第8次秋田市総合計画 基本構想


最終更新 1998.01.08


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1 第8次総合計画策定の意義

 秋田市は、秋田県の県都として着実な発展を遂げ、明治22年の市制施行以来100年を超える輝かしい歴史を築いてきました。 市政推進の基本となる総合計画については、昭和36年に第1次の計画を策定し、その後おおむね5年ごとに第7次まで見直しを行い、各時代に対応した本市がめざす方向を定めてきました。
 前計画である「第7次秋田市総合計画」においては、高齢化、国際化、情報化等が進展しつつあった社会状況のもと、重点プロジェクトをはじめ各種施策の総合的な推進による本市活性化をめざしてきました。しかし、全国的な地方分権の気運の高まり、一層加速する高齢社会への移行、中心市街地の空洞化等、産業・まちづくりを取り巻く環境の変化、さらには、国・地方を通じた行政改革の流れの中、市民の多様なニーズに、限られた財源のもとで迅速かつ適切な対応をしていかなければなりません。
 このため、秋田市は、平成8年度を初年度とし、平成17年度(2005年)までの10年間を計画期間とする「第8次秋田市総合計画」を策定し、中核市への移行も好機ととらえ、更なる飛躍を期すこととしたものです。

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2 秋田市がめざす方向

 地方分権の進展に伴う国・県の権限委譲を受け、住民に一層身近な事務・事業を行うことから、これまでにも増して市民生活に密着した市政となることをめざします。
 そこでは、市民ひとりひとりがまちづくりの主人公となり、積極的に市政に参加しながら、伸びやかにくらす「人間都市あきた」の確立を基本にすえ、市民と一体になって、秋田らしさ・秋田の独自性を発揮したまちづくりを進めていきます。
 このため、潤いある快適な都市基盤を整備し、産業の均衡ある発展により地域経済を活性化し、少子・高齢社会に向けた福祉・保健医療の体制を整え、教育・文化を充実させるとともに、市民が主体となる開かれた市政を本市のめざす基本的な方向とします。

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3 基本理念

『きらめく北の人間都市あきた』

 緑の空間が豊かに活かされた住みよい都市環境のもと、まちに活気があふれる中核都市として、市民が伸びやかに、生涯にわたり充実したくらしのできるまちをつくります。また、開かれた市政を推進し、市民が主人公となる市民主体の「人間都市あきた」の実現をめざします。

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将来都市像

きらめく北の
人間都市
あきた
潤いある快適空間都市
はつらつとした産業活力都市
やすらぎの健康福祉都市
ゆとりある教育文化都市
開かれた市民主体都市

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第1節 目標

(1)潤いある快適空間都市

 長期的な土地利用計画に基づき、自然と都市が調和した住みよい生活環境の創出につとめ、都市全体が快適空間となる潤いのある都市をめざします。

(2)はつらつとした産業活力都市

 安定した市民生活の基盤が確保できるよう、各産業の均衡ある発展につとめるとともに、働く場やいこいの場を確保し、若者をはじめあらゆる世代が魅力を感じる活気あふれる都市をめざします。

(3) やすらぎの健康福祉都市

 自然と人が共生する社会をめざすとともに、思いやりと助け合いの心を広げ、社会保障を充実し、少子・高齢社会に対応しながら、すべての市民が健康で安全にくらせる都市をめざします。

(4)ゆとりある教育文化都市

 生涯にわたって充実した学習活動、文化活動、スポーツに 親しめる教育環境の整備につとめ、郷土の歴史と伝統を学びあい、創造力に富む市民性を培うとともに、国際性豊かでかおり高い市民文化をはぐくむ都市をめざします。

