気になる感染症
最終更新日 H13.10.24
■炭疽 anthrax
病原体:炭疽菌Bacillusanthracis
好発年齢:特になし
性差:なし
分布:世界的に分布。特に、アジア、南米、アフリカ
炭疽の背景
■疫学状況
●感染経路によって症状が異なるが、皮膚から感染して発症する皮膚炭疽が95%以上を占める。皮膚炭疽の場合は、比較的少ない菌量で感染し、一般的に切り傷や擦過傷によって炭疽菌が表皮下に侵入することによって罹患すると考えられている。動物では世界各地で発生しているが、ヒトでは獣疫の管理が不十分な国、特にアジア、アフリカ、南米で発生、家畜を扱う関係者に多発している。
■病原体・毒素
●炭疽菌の産生する毒素。(炭疽菌は、大気中で数時間内に芽胞を形成し、熱、化学物質、ph、紫外線などに抵抗性がある。)
炭疽菌 *IDWRから転用
■感染経路
●感染動物やその加工品との接触、昆虫の刺傷による皮膚感染。まれに大気中の芽胞の吸引や、汚染食肉や水を
介し感染。
■潜伏期
●感染経路により異なるが、1〜7日。
診断と治療・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・診断法
■臨床症状
●皮膚炭疽:ニキビ様の初期病変の後、無痛性で非化膿性の悪性膿疱が出現する。所属リンパ管炎やリンパ節炎を
合併する。
皮膚炭疽病床 *IDWRから転用
●腸炭疽:腸管感染では吐き気、嘔吐、腹痛、吐血、血便、腹水の貯留など、口咽頭部感染では咽頭炎、嚥下障害、
発熱、頸部のリンパ節炎が起きる。
●肺炭疽:軽度な発熱、疲労感、倦怠感が数日続き、頭痛、筋肉痛、悪寒、発熱、そして胸部の軽度の疼痛が起き
る。重症では、突然の呼吸困難、チアノーゼ、昏睡を伴う失見当識が起こる。
●炭疽菌性髄膜炎:脳脊髄液中に菌体が現れ、意識消失が起こり死に至る。
■治療
●ペニシリンなどの抗生剤を感染初期に大量投与。その他、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、テトラサイクリ
ン、ゲンタマイシンなど。
■経過・予後・治療効果判定
●皮膚炭疽の約80%は10日程度で治癒するが、治療しないと敗血症などになりやすく、肺炭疽では24時間以内に死
亡。治療しても、口咽頭部感染では致死率は約50%、髄膜炎ではほぼ100%。
■2次感染予防・感染の管理・・・・・・・・・・・・・動物由来感染症の予防方法
●濾過滅菌培養上清がワクチンとして一般的で、接種時期は随時。接種方法は米国では、2週間ごとの3回皮下注
後、半年ごとの3回皮下注、さらに1年ごとの追加接種。
●動物へのワクチン計画が、ヒトの炭疽の予防に最も重要である。
●汚染土壌の消毒。
●ヒトからヒトへの感染は報告がない。
関連リンク
国立感染症研究所 感染症情報センター
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