2001年
2月23日号



男女共生社会をみつめて

男(ひと)と女(ひと)。
素敵なパートナーです。

「男は仕事」、「女は家庭と仕事」?

 「男は仕事、女は家庭」。ひと昔前までは、よく言われていたことです。しかし、最近ではその考え方も変わり、女性が働いたり、男性が家事をしたりすることも珍しいことではなくなりました。
 昨年二月、国が行った「男女共同参画社会に関する世論調査」によると、「男は仕事、女は家庭」という考え方に「同感しない」人が約半数を占め、女性が仕事をしながら結婚や出産をするのを認める人が三割と増加傾向にあることがわかりました(グラフ1)。世の中、変わってきたということです。 
 法律や制度ができて、女性と男性が同じように働く環境も徐々に整ってきました。しかしながら、女性は結婚や出産をきっかけに仕事をやめる傾向にあるのが、今の現状です。
 日本の女性の年齢別労働力率を見ると(グラフ2)、男性と異なりM字型を描いています。「仕事を続けたいけれど、育児との両立は無理」「育児休業を利用すると会社の反応が…」といった理由もありますが、古い社会通念が女性だけに家庭と仕事の両立を求めていたり、女性自身が家事や育児は女がするものだと考えていたりすることも要因の一つにあるようです。
 意識は変わりつつあっても、現実には女性への家事・育児の負担は減らず、「女性は家庭と仕事」という二重の負担がのしかかっている感じがします。
 こうした意識と現実とのずれが、晩婚化や少子化といった社会問題にまで発展しているのかもしれません。一方で、男性には「仕事ができて当たり前」など職場や社会からの責任やプレッシャーがかかりすぎています。それもまた古い社会通念の犠牲ともいえるのではないでしょうか。


グラフ1 男女共同参画社会に関する世論調査

世論調査

グラフ2 日本の年齢別労働力率

日本の年齢別労働力率
先進国の中で女性がM字型を描くのは日本だけです。


みんなの幸せのために意識と制度の改革

 少子高齢化、情報化、国際化などを引き金に、社会はめまぐるしく変化しています。それに対応しながら幸せに生きていくためには、今までの意識を変えていく必要があります。
 当たり前と思っていたことが、だれかの生きにくさにつながっているのかもしれません。男はたくましく、女はやさしく…。気が付かないうちに、性別で生き方や性格、行動を決めつけてはいませんか。それは、その人が発揮できる個性や能力を奪うことにもなってしまいます。男、女ではなくて、一人の人間として「その人らしさ」に目を向けることが大事なのです。
 男女雇用機会均等法や育児・介護休業法の改正、学校でも家庭科を男女一緒に勉強するなど、社会の制度も変わってきています。


家事でも仕事でもやりたいことを

 家事でも仕事でも男女を問わず、やりたい人がやりたいことを選べればいいのですが、なかなか難しいのも現実です。まずは自分の家庭から見直してみましょう。夫婦の一方だけの負担が大きくないか、家族の一人だけが犠牲になっていることはないかと考えることが、男女共生社会の第一歩です。
 夫婦や家庭にはそれぞれの形があります。何が良くて、何が悪いという決まりはありません。男性と女性がパートナーとして尊重し支え合って、自分の持っている力を発揮できる基盤を少しずつつくっていくことが、二十一世紀の大きな課題と言えるでしょう。


市も男女共生のお手伝いをしています

 市では、男女共生社会の実現に向けて、市民参加型の男女フォーラムや男女共生行政学習会を開いているほか、情報誌やガイドブックも発行しています。今年度から市の審議会の委員に登用する女性人材リストの作成にも取り組んでいます。
 また、諮問機関である「秋田市男女共生社会に関する懇話会」の提言を受け、平成八年に策定した市民行動計画「パートナーシップ・プラン」を見直し、十三年度にスタートする新しいプランを策定中です。
●問い合わせ 男女共生政策室 TEL(866)2141
E-mail:ro-inpr@city.akita.akita.jp


男女共生キーワード

●男女共生社会

 女性、男性だけでなく、高齢者・若年者・健常者・障害者の誰もがお互いの個性・人権を認め合い、それぞれが主体的な生き方を選ぶことができる社会のこと。

●ジェンダー

 「女らしく」「男らしく」という社会的、文化的に「作り上げられた性別」のこと。


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