(5)開かれた市民主体都市

 市民自治に根ざして、市民が主体となり、自らが郷土を考える意識の醸成をはかるとともに、市民とともにつくる開かれた都市をめざします。

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第2節  施策の大綱

 秋田市の将来都市像実現のため、次のような施策の大綱を定め、行財政運営の基本とします。

第1章 “潤いある快適空間都市”づくり

(1) 土地利用計画の推進

1 市域の中の自然を守り、育てることにより、 緑豊かな都市環境を創造します。
2 市街地と郊外地域との調和ある発展につとめます。

(2) 都市計画の推進

 広域的・長期的視点に立った総合都市計画のもと、商業・業務、生産・流通、住宅、緑地などの各種機能を市域に適正に配置します。

(3) 市街地の開発整備

 秋田駅周辺および中央街区等既成市街地の都市機能の充実と都市施設の整備をはかるとともに、御所野ニュータウンにおいては新都市の形成を促進します。また、都市景観の整備保全にもつとめます。

(4) 高規格道路網の整備

 東北横断自動車道釜石秋田線、秋田外環状道路の全線開通をはかるとともに、日本海沿岸東北自動車道の早期完成をめざします。

(5) 幹線・生活道路網の整備

 都市化の進展、自動車交通量の増大に対応するとともに、歩行者の安全に十分配慮しながら、利便性、快適性の高い道路網の整備を進めます。

(6) 公園緑地の整備

1 すぐれた自然環境を保全し、レクリエーションや憩いの場としての活用をはかります。
2 都市公園、広場および街路樹などを整備し、緑の空間の増大につとめます。
3 太平山リゾートパーク総合整備計画に基づき、親しまれるシビック・リゾートの整備を進めます。

(7) 住環境の整備

 住宅マスタープランのもと、市民の良好な住環境を確保するため、住宅の建築、宅地開発の適切な指導を行うとともに、生活環境の整備を進めます。また、市民の住宅を確保するため、公営住宅の建設や公社、民間等による住宅建設を促進します。

(8) 水道・ガス・交通事業の整備

1 水道事業については、水需要に対応した施設を 整備・拡充し、安定給水につとめるとともに、老朽施設等の近代化を推進します。
2 ガス事業については、災害に強い導管網等の整備と安定供給につとめるとともに、高カロリー化を推進します。
3 交通事業については、安全・快適・便利なバス輸送体制を整備し、公共交通輸送の充実につとめます。

(9) 下水道の整備

 公共下水道と都市下水路の建設を推進し、生活環境の 改善を進め、河川や湖沼、海域等の水質を保全するとともに、浸水地域の解消につとめます。

(10) 運輸基盤の整備

1 秋田港については、港湾機能の整備を促進するとともに、ポートルネッサンス21計画に基づき、市民に親しまれる港づくりを推進します。また、フェリーの 定期航路の開設等、海上交通輸送の向上にもつとめます。
2 秋田空港については、国際定期便の開設につとめるとともに、施設および機能向上を促進します。
3 秋田新幹線をはじめ鉄道体系の整備を促進します。

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第2章 “はつらつとした産業活力都市”づくり

(1) 情報化の推進

 情報化の進展に対応し、情報通信基盤の整備を促進するとともに、市民生活や産業活動に必要な地域情報システムの構築・整備につとめます。
 また、ソフトウェア業等情報関連産業の計画的な誘致と振興をはかります。

(2) 商業・サービス業の振興

1 商店街単位を基本とした中小小売商業者の活性化を、ハード・ソフト両面から体系的・計画的に支援します。
2 中小卸売商業者等の集団化および近代化を支援し、地域中小企業者の活性化を促進します。
3 高度化・多様化する消費者ニーズに対応した中小サービス業者の振興につとめます。

(3)貿易の振興

 対岸貿易をはじめとする海外との経済交流を支援するとともに、コンテナ船の定期航路開設促進等につとめます。

(4)工業の振興

1 秋田テクノポリスにふさわしい先端技術産業の集積・育成をはかるため、既存企業の技術の高度化を支援するとともに、地元産業への経済的、技術的波及効果の高い企業を積極的に誘致し、既存企業との連携強化につとめます。
2 伝統工芸に関する組織などの育成強化をはかるとともに、特産品の育成につとめます。

(5) 中小企業の経営基盤強化

1 経営体質の強化をはかるため、人材の育成、技術力・開発力の向上および経営の合理化・健全化を支援します。
2 中小企業者の経営改善を金融面から支援するとともに、関連団体を育成強化し、経営の安定促進につとめます。

