方針は、次に掲げるところによるものとする。

(1) 診療は、一般に医師として必要性があると認められる疾病又は負傷に対し、的確な診断を基とし、療養上妥当かつ適切に行う。

(2) 診療に当たっては、常に医学の立場を堅持して、入所者の心身の状況を観察し、要介護者の心理が健康に及ぼす影響に十分配慮して、心理的な効果をも上げることができるよう適切な指導を行う。

(3) 常に入所者の心身の状況および病状、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、適切な指導を行う。

(4) 検査、投薬、注射、処置等は、入所者の病状に照らして妥当かつ適切に行う。

(5) 特殊な療法、新しい療法等については、別に厚生労働大臣が定めるもののほか、行ってはならない。

(6) 別に厚生労働大臣が定める医薬品以外の医薬品を入所者に施用し、又は処方してはならない。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第17項に規定する治験に係る診療において、当該治験の対象とされる薬物を使用する場合においては、この限りでない。

(必要な医療の提供が困難な場合等の措置等)

第19条 介護医療院の医師は、入所者の病状からみて当該介護医療院において自ら必要な医療を提供することが困難であると認めたときは、協力病院その他適当な病院もしくは診療所への入院のための措置を講じ、又は他の医師の対診を求める等の診療について適切な措置を講じなければならない。

2 介護医療院の医師は、不必要に入所者のために往診を求め、又は入所者を病院もしくは診療所に通院させてはならない。

3 介護医療院の医師は、入所者のために往診を求め、又は入所者を病院もしくは診療所に通院させる場合は、当該病院又は診療所の医師又は歯科医師に対し、当該入所者の診療状況に関する情報の提供を行わなければならない。

4 介護医療院の医師は、入所者が往診を受けた医師もしくは歯科医師又は入所者が通院した病院もしくは診療所の医師もしくは歯科医師から当該入所者の療養上必要な情報の提供を受けるものとし、その情報により適切な診療を行わなければならない。

(機能訓練)

第20条 介護医療院は、入所者の心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるため、理学療法、作業療法その他適切なリハビリテーションを計画的に行わなければならない。

(栄養管理)

第20条の2 介護医療院は、入所者の栄養状態の維持および改善を図り、自立した日常生活を営むことができるよう、各入所者の状態に応じた栄養管理を計画的に行わなければならない。

(令3条例11・追加)

(口くう衛生の管理)

第20条の3 介護医療院は、入所者の口くうの健康の保持を図り、自立した日常生活を営むことができるよう、口腔衛生の管理体制を整備し、各入所者の状態に応じた口腔衛生の管理を計画的に行わなければならない。

(令3条例11・追加)

(看護および医学的管理の下における介護)

第21条 看護および医学的管理の下における介護は、入所者の自立の支援および日常生活の充実に資するよう、入所者の心身の状況および病状に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。

2 介護医療院は、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。

3 介護医療院は、入所者の心身の状況および病状、その置かれている環境等に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。

4 介護医療院は、おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替えなければならない。

5 介護医療院は、褥瘡じょくそうが発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。

6 介護医療院は、前各項に定めるもののほか、入所者に対し、離床、着替え、整容その他日常生活上の世話を適切に行わなければならない。

7 介護医療院は、入所者に対し、当該入所者の負担により、当該介護医療院の従業者以外の者による看護および介護を受けさせてはならない。

(食事の提供)

第22条 介護医療院は、栄養ならびに入所者の身体の状況、病状および好を考慮した食事を適切な時間に提供しなければならない。

2 介護医療院は、入所者の自立の支援に配慮し、入所者ができるだけ離床して食堂で食事をとることができるよう努めなければならない。

(相談および援助)

第23条 介護医療院は、常に入所者の心身の状況および病状、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。

(その他のサービスの提供)

第24条 介護医療院は、適宜入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努めるものとする。

2 介護医療院は、常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

(入所者に関する市への通知)

第25条 介護医療院は、介護医療院サービスを受けている入所者が次の各号のいずれかに該当するときは、遅滞なく、意見を付してその旨を市に通知しなければならない。

(1) 正当な理由なしに介護医療院サービスの利用に関する指示に従わないことにより、要介護状態の程度を増進させたと認められるとき。

(2) 偽りその他不正の行為によって保険給付を受け、又は受けようとしたとき。

(管理者による管理)

