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第4節 母子保健・児童福祉の充実
  第3章 「安心して健康にすごす助け合いのまち」づくり
 

第4節 母子保健・児童福祉の充実


現状と課題


 子どもたちが心身ともに健やかに成長できる社会の実現は、市民全体の願いです。このため、妊娠・出産の時期を通した健康管理を充実させるとともに、産まれた子どもの健やかな成長のために支援を行う必要があります。
 本市における出生数は、ここ数年、ほぼ横ばいで推移していますが、合計特殊出生率(注1)を見ると全国平均を下回っており、少子対策が緊急の課題となっています。少子化の原因として、晩婚化が進んでいること、子育てと仕事の両立が難しくなっていること、経済的負担が重くなっていること、さらには地域の子育て機能が低下していることなどが考えられます。このため、家庭における子育てを基本に、子育てに対する社会的な支援の充実が求められています。また、近年、保育所等への入所を希望する児童が増えており、受け入れ施設の拡充やサービスの向上をはかる必要もあります。
 一方、家庭や地域の子育て機能が低下する中で、児童虐待が増加傾向にあり、行政の支援体制の整備や地域の見守りが重要になっています。市民一人ひとりの児童虐待防止への理解と、児童の人権を守る意識の啓発のため、広報・支援活動の充実をはかる必要があります。

基本方針


 少子対策の一環として秋田市エンゼルプランに基づき、市民と行政が協働で子育ち・子育てを行うという基本認識のもと、子どものしあわせを第一に考え、子育てがかけがえのない経験であることを実感できるよう、関連施策を進めます。
 保健・医療・福祉・教育・男女共生等に関連する機関と連携しながら、妊産婦、乳幼児の健康管理や子育て中の親の悩み、家庭相談等に関し適切な助言をするほか、児童虐待等の防止や当事者の支援体制につとめます。
 また、多様化する保育ニーズに応えるため、保育サービスを拡充するとともに、待機児童の解消と保育環境の向上につとめます。さらには、市民協働で、地域の子育てを支え合う体制を強化するほか、子育てに伴う経済的支援や母子・父子家庭の自立促進をはかります。

主な施策

1 妊産婦の健康管理体制の充実

 妊娠・分娩が安全に経過するよう、妊婦健診の検査項目の追加などについて検討します。また、初めて親になる夫婦を対象に、「親」としての意識を高めるため、親学級を充実します。さらに、育児不安を抱く妊産婦への訪問指導を充実します。

2 乳幼児の健康管理体制の充実

 出生から就学まで一貫性ある健康管理体制の確立につとめるとともに、健やかな発育・発達を促すため、健康診査を充実します。
 また、発達異常や疾病の早期発見のため、乳幼児健診の事後指導の充実をはかるほか、虐待の発生予防・早期発見のため、相談等の充実をはかります。休日健診等についても、市民ニーズを踏まえ検討します。

3 保育サービスの向上

(1)保育サービスの充実
 多様化する保育ニーズに応えるため、公立保育所の民間移行などを進め、保育時間の延長や休日の児童受け入れ等のサービスの拡充をはかるとともに、病気回復期の児童の一時受け入れ体制の整備につとめます。また、待機児童の解消と保育環境の向上をはかるため、幼稚園の保育事業参入をはじめ、認定保育施設・認可外保育施設の認可、老朽化施設の改築に併せた定員増などにつとめます。
(2)子育てコーディネーターの配置
 安心して育児に取り組めるよう、新たに子育てコーディネーターを配置し、それぞれの家庭状況やライフスタイルに合った適切な情報とサービスの提供につとめます。

4 市民協働による子育て支援体制の充実

(1)市民力による子育て支援
 ファミリー・サポート・センター事業(注2)の活用を促進し、市民協働で地域の子育てを支え合う体制を強化します。
 また、地域の乳幼児学級や親子の集い、サークル等への支援を通じ、子育て支援者の育成につとめ、各地区民生委員・児童委員協議会や保健所、保育所、幼稚園、学校等とのネットワークづくりを推進します。同時に、育児サークルのネットワーク化をはかり、市民活動としての子育て支援を推進します。
(2)中高生の保育体験・ふれあいや遊びの場の提供
 家庭・地域における子育て支援の核として、(仮称)拠点センター内に(仮称)子育て交流室を整備し、乳幼児のための遊び場を確保するほか、育児サークル活動の支援や子育て相談、情報提供などを行い、総合的な子育て支援施策を推進します。
 また、保育所において、ふれあい保育(注3)や中高生の保育体験の場を提供するとともに、児童館・児童センターでの地域子育て支援ネットワーク推進事業を行います。
(3)子育てと家庭の相談
 子育て中の親の悩みや不安に対し男女共生の視点を踏まえながら、適切に助言するほか、児童虐待やドメスティックバイオレンス(注4)の早期発見・早期対応をはかるとともに、児童虐待等の防止のため、人権尊重の意識啓発につとめます。さらに、保健・医療・福祉および教育機関等と連携して、児童虐待等の当事者の支援体制を整えます。

5 子育てに伴う経済的負担の軽減

 子育て中の家庭における経済的負担の軽減につとめます。また、乳幼児および母子・父子家庭の児童に対し、医療費の助成を継続します。

6 母子・父子福祉の充実

 母子・父子家庭については、家庭の状況に応じて、生活の安定や自立の促進をはかり、家庭環境の向上につとめます。

●重点テーマからの視点
   
2 少子長寿社会への対応
 妊産婦および乳幼児の健康維持管理のための施策を充実させるとともに、多様化する保育ニーズへ対応したサービスの提供と相談体制の充実をはかります。

4 男女共生を踏まえた市民共生社会の実現
 子ども自身の人権を尊重し、育児の共同参加や子育て支援活動を通して男女共生意識の浸透をはかります。

5 地方分権の推進による市民主体の都市個性づくり
 中核市として、多様で充実したサービスを提供するとともに、児童が健やかに成長できる環境整備を推進します。

6 秋田の将来を担う人づくり
 秋田の将来を担う子どもたちが健やかにたくましく成長することができるように、互いにふれあえる場を提供するとともに、社会的支援が必要な子どもたちのための相談・支援体制の充実をはかります。

7 IT革命に伴う社会変化への対応
 保健・福祉サービスや子育てに関する詳細な情報の提供につとめるとともに、利用申請等をインターネットを通じて可能とするシステムや行政と事業者間のネットワーク化について検討します。また、情報格差の解消につとめ、利用者が不利益をこうむることのないよう配慮します。


注1)合計特殊出生率
 1人の女性が一生の間に産む子どもの数。現在の人口を維持するためには、2.18以上必要とされているが、平成13年の全国値は1.33、本市は1.22であり、全国よりも低い。

注2)ファミリー・サポート・センター事業
 利用会員と協力会員が登録し、利用会員のニーズに基づき、その子どもを協力会員が自宅で預かる制度

注3)ふれあい保育
 就園前の子どもとその親に交流や遊びの場を提供する。誰でも自由に参加でき、子育ての仲間づくりや身近な相談場所として活用されている。

注4)ドメスティックバイオレンス
 配偶者やパートナーなど親密な間柄で行われる暴力のこと。身体的暴力に限らず、暴言を吐く、無視するなどの精神的暴力、生活費を渡さないなどの経済的暴力、性行為の強要や避妊に協力しないなどの性的暴力も含まれる。


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