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第1節 学校教育の充実
  第4章 「可能性を伸ばし生きがいを持てる文化のまち」づくり
 

第1節 学校教育の充実


現状と課題


 完全学校週5日制の実施等、学校教育を取り巻く社会環境が変化する中にあって、基礎学力を身につけ、心豊かでたくましく、主体的に判断し行動する児童生徒を育成する一方、少子高齢化や国際化、情報科学技術の発展等、時代に対応した教育課題へ取り組むとともに、郷土を愛するふるさと教育の充実が求められています。
 また、全国的にいじめや不登校が深刻な社会問題となる中で、生きる力の礎となる他人への思いやりや社会性、倫理観などを育む心の教育の充実や教育指導・研究の促進が求められています。
さらに、生活形態の変化に伴い、運動不足による体力低下が懸念されています。
 また、中高一貫教育の推進など教育の多様化に対応した指導体制の充実と、学校施設の安全管理対策の充実や防災拠点施設としての活用等も踏まえた教育環境の整備をはかるとともに、幼児期教育および特別支援教育の充実に取り組む必要があります。

基本方針


 教育改革が進められ、学校の主体性が強調される中、教育に求められている課題に対応するため、時代に対応した教育の充実をはかるとともに、創意ある教育活動の推進につとめます。
 また、基礎・基本を身につけ、子どもが自ら学び自ら考える力を育てる学習指導を推進し、個性と能力の伸長につとめるとともに、地域社会や家庭の教育力(注1)の活用をはかりながら、教育環境の整備充実の下、自立型の子どもの育成につとめます。

主な施策

1 幼児教育の充実

 秋田市幼稚園教育振興計画(注2)に基づき、幼稚園と小学校、地域との連携を促進します。また、幼稚園就園奨励事業(注3)およびすこやか子育て支援事業(注4)を実施し、保護者負担の軽減をはかるほか、秋田市私立幼稚園協会および個別幼稚園の施設設備に対する助成を行い、幼児教育の充実につとめます。
 

2 小・中学校教育の充実

(1)生きる力を育む教育活動等の推進
 少人数学習を推進しながら、基礎学力の向上と問題解決能力を育む学習の推進をはかるとともに、近隣学校や地域などが協力し、体験を重視した多様な学習活動を通じて、児童生徒の個性の伸長と生きる力の育成につとめます。
 また、郷土という共通テーマについて、児童生徒が行政関係者や地域住民と一緒に考え、ふるさとを愛する心を育てるとともに、心の教育(注5)の充実や福祉・環境教育の推進等により道徳性の養成につとめます。不登校およびいじめの問題に対しては、適応指導センターの活用や専任相談員の配置などにより、引き続き児童生徒や保護者への相談活動等の充実をはかります。
 さらに、生きる力を育むため、学習の推進と道徳性の養成に加え、体力の向上と心身の健康の保持増進をはかります。進展する国際化に対応するため、英語指導助手(注6)等を活用し、国際理解教育の充実につとめます。IT社会への対応については、インターネットやテレビ会議システム等の積極的な活用につとめ、情報教育の充実をはかります。
(2)特色ある学校づくりの推進
 完全学校週5日制や新学習指導要領(注7)を踏まえ、指導内容の精選や指導方法等の工夫改善をはかるとともに、特色ある教育課程の編成や弾力的な教育活動等を推進します。
 また、学校のもつ教育機能の活用や施設の開放等を通して、地域社会に積極的に貢献するとともに、地域や家庭との連携による教育活動および人材活用等につとめます。
 さらに、開かれた学校づくりをめざし、家庭・地域社会が一体となって教育を推進するため、学校教育懇談員(注8)の活用をはかります。
(3)特別支援教育の充実
 障害のある児童生徒に関する就学相談の充実と一人ひとりの適性に応じた指導の工夫・改善をはかります。

3 中高一貫教育の推進

 御所野学院中高一貫校における教育の充実をはかるとともに、関係機関等の動向を踏まえながら、今後の中高一貫教育(注9)のあり方について研究を進めます。

4 高等学校等教育の充実

 秋田商業高等学校および秋田公立美術工芸短期大学附属高等学院について、特色ある教育課程の編成により、生徒一人ひとりの適性に応じた能力の伸長をはかります。また、施設設備の整備等教育環境の充実につとめます。

