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第4節 創業の促進と既存中小企業の支援
  第2章「豊かで夢と希望を持って生きる活力あるまち」づくり
 

第4節 創業の促進と既存中小企業の支援


現状と課題


 今日の企業を取り巻く環境は、安価な労働力と海外現地市場を求め、企業の生産拠点が海外にシフトするなどグローバル化が進み、国内の企業立地が低迷していることから、従来の地域産業振興の柱であった企業誘致が量的に期待できなくなっています。加えて、IT革命による高度情報化・ネットワーク化の進展、環境意識の高まり、金融ビッグバン(注1)といった社会の変化が本市の産業全体にも大きな影響を及ぼしています。
 長引く景気低迷により開業率が廃業率を下回るといった状況下で、既存企業の活性化をはかりながら自立的発展を促進するためには、これまで蓄積された先端技術や高度技術、人材、流通基盤、情報通信基盤といった産業資源を有効に活用した地域内発型産業の創業促進や都市型産業(注2)の育成とともに、既存中小企業の経営安定や新たな分野への事業進出、第二創業(注3)を支援する必要があります。
 また、成長分野の企業の誘致を進め、地域の特性を活かした新たな産業を創出することにより、付加価値生産性の高い産業構造への転換をはかる必要があります。

基本方針


 新事業創出促進法(注4)に基づく、秋田地域高度技術産業集積活性化計画(注5)に基づき、各産業支援機関との連携を深め、優秀な技術者と起業家の育成・招へいを促進します。また、インキュベータ施設(注6)の活用により、製造業をはじめ卸・小売業、サービス業など幅広い分野の起業家を支援することにより、開業率の底上げをはかるとともに、既存中小企業の事業継続・発展に向けた経営体質強化への取り組みを支援し、廃業率の抑制をはかります。さらに、産学連携による中小企業の技術力・開発力の向上への取り組みを支援するとともに、既存中小企業が直面している高度情報化の進展や後継者の不足といった問題に対応できるよう、経営体質の健全化・経営基盤の強化を促進します。

主な施策

1 企業活動の総合的支援体制の整備

(財)あきた産業振興機構を中心とした各産業支援機関や本市に立地する高等教育機関・研究機関などの研究開発機能との連携をはかり、技術開発や事業アイディア・企画から事業化、販路開拓・拡大といった企業活動の各発展段階に応じて、企業や起業家を総合的に支援できる体制を整備します。
 また、中小企業の指導団体である秋田商工会議所(注7)と秋田県中小企業団体中央会(注8)の行う、創業促進や既存中小企業の経営安定に資する事業を支援します。

2 新技術の移転と事業化の促進

 地域の産業資源を活用した創業や既存中小企業の技術高度化、経営基盤の充実をはかるため、優秀な技術者や起業家の育成・招へいを促進するとともに、産学官連携による共同研究や開発成果の企業等への移転・事業化を支援します。また、意欲ある起業家等を育成・支援するため、インキュベータ施設「チャレンジオフィスあきた」において、新規創業者等に通信インフラ等の整備された創業支援室を低料金で提供するとともに、同施設に常駐するインキュベーション・マネージャー(注9)を中心とした技術面・経営面に関する各種支援により、本市における新規創業や新分野進出を促進します。
 さらに、「チャレンジオフィスあきた」内に設置される秋田地域IXを活用し、本市のIT環境のレベルアップをはかることにより、創業の促進や既存中小企業の経営基盤強化につとめるほか、産業基盤の底辺拡大をはかるため、IT化社会における市民の起業マインドの醸成につとめます。

3 金融対策による経営基盤の強化

創業等の意欲的な活動や既存中小企業の経営基盤強化など積極的な経営活動を金融面から支援するため、市独自の長期・低利の融資あっせん制度を充実させるとともに、中小企業の資金ニーズを的確に把握し、タイムリーな制度を確立します。

●重点テーマからの視点
   
1 県都としての高次集積都市の実現
 産業集積を推進するため、本市に立地する高等教育機関や研究機関などとの連携を密にし、これらの機関からの技術移転による新産業、新事業創出の場として「チャレンジオフィスあきた」を活用するとともに、ここから派生する企業群からなる新たな産業クラスターの形成につとめます。

2 少子長寿社会への対応
 若年層の市外流出を抑制するとともに、生産年齢人口減少下における生産性向上のため、既存中小企業の活性化をはかりながら地域内発型の創業を促進します。

3 環境と調和したまちづくりの推進
 産学連携による共同研究と開発成果の技術移転や事業化を支援するとともに、新分野進出や創業に対する金融・財政面の支援を通じて、環境に負荷の少ない産業振興を推進します。

6 秋田の将来を担う人づくり
 地域の産業資源を有効に活用し、既存企業の発展・振興や創業に資する人づくりを進めるため、情報交流の場を設けるととに、(財)あきた産業振興機構との連携により、優れた経営者や技術者、起業家を育成する体制づくりを推進します。

7 IT革命に伴う社会変化への対応
 情報通信関連産業の成長に向け、奨励措置や融資あっせん制度により、IT関連の設備投資や関連産業への進出・創業を促進します。また、県との連携をはかりながら、秋田地域IXを活用した既存中小企業の情報化や地域内発型産業の創業、都市型産業の育成を促進します。


注1)金融ビッグバン
 金融市場における自由な市場、透明で信頼できる市場、国際的で時代を先取りする市場の3原則に則った金融システム改革

注2)都市型産業
 経済のソフト化・サービス化の進展に伴う情報産業を中心とした付加価値生産型の第三次産業

注3)第二創業
 既存企業が保有する技術・人材・取引先・信用等の経営資源を活かして新規創業や新分野へ事業進出すること。「事業承継に関するアンケート」(中小企業庁:平成13年7月)によると、第二創業後、事業を継続していると回答したのは94%と高い割合を示している。

注4)新事業創出促進法
 技術、人材など地域に蓄積された産業資源を活用し、新産業・新事業の創出を促進するため各種支援策を定めた法律

注5)秋田地域高度技術産業集積活性化計画
 高度な産業技術を開発・活用する企業や大学・研究所等が集積した秋田地域において、技術・人材などの産業資源を新産業・新事業創出に活用するための計画

注6)インキュベータ施設
 新規創業や創業間もない企業、新分野進出をはかる企業に、ソフト支援サービスや低賃料スペース等を提供し、その成長を促進することを目的とする施設

注7)秋田商工会議所
 本市を区域として、商工会議所法に基づき組織、運営されている認可法人。地区内における商工業の振興発展につとめるとともに、地域の商工業者の世論を代表する組織

注8)秋田県中小企業団体中央会
 中小企業組合の指導を目的に、中小企業等協同組合法に基づいて設立された認可法人

注9)インキュベーション・マネージャー
 創業や企業活動に精通するとともに、幅広いネットワークを有し、創業時期に不足している経営資源を補うため、アドバイスやコーディネートをする人


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