第2章 移行に向けた取り組みについて

2. 庁内における取り組み

(1)中核市制度に関する庁内委員会の設置
 平成5年7月19日に庁内の研究・推進組織として「中核市制度に関する庁内委員会」を設置した。第二助役を委員長、関係部長を委員、関係課長を幹事とし、事務局を企画調整課においた。庁内委員会で、国の動向等について各部局へ情報提供を行うとともに、移行にあたっての問題点について検討するなど、準備作業を進めた。また、移行にあたっての最大の課題となった保健所の設置については、平成6年4月に保健所部会を設け、専門的な検討を進めた。保健所部会の事務局は福祉保健部福祉総務課においたが、平成7年4月からは新たに設置した中核市準備室が事務局を努めた。なお、庁内委員会は中核市への移行に伴い、平成9年3月31日に廃止した。

(2)中核市準備室の設置
 平成7年2月市議会定例会で、市長が、平成9年4月の中核市移行をめざすと表明したことから、専任の準備組織を設置し準備作業をスピードアップして、円滑な移行につなげていく必要が強まった。そこで、平成7年4月に、企画調整部に中核市準備室を設置した。

平成7・8年度の中核市準備室  組織図
平成7・8年度の主な準備作業  スケジュール

 中核市準備室は、中核市移行に伴う準備を全般的に行うものであるが、特に、移行に際しての重要な課題である保健所の開設について、重点的に取り組んだ。他都市においては、中核市への移行を全般的に取り扱う課所室と保健所の開設準備を行う課所室を分離している例も見られるが、本市においては、両方の準備を同一の課所室で合わせて行うことにより、より円滑な移行が図れると判断し、中核市準備室で、すべての準備を進めていくこととしたものである。
 また、平成8年4月には、新たに10名の職員を準備室付けとし、県保健所および県本庁に1年間派遣し、研修を実施した。  中核市準備室は中核市移行に伴い、平成9年3月31日に廃止した。

3. 市議会の取り組み

 中核市移行についての市議会の対応としては、地方分権推進の観点から移行すべきとの考えが大勢を占めており、当初から移行に対して特段の反対意見はなかった。ただし、財政面に関しては、移行により市の財政負担が増えるのではないかと懸念する意見が出されていた。
 市議会における中核市制度の専門的な調査・検討のために、平成7年6月市議会定例会において、「中核市に関する調査特別委員会」が設置された。調査特別委員会は、中核市移行についての申し出を行う件が審議された平成8年5月24日の市議会臨時会で中間報告を行うとともに、移行前の平成9年3月21日の市議会定例会で最終報告を行った。

4. 県との協議

 平成5年6月市議会定例会で、市長が、中核市移行を目指すことを表明してから、事務レベルで県と接触し情報提供等について協力を依頼した。平成6年7月18日には、市企画調整部長、企画調整課長が、県総務部次長、地方課長に本市の中核市移行について正式に協力を依頼した。以後、県においては、本市の移行に向けて、庁内体制の整備など準備作業に着手した。平成6年11月1日、県は庁内組織「秋田県中核市事務移譲連絡調整会議」を設置した。
 平成6年12月27日、中核市移行に向けての大きな課題である保健所設置について、市第二助役、企画調整部長、福祉保健部長が、県福祉保健部長、福祉保健部部長待遇、総務部次長に、協力を依頼した。平成7年2月16日、保健所の設置について、市福祉保健部長、環境部長、市民生活部長が、県福祉保健部長、生活環境部長に対し、市の考え方を伝え協力を依頼した。
 平成7年2月23日、知事は2月定例県議会で、質問に答えて、本市の中核市移行について、できる限りの協力と支援を行うことを表明した。

県議会における知事・答弁
 また、中核市についてでありますが、秋田市におきましては、平成九年度中に指定を受ける意向を示し、具体的な諸準備を進めているところであり、これが実現いたしますと、その事務権限が大幅に強化され、一層のきめ細かな行政サービスの展開が期待されるものと存じます。県といたしましても、地方分権の推進の立場から、その実現にできる限り協力と支援を行ってまいりたいと存じます。なお、保健所につきましては、秋田市ができるだけ早い時期に設置したいとしておりますので、現在、同市と事前の相談をしておるところであります。

 平成7年4月に、市は中核市準備室を設置し、保健所設置準備を含む中核市移行に向けた窓口を一本化した。県においては、中核市全般については総務部市町村課(平成8年4月地方課が市町村課と名称を変更)が、保健所設置については福祉保健部医務薬事課が窓口となり、中核市準備室が両課と密接な連絡をとりあいながら準備を進め、当面、保健所業務の事務の内容、流れ、業務量等を把握するため、県に対し業務調査を依頼した。また、平成7年7月12日には、市長から知事あての文書で、平成9年4月の中核市移行および保健所設置について、あらためて協力を依頼した。平成7年11月16日には、第二助役が県福祉保健部長に保健所の管轄区域、保健所施設の借用等について、再度、市の考え方を申し入れ、検討を依頼した。平成8年1月17日に、自治省が9年度に移行を予定している団体に対し説明会を開催し、県、市の担当者が出席した。この説明会により、国のヒアリングが3月頃に行われることが明らかになり、ヒアリング提出資料の作成作業に全力を挙げた。提出資料の作成は2月下旬に本格化し、ヒアリング直前まで県との調整を行った。3月には、国のヒアリングを県とともに受けた。
 また、市職員の県への派遣研修については、事務的な協議を進めていたが、派遣職員の身分、給与の支払い等について、平成8年4月1日に県市間で協定書を締結し、4月8日から派遣研修を開始した。
 移譲事務については、平成8年3月のヒアリング時点までに法定移譲事務は、ほぼ確定していた。一方、県単独事業の移譲については、平成8年8月頃から県市間で協議を開始した。県単独事業については、移譲を受ける際の方針を中核市準備室が定め、この方針に基づいて、市の各部局が県の担当部局と事務的なすりあわせ作業を進めた。
 また、平成9年度以降の県職員の市への派遣については、平成8年5月頃から協議を開始し、身分上の取り扱い等について12月頃までに概ね合意に達した。 保健所については、県の秋田保健所の土地と建物を4年間に限り、無償で借用することで県の理解を得た。  県との協議内容については、平成9年3月28日に基本協定書を締結し、合意事項を確認した。



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