5 私学の振興

 市内の私立中学校や高等学校等の振興に向け、秋田県私立中学高等学校協会等を通じて助成します。

6 教職員研修の充実

 多様化する教育課題に対応できる指導体制の充実をはかり、中核市として独自性を活かした参加型の専門研修や課題別研修等、教職員研修(注10)の充実につとめます。

7 健康教育と学校給食の充実

 生涯を通じて自主的な健康づくりが実践できるよう、心と体の健康教育の充実をはかるとともに、適正な学校環境衛生の維持・改善につとめます。
 また、小・中学校における給食調理場については、ドライシステム(注11)の導入や設備の計画的な更新により、衛生的な環境整備を進めます。さらに米飯給食の飯缶方式(注12)導入やランチルームの整備をはかるほか、食材等の安全性に配慮するとともに、地場産食材の使用を進めるなど、より充実した学校給食をめざします。

8 教育環境の整備

(1)学校施設・設備の充実
 @増改築等施設の充実
  小・中学校の増改築・大規模改造事業(注13)等を計画的に進めながら、体育館の暖房化や職員室の冷房化を検討するなど、多様化する教育内容に対応するとともに、安全管理対策の充実や、防災拠点施設としての活用も視野に入れた施設の充実をはかり、児童生徒が心のゆとりを持てる教育環境の整備につとめます。
 A備品等の充実
  情報教育の一層の推進をはかるため、国の整備計画に合わせた情報通信ネットワーク環境の整備を進めます。
  また、特色ある教育課程の編成に対応するため、備品および教材教具の充実をはかります。
(2)通学区域の弾力化
 小・中学校の通学区域について弾力化をはかり、保護者、児童生徒の学校選択機会の拡大につとめます。

●重点テーマからの視点
   
2 少子長寿社会への対応
 幼稚園に就園させる保護者の経済的負担の軽減をはかるとともに、小学校や地域と連携した新たな幼児教育のあり方について検討します。
 小・中学校については、児童生徒数の減少に対応しながら、充実した教育を行うため、異学年交流の推進や施設開放などを活用した地域との交流により、特色ある学校づくりを進めます。

4 男女共生を踏まえた市民共生社会の実現
 すべての児童生徒が楽しくかつ安全に学校生活を送ることができるよう、教育環境の整備を進めるとともに、人権や男女平等に関する意識の醸成をはかる教育につとめます。

5 地方分権の推進による市民主体の都市個性づくり
 中核市として専門研修や課題別研修など教職員研修の一層の充実をはかります。

6 秋田の将来を担う人づくり
 一人ひとりの個性を伸ばし、自ら学ぶ力を育成するとともに、郷土を愛する心を育み、家庭・地域社会と一体となった教育活動の推進をはかります。

7 IT革命に伴う社会変化への対応
 校内外ネットワーク環境の一層の充実をはかりながら、情報化時代に対応した教育の充実につとめます。


注1)地域社会や家庭の教育力
 地域社会や家庭において、基本的な生活習慣や行動および人間関係のあり方などを教え育てる力

注2)秋田市幼稚園教育振興計画
 幼稚園から小学校への円滑な移行をはかるため、両者の連携を強化する一方、幼稚園と地域の連携や3年保育の推進など、秋田市における幼稚園教育に関する基本的施策をまとめた計画

注3)幼稚園就園奨励事業
 幼稚園教育の振興に資するため、私立幼稚園に就園する幼児の保護者に対し、その世帯の所得状況に応じて助成する事業

注4)すこやか子育て支援事業
 第3子以降の幼児について、保育料等の軽減をはかるもの

注5)心の教育
 他人を思いやる心、美に触れて感動する心、正義感などを養う教育

注6)英語指導助手(ALT:assistant language teacher)
 学校の外国語教育の充実と国際化の促進を目的とする外国青年招致事業に基づいて来日し、語学(英語中心)指導等を行う外国青年

注7)新学習指導要領
 平成14年度以降順次実施の小・中・高校に関する教育内容の編成や学習活動の展開について定めた文部科学省の指針

注8)学校教育懇談員
 保護者や地域住民の意向を反映させながら学校運営が行われるよう校長の求めに応じて意見を述べ、助言を行う人

注9)中高一貫教育
 生徒の個性や創造性の伸長をめざし、中学校と高等学校を接続したゆとりある学校生活の中で、6年間一貫して行われる教育

注10)教職員研修
 平成12年4月施行の地方分権一括法により、都道府県から中核市へ権限移譲されたもの

注11)ドライシステム
 常に給食調理場のフロアーを乾燥させた状態に保ち、雑菌などの繁殖を抑制するもの

注12)米飯給食の飯缶方式
 学級ごとの保温飯缶詰めにより米飯を提供し、児童・生徒が必要とする量を各自の食器に盛る方式

注13)大規模改造事業
おおむね20年以上経過し、老朽化の進んだ校舎等について、建て替えを行わずに全面的に改造し、建物の耐久性を確保しながら機能回復をはかる事業


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