第26条 介護医療院の管理者は、専ら当該介護医療院の職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、当該介護医療院の管理上支障がない場合は、同一敷地内にある他の事業所、施設等又は当該介護医療院のサテライト型特定施設(秋田市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備および運営に関する基準を定める条例(平成24年秋田市条例第75号)第131条第4項に規定するサテライト型特定施設をいう。)もしくはサテライト型居住施設(同条例第152条第4項に規定するサテライト型居住施設をいう。)の職務に従事することができるものとする。

(管理者の責務)

第27条 介護医療院の管理者は、当該介護医療院の従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。

2 介護医療院の管理者は、従業者にこの章の規定を遵守させるため、必要な指揮命令を行うものとする。

3 介護医療院の管理者は、介護医療院に医師を宿直させなければならない。ただし、当該介護医療院の入所者に対するサービスの提供に支障がない場合は、この限りでない。

(計画担当介護支援専門員の責務)

第28条 計画担当介護支援専門員は、第17条に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うものとする。

(1) 入所申込者の入所に際し、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等の利用状況等を把握すること。

(2) 入所者の心身の状況および病状、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討し、その内容等を記録すること。

(3) 入所者の退所に際し、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対して情報を提供するほか、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者と密接に連携すること。

(4) 第38条第2項に規定する苦情の内容等を記録すること。

(5) 第40条第3項に規定する事故の状況および事故に際してとった処置について記録すること。

(運営規程)

第29条 介護医療院は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程(第35条第1項において「運営規程」という。)を定めておかなければならない。

(1) 施設の目的および運営の方針

(2) 従業者の職種、員数および職務の内容

(3) 入所定員(Ⅰ型療養床に係る入所定員の数、Ⅱ型療養床に係る入所定員の数およびその合計数をいう。)

(4) 入所者に対する介護医療院サービスの内容および利用料その他の費用の額

(5) 施設の利用に当たっての留意事項

(6) 非常災害対策

(7) 虐待の防止のための措置に関する事項

(8) 前各号に掲げるもののほか、施設の運営に関する重要事項

(令3条例11・一部改正)

(勤務体制の確保等)

第30条 介護医療院は、入所者に対し、適切な介護医療院サービスを提供することができるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。

2 介護医療院は、当該介護医療院の従業者によって介護医療院サービスを提供しなければならない。ただし、入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。

3 介護医療院は、従業者に対し、その資質の向上のため、研修の機会を確保しなければならない。この場合において、当該介護医療院は、全ての従業者(看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、法第8条第2項に規定する政令で定める者等の資格を有する者その他これに類する者を除く。)に対し、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じなければならない。

4 介護医療院は、適切な介護医療院サービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより従業者の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化その他の必要な措置を講じなければならない。

(令3条例11・一部改正)

(業務継続計画の策定等)

第30条の2 介護医療院は、感染症又は非常災害の発生時において、入所者に対する介護医療院サービスの提供を継続的に実施するためおよび非常時の体制で早期の業務の再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定し、当該業務継続計画に従い必要な措置を講じなければならない。

2 介護医療院は、従業者に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修および訓練を定期的に実施しなければならない。

3 介護医療院は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うものとする。

(令3条例11・追加)

(定員の遵守)

第31条 介護医療院は、入所定員および療養室の定員を超えて入所させてはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

(非常災害対策)

第32条 介護医療院は、非常災害に関する具体的な計画を立て、非常災害時の関係機関への通報および連携体制を整備し、これらを定期的に従業者に周知するとともに、定期的に避難訓練、救出訓練その他の必要な訓練を行わなければならない。

2 介護医療院は、前項に規定する訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならない。

(令3条例11・一部改正)

(衛生管理等)

第33条 介護医療院は、入所者の使用する施設、食器その他の設備および飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品および医療機器の管理を適正に行わなければならない。

2 介護医療院は、当該介護医療院における感染症又は食中毒の発生又はまん延を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 当該介護医療院における感染症および食中毒の予防およびまん延の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)をおおむね3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 当該介護医療院における感染症および食中毒の予防およびまん延の防止のための指針を整備すること。

