2000年
10月13日号



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二〇〇〇年九月 山王内外案内
市長●石川錬治郎

●総合防災訓練、バケツリレー消火も有効
●東北人の匂い濃厚な常盤新平、中村敦夫
●明確な主張を伝える沢知恵の歌に感激

◆市の総合防災訓練を新屋地区で実施。西中、美術工芸短大、福祉施設など、街の中で震度六弱の地震が起き、道路は破壊、火災発生の大惨事という事態を想定しての対応訓練。自衛隊、救難隊のヘリコプターも出動し、西中屋上に残された人を救助したり、雄物川での水難者の救助など本格的な訓練。雄物川河川敷では、新屋地区住民のバケツリレーによる消火など伝統的方法での訓練も再現。防火防災には初動活動がいかに大切か痛感。
◆東京銀座で大井錦亭氏の書道展を観る。大井さんは土崎出身で、今や日本書壇の中で五指に入るとの評価のある人。土崎図書館、千秋美術館、組合総合病院など市内の公共施設に大作を寄贈してくださっている。今年も「実用墨場必携・名言・名句・祝歌」という本を監修され、私も一冊贈られ、時々はこれをもとに書道の練習に励む。大井錦亭氏は今年の秋田市文化功績章受章者に決まる。
◆さきがけ政経懇話会の懇親会で、講師のアメリカ文化研究者の常盤新平氏と歓談。常盤新平氏は翻訳家として出発しながら日本で第一級のアメリカ文学・文化の紹介者。ニューヨークに初めて行った時などは、常盤さんの「ニューヨーク遙かに」を手にして歩き回ったもの。一度是非会いたい人であったが、初対面ですっかり魅せられる。何事か成し遂げた人特有の思い切りの良さと清々さを併せ持つ。
◆AABニュースバリュー講演会に来秋された中村敦夫参議院議員を囲むパーティーに。中村議員というよりは「木枯紋次郎」の中村氏といった方が分かりやすいかも。映画、テレビの世界と同じく政界においても「紋次郎」ぶりを発揮している様子。福島県いわき市出身とのことで、東北人同士の親しみを感じる。先日会った(前出の)常盤新平さんも、岩手県水沢市生まれの仙台育ちで、東北人の匂いのある人だった。
◆魁新報社主催「秦の始皇帝と兵馬俑展」開会式のテープカットに参列拝観。約二千二百年前の歴史的事象の生々しい迫力に圧倒さる。なお「兵馬俑」に関する秋田大学石川三佐男教授(五城目町杉沢生まれ)の解説が魁夕刊紙に連載されたが、さすが中国古代文学研究の第一人者だけにその博識にも感嘆。
◆古本屋で漱石の初版本のスタイルを復元した一揃えを購入。「心」の発刊にあたって漱石は自ら装丁なども手がけたと記す。彼はグラフィックデザイナーとしても一流だった。校正は「岩波茂雄」(岩波書店創業者)を煩わせたとも記していて、何とも豪華な本作りだったことがわかる。
◆今月の収穫。白石市のユニークな音楽ホール(音楽監督・三枝成彰氏)で、沢知恵さんのコンサートを聴く。沢さんは父は日本人、母は韓国人で東京芸大の楽理科卒のシンガーソングライター。日本と韓国との関係について明確な主張が根底にある歌を、自らピアノを弾きながら唱う。先日金大中大統領が来日されたパーティーにも招待されたとのこと。歌う領域は広く「男はつらいよ」は絶品だった。



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