(6)労政および若者定住対策の推進

1 新規学卒者、Aターン者、パートタイマー等の雇用の創出をはかるとともに、中高年齢者、障害者等の雇用機会などの整備充実につとめます。
2 若者をはじめすべての勤労者が安心して働き、豊かな生活を送ることができる環境をつくるため、職場環境の改善および職業能力の開発・向上ならびに職業相談、研修を支援するほか、勤労者のための共済事業を推進します。

(7)消費者対策および生鮮流通システムの整備

1 豊かで安全な消費生活を推進するため、情報ネットワーク化をはかり、多様化、高度化に対応できる消費者意識の啓発につとめます。
2 中央卸売市場については、生鮮食料品等の安定供給と取引の適正化につとめ、本県の拠点市場としての機能を高めます。

(8)観光・コンベンションの振興

1 歴史と風土に支えられた豊かな観光資源等を生かしながら、魅力ある観光施設の整備を推進します。
2 誘客のための宣伝および受け入れ体制の強化につとめます。
3 コンベンションビューローを活用しながら、各種の波及 効果が期待される大会、イベント等の開催およびコンベンション拠点施設の整備を促進します。

(9)農林水産業の振興

1 都市近郊型農業をめざし、高度技術の活用等により生産効率を高めるとともに、農業基盤を整備し、経営の安定をはかります。また、農業集落の生活環境整備を進めます。
2 造林を推進し、林地の生産性を高め、良質材の産出につとめます。また、林道の開設・改良などの生産基盤や林業振興のための施設等を 整備します。
3 漁業経営の安定化をはかるため、稚魚の放流等による養殖漁業を推進するとともに、漁業施設を整備します。

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第3章 “やすらぎの健康福祉都市”づくり

(1) 市民福祉の充実

1 少子・高齢社会に対応して福祉、保健、医療の連携と体系の整備につとめます。
2 乳幼児から高齢者までのそれぞれに応じた保健福祉施策の充実をはかるとともに、秋田市保健福祉長期計画「けやきのまちのしあわせプラン」の推進につとめます。
3 高齢者や障害者がその能力を生かし、社会の中で活躍できるよう、社会参加の機会の確保・拡充につとめるとともに、施設福祉・在宅福祉の一層の充実をはかります。
4 福祉の心を培うとともに、ボランティア活動への積極的参加を促進します。

(2) 保健医療の充実

1 生涯にわたって健康な生活をおくることができるよう、健康増進、疾病予防、リハビリテーションなど、一貫性のある保健サービスの充実につとめます。
2 市立秋田総合病院については、市民の総合的な医療機関 として、医療スタッフおよび医療施設・機器の充実をはかります。
3 救急医療については、医療機関や医師会と連携をはかり、救急患者に迅速適切な措置を施すため、救急体制を整備します。

(3) 少子対策の充実

 子どもを健やかに育てやすい環境をつくるため、総合的な子育て支援の取組みを推進します。

(4) 交通安全対策の充実

 交通安全運動を進め、指導の強化につとめるとともに、安全な道路交通環境を整備します。

(5) 環境保全対策の充実

1 地球環境保全のため、市民や事業者と一体になって取り組む社会をめざします。
2 大気、水質、騒音等の環境基準が守られた、安全かつ快適で豊かな環境の創造につとめます。

(6) 災害防止対策の充実

1 治水対策を推進するとともに、除排雪、融雪対策につとめます。
2 消防組織・装備・水利を整備するとともに、火災予防対策、震災対策を推進するなど災害に強いまちづくりにつとめます。

(7) 廃棄物対策の充実

1 資源が循環するまちをつくるため、市民や事業者と一体になって、廃棄物の分別の徹底、減量化、再資源化をすすめます。
2 快適な生活環境を保つため、廃棄物の衛生・効率・適正な処理体制を整備します。

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第4章 “ゆとりある教育文化都市”づくり

(1)生涯学習の推進

1 市民の学習意欲の高まりと多様化に対応し、施設の整備、生涯学習機会の充実をはかります。
2 生涯学習の情報ネットワーク化を促進しながら、市民への情報提供と相談体制の充実、指導者の養成につとめます。