(3) 当該介護医療院において、介護職員その他の従業者に対し、感染症および食中毒の予防およびまん延の防止のための研修ならびに感染症の予防およびまん延の防止のための訓練を定期的に実施すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、別に厚生労働大臣が定める感染症および食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順に沿った対応を行うこと。

3 介護医療院の管理者は、次に掲げる業務を委託する場合は、基準省令第33条第3項に定めるところによる。

(1) 臨床検査技師等に関する法律(昭和33年法律第76号)第2条に規定する検体検査の業務

(2) 医療機器又は医学的処置の用に供する衣類その他の繊維製品の滅菌又は消毒の業務

(3) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第8項に規定する特定保守管理医療機器の保守点検の業務

(4) 医療の用に供するガスの供給設備の保守点検の業務(高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)の規定により高圧ガスを製造又は消費する者が自ら行わなければならないものを除く。)

(平31条例42・令3条例11・一部改正)

(協力病院)

第34条 介護医療院は、入所者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ協力病院を定めておかなければならない。

2 介護医療院は、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。

(掲示)

第35条 介護医療院は、当該介護医療院の見やすい場所に、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、協力病院、利用料その他のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない。

2 介護医療院は、前項に規定する重要事項を記載した書面を当該介護医療院に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、同項の規定による掲示に代えることができる。

(令3条例11・一部改正)

(秘密保持等)

第36条 介護医療院の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。

2 介護医療院は、従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

3 介護医療院は、居宅介護支援事業者等に対し、入所者に関する情報を提供するときは、あらかじめ、文書により当該入所者の同意を得ておかなければならない。

(居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止)

第37条 介護医療院は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該介護医療院を紹介する対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。

2 介護医療院は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該介護医療院からの退所者を紹介する対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。

(苦情処理)

第38条 介護医療院は、提供した介護医療院サービスに関する入所者およびその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するため、苦情を受け付ける窓口の設置その他の必要な措置を講じなければならない。

2 介護医療院は、前項の苦情を受け付けた場合は、当該苦情の内容等を記録しなければならない。

3 介護医療院は、提供した介護医療院サービスに関し、法第23条の規定により市が行う文書その他の物件の提出もしくは提示の求め又は市の職員からの質問もしくは照会に応じ、入所者からの苦情に関して市が行う調査に協力するとともに、市から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

4 介護医療院は、市からの求めがあった場合は、前項の改善の内容を市に報告しなければならない。

5 介護医療院は、提供した介護医療院サービスに関する入所者からの苦情に関して国民健康保険団体連合会(国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第45条第5項に規定する国民健康保険団体連合会をいう。以下この項および次項において同じ。)が行う法第176条第1項第3号の規定による調査に協力するとともに、国民健康保険団体連合会から同号の規定による指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

6 介護医療院は、国民健康保険団体連合会からの求めがあった場合は、前項の改善の内容を国民健康保険団体連合会に報告しなければならない。

(地域との連携等)

第39条 介護医療院は、その運営に当たっては、地域住民等との連携および協力その他の地域との交流に努めなければならない。

2 介護医療院は、その運営に当たっては、提供した介護医療院サービスに対する入所者からの苦情に関し、市が派遣する者が相談および援助を行う事業その他の市が実施する事業に協力するよう努めなければならない。

(事故発生の防止および発生時の対応)

第40条 介護医療院は、事故の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 事故が発生した場合の対応、次号に規定する報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。

(2) 事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、その分析を通じた改善策を従業者に周知徹底する体制を整備すること。

(3) 事故発生の防止のための委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)および従業者に対する研修を定期的に行うこと。

(4) 前3号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

2 介護医療院は、入所者に対する介護医療院サービスの提供により事故が発生した場合は、直ちに必要な措置を講ずるとともに、市、入所者の家族等に連絡を行わなければならない。

3 介護医療院は、前項の事故の状況および事故に際してとった処置について記録しなければならない。

4 介護医療院は、入所者に対する介護医療院サービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、速やかに損害賠償を行わなければならない。

(令3条例11・一部改正)

(虐待の防止)

第40条の2 介護医療院は、虐待の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 当該介護医療院における虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)を定期的に開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 当該介護医療院における虐待の防止のための指針を整備すること。

(3) 当該介護医療院において、介護職員その他の従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。

(4) 前3号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

(令3条例11・追加)

(会計の区分)

第41条 介護医療院は、介護医療院サービスの事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない。

(記録の整備)

第42条 介護医療院は、従業者、施設および構造設備ならびに会計に関する記録を整備しておかなければならない。

2 介護医療院は、入所者に対する介護医療院サービスの提供に関する次に掲げる記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならない。

(1) 施設サービス計画

(2) 第12条第4項に規定する居宅において日常生活を営むことができるかどうかについての検討の内容等の記録

(3) 第13条第2項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録

(4) 第16条第5項に規定する身体的拘束等の態様および時間、その際の入所者の心身の状況ならびに緊急やむを得ない理由の記録

(5) 第25条に規定する市への通知に係る記録

(6) 第38条第2項に規定する苦情の内容等の記録

(7) 第40条第3項に規定する事故の状況および事故に際してとった処置についての記録

第5章 ユニット型介護医療院の基本方針ならびに施設、設備および運営に関する基準

第1節 この章の趣旨および基本方針

(この章の趣旨)

第43条 第2条ならびに第3章および前章の規定にかかわらず、ユニット型介護医療院(施設の全部において少数の療養室および当該療養室に近接して設けられる共同生活室(当該療養室の入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所をいう。第45条および第49条において同じ。)により一体的に構成される場所(以下「ユニット」という。)ごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる介護医療院をいう。以下同じ。)の基本方針ならびに施設、設備および運営に関する基準については、この章の定めるところによる。

(基本方針)

第44条 ユニット型介護医療院は、長期にわたり療養が必要である入居者一人一人の意思および人格を尊重し、施設サービス計画に基づき、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護および機能訓練その他必要な医療ならびに日常生活上の世話を行うことにより、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援しなければならない。

2 ユニット型介護医療院は、地域および家庭との結び付きを重視した運営を行い、市、居宅介護支援事業者、居宅サービス事業者、他の介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

3 ユニット型介護医療院は、入居者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、研修の実施その他の措置を講じなければならない。

4 ユニット型介護医療院は、介護医療院サービスを提供するに当たっては、法第118条の2第1項に規定する介護保険等関連情報その他必要な情報を活用し、適切かつ有効に行うよう努めなければならない。

(令3条例11・一部改正)

第2節 施設および設備に関する基準

(条例で定める施設)

第45条 法第111条第1項の規定によるユニット型介護医療院が有しなければならない施設は、療養室、診察室、処置室および機能訓練室のほか、次のとおりとする。

(1) ユニット

(2) 浴室

(3) サービス・ステーション

(4) 調理室

(5) 洗濯室又は洗濯場

(6) 汚物処理室

2 前項に規定する施設の基準は、次のとおりとする。この場合において、ユニット(療養室に限る。)、診察室、処置室および機能訓練室の基準は、基準省令に定めるところによる。

(1) ユニット

 共同生活室

(ア) 共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有すること。

(イ) 1の共同生活室の床面積は、2平方メートルに当該共同生活室が属するユニットの入居定員を乗じて得た面積以上を標準とすること。

(ウ) 必要な設備および備品を備えること。

 洗面設備

(ア) 療養室ごと又は共同生活室ごとに適当数設けること。

(イ) 身体の不自由な者の使用に適したものとすること。

 便所

療養室ごと又は共同生活室ごとに適当数設けること。

(2) 浴室

 身体の不自由な者の入浴に適したものとすること。

 一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別浴槽を設けること。

3 前項第2号に掲げる設備は、専ら当該ユニット型介護医療院の用に供するものでなければならない。ただし、入居者に対する介護医療院サービスの提供に支障がない場合は、この限りでない。

4 前3項に規定するもののほか、ユニット型介護医療院の設備構造の基準は、次のとおりとする。

(1) ユニット型介護医療院の建物(入居者の療養生活のために使用しない附属の建物を除く。以下この号および次項において同じ。)は、耐火建築物とすること。ただし、次に掲げる要件のいずれかを満たす2階建て又は平屋建てのユニット型介護医療院の建物にあっては、準耐火建築物とすることができる。

 療養室等を2階および地階のいずれにも設けていないこと。

 療養室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

(ア) 消防長又は当該ユニット型介護医療院の所在地を管轄する消防署長と相談の上、第54条において準用する第32条第1項に規定する計画に入居者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。