(2) 学校教育の充実

1 基礎学力および個性の伸張をはかり、心豊かでたくましい、次代を担う児童生徒を育成するとともに、社会の変化に対応する教育を推進します。
2 学校の週5日制に対応しながら、創意ある教育課程の編成につとめ、家庭・地域と連携して開かれた学校づくりをすすめます。
3 定数規模の適正化や施設の充実をはかり、環境の整備につとめます。

(3) 高等教育の充実

1 美術工芸短期大学においては、地域社会に貢献する有能な人材を育成するとともに、市民に親しまれる大学開放施設の充実につとめます。
2 大学の誘致、学部学科の増設などを促進し、教育の場の拡充をはかります。

(4) 社会教育の充実

1 家庭・地域の教育の活性化をはかるとともに、乳幼児期教育の充実、青少年の豊かな人間形成、高齢者の生きがいづくりなど市民の多様化、高度化するニーズ等に対応した特色ある学習の機会の充実に つとめます。
2 社会教育施設の整備につとめ、充実した学習活動を支援する指導者等の養成、確保につとめます。
3 社会教育機関・団体、民間教育事業との連携を深め、その学習活動を助長します。

(5) 市民スポーツの振興

1 生涯にわたりスポーツに親しみ、健康な生活を営むため、市民の健康と体力づくりの推進と競技スポーツの振興につとめます。
2 スポーツ関係諸団体の充実強化や指導者の養成・確保につとめるとともに、各種体育施設の整備充実をはかります。

(6) 市民文化の振興

1 市民の自主的な学術、芸術活動の推進と、施設の整備充実をはかり、文化のかおり高い郷土づくりをすすめます。
2 郷土の歴史と伝統を大切にし、個性的な地域文化の創出、文化遺産の保存・活用と伝承につとめます。

(7) 国内外交流・平和活動の促進

1 世界に開かれた都市の実現に向けて、市民交流を中心とした海外諸都市との交流を推進します。
2 世界の人々にとっても溶けこみやすいまちへと成長するため、都市の国際化を促進します。
3 「国際親善・核なき平和」の標語のもと、国際親善活動等を通じて、世界の恒久平和に向けた活動を推進します。
4 国内姉妹都市および有縁町村など、歴史的関係などにちなむ市町村との市民交流を促進します。

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第5章 “開かれた市民主体都市”づくり

(1) 市民意識の醸成・市民自治の拡大

 市民自らが郷土を考える意識の醸成をはかり市政への参加を促進するとともに、町内会などの自治組織の育成援助、コミュニティ施設の整備充実をはかります。

(2) 男女共生社会の充実

 市民ひとりひとりの人権が尊重され、性や年齢、身体的状況の別なく、誰もがその意思と能力に応じてあらゆる分野に参画できるよう、条件整備をはかります。

(3) 広報・広聴活動の充実

 市民の参加と協調をもとにした広報・広聴活動の充実を通じて、市民の意思を効率的に市政に反映します。

(4) 行政情報の公開

 公正で開かれた市政の確立をはかるとともに、市民参加の市政を推進するため、情報公開の制度化をはかります。

(5) 地域連携の推進

 魅力と活力に富んだ地域社会を形成するため、経済、産業、文化などの諸活動を通して、他地域との連携をはかります。

(6) 地方分権・中核市の推進

 地方自治の確立のため、地方分権を進めるとともに、中核市への移行をめざします。

(7) 行政改革の推進

 多様化、高度化する市民のニーズに対応した簡素で効率的な行財政運営をめざし、行政改革を推進します。

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おことわり

  1. 第8次秋田市総合計画は、平成8年3月に作成され、公刊されたものです。従って、計画中の数値等は当時のままになっています。HTML化するにあたり、用語解説、他サイトへのリンク等についてのみ更新・追加を行いました。
  2. 印刷物としての第8次秋田市総合計画は、市内の図書館、市役所の市民談話室でご覧になれるほか、ご希望の方は、市役所地下1階の売店でお買い求めになることができます(売価3,000円)。

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