(イ) 第54条において準用する第32条第1項に規定する訓練については、同項に規定する計画に従い、昼間および夜間において行うこと。

(ウ) 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。

(2) 療養室等が2階以上の階にある場合は、屋内の直通階段およびエレベーターをそれぞれ1以上設けること。

(3) 療養室等が3階以上の階にある場合は、避難に支障がないように避難階段を2以上設けること。ただし、前号に規定する直通階段を建築基準法施行令第123条第1項に規定する避難階段の構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる。

(4) 診察の用に供する電気、光線、熱、蒸気又はガスに関する構造設備については、危害防止上必要な方法を講ずることとし、放射線に関する構造設備については、基準省令第45条第4項第4号に定めるところによる。

(5) 階段には、手すりを設けること。

(6) 廊下の構造は、次のとおりとすること。

 幅は、1.8メートル(中廊下にあっては、2.7メートル)以上とすること。ただし、廊下の一部の幅を拡張することにより、入居者、従業者等の円滑な往来に支障が生じないと認められる場合は、1.5メートル(中廊下にあっては、1.8メートル)以上として差し支えない。

 手すりを設けること。

 常夜灯を設けること。

(7) 入居者に対する介護医療院サービスの提供を適切に行うために必要な設備を備えること。

(8) 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けること。

5 前項第1号の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動その他の消防の活動に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号に掲げる要件のいずれかを満たす木造かつ平屋建てのユニット型介護医療院の建物であって、かつ、火災に係る入居者の安全性が確保されていると認めた建物の場合は、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室その他の火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火および延焼の抑制に配慮した構造であること。

(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見および通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うための十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造を有しており、かつ、避難訓練の頻繁な実施、配置人員の増員等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

(令3条例11・一部改正)

第3節 運営に関する基準

(利用料等の受領)

第46条 ユニット型介護医療院は、法定代理受領サービスに該当する介護医療院サービスを提供したときは、入居者から利用料の一部として、施設サービス費用基準額から当該ユニット型介護医療院に支払われる施設介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。

2 ユニット型介護医療院は、法定代理受領サービスに該当しない介護医療院サービスを提供したときに入居者から支払を受ける利用料の額と施設サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。

3 ユニット型介護医療院は、前2項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を受けることができる。

(1) 食事の提供に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入居者に支給された場合は、同条第2項第1号に規定する食費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入居者に代わり当該ユニット型介護医療院に支払われた場合は、同条第2項第1号に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)

(2) 居住に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入居者に支給された場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入居者に代わり当該ユニット型介護医療院に支払われた場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の負担限度額)を限度とする。)

(3) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入居者が選定する特別な療養室の提供を行ったことに伴い必要となる費用

(4) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入居者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用

(5) 理美容代

(6) 前各号に掲げるもののほか、介護医療院サービスにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、入居者に負担させることが適当と認められるもの

4 前項第1号から第4号までに掲げる費用については、別に厚生労働大臣が定めるところによるものとする。

5 ユニット型介護医療院は、第3項各号に掲げる費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、入居者又はその家族に対し、当該サービスの内容および費用を記した文書を交付して説明を行い、当該入居者の同意を得なければならない。ただし、同項第1号から第4号までに掲げる費用に係る同意については、文書によるものとする。

(介護医療院サービスの取扱方針)

第47条 介護医療院サービスは、入居者が、その有する能力に応じ、自らの生活様式および生活習慣に沿って自律的な日常生活を営むことができるようにするため、施設サービス計画に基づき、入居者の日常生活上の活動について必要な援助を行うことにより、入居者の日常生活を支援するものとして行われなければならない。

2 介護医療院サービスは、各ユニットにおいて入居者がそれぞれの役割を持って生活を営むことができるよう配慮して行われなければならない。

3 介護医療院サービスは、入居者のプライバシーの確保に配慮して行われなければならない。

4 介護医療院サービスは、入居者の自立した生活を支援することを基本として、入居者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を常に把握しながら、適切に行われなければならない。

5 ユニット型介護医療院の従業者は、介護医療院サービスの提供に当たっては、入居者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行わなければならない。

6 ユニット型介護医療院は、介護医療院サービスの提供に当たっては、当該入居者又は他の入居者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない。

7 ユニット型介護医療院は、身体的拘束等を行う場合は、その態様および時間、その際の入居者の心身の状況ならびに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。

8 ユニット型介護医療院は、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

(3) 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

9 ユニット型介護医療院は、自らその提供する介護医療院サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(令3条例11・一部改正)

(看護および医学的管理の下における介護)

第48条 看護および医学的管理の下における介護は、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するよう、入居者の心身の状況および病状、その置かれている環境等に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。

2 ユニット型介護医療院は、入居者の日常生活における家事を、入居者がその心身の状況および病状、その置かれている環境等に応じ、それぞれの役割を持って行うよう適切に支援しなければならない。

3 ユニット型介護医療院は、入居者が身体の清潔を維持し、精神的に快適な生活を営むことができるよう、適切な方法により、入居者に入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない場合は、清しきを行うことをもって入浴の機会の提供に代えることができる。

4 ユニット型介護医療院は、入居者の心身の状況および病状、その置かれている環境等に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な支援を行わなければならない。

5 ユニット型介護医療院は、おむつを使用せざるを得ない入居者については、排せつの自立を図りつつ、おむつを適切に取り替えなければならない。

6 ユニット型介護医療院は、褥瘡が発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。

7 ユニット型介護医療院は、前各項に定めるもののほか、入居者が行う離床、着替え、整容その他の日常生活上の行為を適切に支援しなければならない。

8 ユニット型介護医療院は、入居者に対し、当該入居者の負担により、当該ユニット型介護医療院の従業者以外の者による看護および介護を受けさせてはならない。

(食事)

第49条 ユニット型介護医療院は、栄養ならびに入居者の心身の状況および嗜好を考慮した食事を提供しなければならない。

2 ユニット型介護医療院は、入居者の心身の状況および病状、その置かれている環境等に応じ、適切な方法により、食事の自立について必要な支援を行わなければならない。

3 ユニット型介護医療院は、入居者の生活習慣を尊重した適切な時間に食事を提供するとともに、入居者がその心身の状況に応じ、できる限り自立して食事をとることができるよう、必要な時間を確保しなければならない。

4 ユニット型介護医療院は、入居者が相互に社会的関係を築くことができるよう、その意思を尊重しつつ、入居者が共同生活室で食事をとることを支援しなければならない。

(その他のサービスの提供)

第50条 ユニット型介護医療院は、入居者の嗜好に応じた趣味、教養又は娯楽に係る活動の機会を提供するとともに、入居者が自律的に行うこれらの活動を支援しなければならない。

2 ユニット型介護医療院は、常に入居者の家族との連携を図るとともに、入居者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

(運営規程)

第51条 ユニット型介護医療院は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。

(1) 施設の目的および運営の方針

(2) 従業者の職種、員数および職務の内容

(3) 入居定員(Ⅰ型療養床に係る入居定員の数、Ⅱ型療養床に係る入居定員の数およびその合計数をいう。)

(4) ユニットの数およびユニットごとの入居定員

(5) 入居者に対する介護医療院サービスの内容および利用料その他の費用の額

(6) 施設の利用に当たっての留意事項

(7) 非常災害対策

(8) 虐待の防止のための措置に関する事項

(9) 前各号に掲げるもののほか、施設の運営に関する重要事項

(令3条例11・一部改正)

(勤務体制の確保等)

第52条 ユニット型介護医療院は、入居者に対し、適切な介護医療院サービスを提供することができるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。

2 前項の従業者の勤務の体制を定めるに当たっては、入居者が安心して日常生活を送ることができるよう、継続性を重視したサービスの提供に配慮する観点から、次に定める職員の配置を行わなければならない。

(1) 昼間については、ユニットごとに常時1人以上の介護職員又は看護職員を配置すること。

(2) 夜間および深夜については、2ユニットごとに1人以上の介護職員又は看護職員を夜間および深夜の勤務に従事する職員として配置すること。

(3) ユニットごとに、常勤のユニットリーダーを配置すること。

3 ユニット型介護医療院は、当該ユニット型介護医療院の従業者によって介護医療院サービスを提供しなければならない。ただし、入居者に対する介護医療院サービスの提供に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。

4 ユニット型介護医療院は、従業者に対し、その資質の向上のため、研修の機会を確保しなければならない。この場合において、当該ユニット型介護医療院は、全ての従業者(看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、法第8条第2項に規定する政令で定める者等の資格を有する者その他これに類する者を除く。)に対し、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じなければならない。

5 ユニット型介護医療院は、適切な介護医療院サービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより従業者の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化その他の必要な措置を講じなければならない。

(令3条例11・一部改正)

(定員の遵守)

第53条 ユニット型介護医療院は、ユニットごとの入居定員および療養室の定員を超えて入居させてはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

(準用)

第54条 第7条から第13条まで、第15条第17条から第20条の3まで、第23条第25条から第28条まで、第30条の2および第32条から第42条までの規定は、ユニット型介護医療院について準用する。この場合において、第7条第1項中「第29条に規定する運営規程」とあるのは「第51条に規定する重要事項に関する規程」と、第27条第2項中「この章」とあるのは「第5章第3節」と、第42条第2項第4号中「第16条第5項」とあるのは「第47条第7項」と読み替えるものとする。

(令3条例11・一部改正)

第6章 雑則

(電磁的記録等)

第55条 介護医療院およびその従業者は、作成、保存その他これらに類するもののうち、この条例の規定において書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下この条において同じ。)により行うことが規定されているもの又は想定されるもの(第10条第1項(前条において準用する場合を含む。)および第13条第1項(前条において準用する場合を含む。)ならびに次項に規定するものを除く。)については、書面等に代えて、当該書面等に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により行うことができる。

2 介護医療院およびその従業者は、交付、説明、同意、承諾その他これらに類するもの(以下「交付等」という。)のうち、この条例の規定において書面等により行うことが規定されているもの又は想定されるものについては、当該交付等の相手方の承諾を得て、書面等に代えて、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によっては認識することができない方法をいう。)によることができる。

(令3条例11・追加)

(委任)

第56条 この条例に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

(令3条例11・旧第55条繰下)

(施行期日)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 療養病床等(医療法(昭和23年法律第205号)第7条の2第1項に規定する療養病床等をいう。以下同じ。)を有する病院又は病床を有する診療所の開設者が、当該病院の療養病床等又は当該診療所の病床を令和6年3月31日までの間に転換(当該病院の療養病床等又は当該診療所の病床の病床数を減少させるとともに、当該病院又は当該診療所の施設を介護医療院、軽費老人ホーム(老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の6に規定する軽費老人ホームをいう。)その他の要介護者、要支援者その他の者を入所させ、又は入居させるための施設の用に供することをいう。以下同じ。)を行って介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の建物については、第6条第1項第1号および第45条第4項第1号の規定は、適用しない。

(令3条例11・一部改正)

3 療養病床等を有する病院又は病床を有する診療所の開設者が、当該病院の療養病床等又は当該診療所の病床を令和6年3月31日までの間に転換を行って介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の屋内の直通階段およびエレベーターについての第6条第1項第2号および第45条第4項第2号の規定の適用については、第6条第1項第2号および第45条第4項第2号中「屋内の直通階段およびエレベーターをそれぞれ1以上設けること」とあるのは、「屋内の直通階段を2以上設けること。ただし、エレベーターが設けられているもの又は2階以上の各階における療養室の床面積の合計がそれぞれ50平方メートル(主要構造部が耐火構造である建築物又は不燃材料(建築基準法第2条第9号に規定する不燃材料をいう。)で造られている建築物にあっては、100平方メートル)以下のものについては、屋内の直通階段を1とすることができる」とする。

(令3条例11・一部改正)

4 療養病床等を有する病院又は病床を有する診療所の開設者が、当該病院の療養病床等又は当該診療所の病床を令和6年3月31日までの間に転換を行って介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の療養室に隣接する廊下については、第6条第1項第6号アおよび第45条第4項第6号アの規定にかかわらず、幅は、1.2メートル(中廊下にあっては、1.6メートル)以上とする。

(令3条例11・一部改正)

5 介護療養型老人保健施設(平成18年7月1日から平成30年3月31日までの間に、療養病床等を有する病院又は病床を有する診療所の開設者が、転換を行って開設した介護老人保健施設をいう。以下同じ。)の開設者が、令和6年3月31日までの間に当該介護療養型老人保健施設の全部又は一部を廃止するとともに、介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の建物については、第6条第1項第1号および第45条第4項第1号の規定は、適用しない。

(令3条例11・一部改正)

6 介護療養型老人保健施設の開設者が、令和6年3月31日までの間に当該介護療養型老人保健施設の全部又は一部を廃止するとともに、介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の屋内の直通階段およびエレベーターについての第6条第1項第2号および第45条第4項第2号の規定の適用については、第6条第1項第2号および第45条第4項第2号中「屋内の直通階段およびエレベーターをそれぞれ1以上設けること」とあるのは、「屋内の直通階段を2以上設けること。ただし、エレベーターが設けられているもの又は2階以上の各階における療養室の床面積の合計がそれぞれ50平方メートル(主要構造部が耐火構造である建築物又は不燃材料(建築基準法第2条第9号に規定する不燃材料をいう。)で造られている建築物にあっては、100平方メートル)以下のものについては、屋内の直通階段を1とすることができる」とする。

(令3条例11・一部改正)

7 介護療養型老人保健施設の開設者が、令和6年3月31日までの間に当該介護療養型老人保健施設の全部又は一部を廃止するとともに、介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の療養室に隣接する廊下については、第6条第1項第6号アおよび第45条第4項第6号アの規定にかかわらず、幅は、1.2メートル(中廊下にあっては、1.6メートル)以上とする。

(令3条例11・一部改正)

8 病床を有する診療所の開設者が、当該診療所の病床を令和6年3月31日までの間に転換を行って介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の浴室については、第5条第2項第3号イおよび第45条第2項第2号イの規定にかかわらず、新築、増築又は全面的な改築の工事が終了するまでの間は、一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した設備を設けるものとする。

(令3条例11・追加)

(平成31年3月19日条例第42号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和3年3月18日条例第11号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(虐待の防止に係る経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)から令和6年3月31日までの間、改正後の秋田市介護医療院の人員、施設および設備ならびに運営に関する基準を定める条例(以下「新条例」という。)第2条第4項、第29条、第40条の2(新条例第54条において準用する場合を含む。)、第44条第3項および第51条の規定の適用については、新条例第2条第4項、第40条の2および第44条第3項中「講じなければ」とあるのは「講ずるよう努めなければ」と、新条例第29条および第51条中「次に」とあるのは「虐待の防止のための措置に関する事項に関する規程を定めておくよう努めるとともに、次に」と、「重要事項」とあるのは「重要事項(虐待の防止のための措置に関する事項を除く。)」とする。

(栄養管理に係る経過措置)

3 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第20条の2(新条例第54条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、新条例第20条の2中「行わなければ」とあるのは、「行うよう努めなければ」とする。

(口くう衛生の管理に係る経過措置)

4 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第20条の3(新条例第54条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、新条例第20条の3中「行わなければ」とあるのは、「行うよう努めなければ」とする。

(認知症に係る基礎的な研修の受講に関する経過措置)

5 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第30条第3項および第52条第4項の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは、「講ずるよう努めなければ」とする。

(業務継続計画の策定等に係る経過措置)

6 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第30条の2(新条例第54条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、新条例第30条の2中「講じなければ」とあるのは「講ずるよう努めなければ」と、「実施しなければ」とあるのは「実施するよう努めなければ」と、「行う」とあるのは「行うよう努める」とする。

(感染症の予防およびまん延の防止のための訓練に係る経過措置)

7 施行日から令和6年3月31日までの間、新条例第33条第2項第3号(新条例第54条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、介護医療院は、その従業者又は職員に対し、感染症および食中毒の予防およびまん延の防止のための研修を定期的に実施するとともに、感染症の予防およびまん延の防止のための訓練を定期的に実施するよう努めるものとする。

(事故発生の防止および発生時の対応に係る経過措置)

8 施行日から起算して6月を経過する日までの間、新条例第40条第1項(新条例第54条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同項中「次に掲げる措置を講じなければ」とあるのは、「第1号から第3号までに掲げる措置を講ずるとともに、第4号に掲げる措置を講ずるよう努めなければ」とする。

秋田市介護医療院の人員、施設および設備ならびに運営に関する基準を定める条例

平成30年3月19日 条例第23号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第9編 社会福祉/第8章 介護保険
沿革情報
平成30年3月19日 条例第23号
平成31年3月19日 条例第42号
令和3年3月18日 条例第11号