2001年11月9日号

今学校教育は
地域のなかで育む

21世紀を担う子どもたち。可能性を伸ばし、個性豊かに育てるため、いま教育には地域のみなさんの力が大きな役割を果たしています。

教育には、みんなの力が必要です。

地域社会が持つ「教育力」の活用

 社会環境の変化にともない、いじめや不登校など心の問題が全国的にクローズアップされています。その背景には、人との関わり方への不安や地域のつながりがうすれたことなどが考えられます。
 市の小・中学校ではそのような問題に対処するため、他人を思いやり、正義感を養うなど「心の教育」の充実に努めています。また、基本的な生活習慣や人間関係のありかたなどを教え育てるうえで、地域社会や家庭が持つ教育力も重要になってきます。

変わる教育、
だからこそ連携

 平成十四年度からは完全学校週五日制と、授業時間を減らし、ゆとりの中で特色ある教育を行う新学習指導要領が実施されます。このように、学校教育が変わる節目のいま、さらに学校と地域の連携を強めた教育が求められています。
 その取り組みとして、小・中学校では、地域のかたを講師として招いたり、他校の友だちと一緒に体験活動をしたりする「はばたけ秋田っ子」の学習を取り入れています。
 また中学校では、ふるさと教育の一環として「環境・福祉・地域との関わり」「未来の国際都市へ」といったテーマをもとに、秋田市の将来を考え、郷土をつくる意欲を育てる「ゆめ秋田21中学生会議」などを行っています。
 子どもたちが社会生活のルールを身につけるには、地域との関わりの中で学び、行動することが必要です。

学校教育懇談員
小・中学校と家庭、地域の連携をサポートしています

地域の声を学校に伝えます

 文部科学省では、地域の人たちの意見を学校教育に反映させる仕組みとして「学校評議員制度」を導入しました。地域の評議員の人たちが、保護者や地域住民の意向を把握しながら学校の運営を支援していこうというものです。
 市でも、この制度にもとづき平成十二年度に「学校教育懇談員」を中高一貫校の御所野学院中・高校に置きました。今年度は、市内の小・中学校を五ブロックにわけ、まず小学校九校、中学校三校からなる中央ブロックに懇談員を置き、現在十二人が活動しています。来年度には、他のすべてのブロックにも懇談員を配置する予定です。

開かれた学校づくりをすすめます

 中央ブロックの懇談員のみなさんは、年二回の懇談会のほか、各校長の求めに応じ随時意見を述べることになっています。「地域のかたの率直な声が聞ける」「他校の取り組みがわかる」などと学校にはたいへん好評です。
 子どもの健全育成には、学校と地域がお互いにわかりあって教育を進めていくことが必要です。その役割を担う懇談員の人たちの提言で、学校もよりいきいきとしたものとなっていくことでしょう。

学校教育懇談員の伊藤晴美さん
学校と地域の間に新しい風を

 懇談員は、元教員や弁護士など経験豊富なかたばかり。懇談会では学校の現状と課題について活発に意見が出されます。中央ブロックではクラスの減少など共通の課題があり、学校間の情報交換も求められます。
 いまの子どもたちには地域のかたとふれ合い、地域で学べる機会をつくることが必要です。学校開放や児童館の活用といった選択肢を増やすことで、子どもたちと地域の距離もより縮まるはず。
 この懇談員制度をきっかけに学校と地域の間に新しい風を吹き込むことができればいいですね。

子ども商業体験
いらっしゃいませ!元気に言えたよ

 十月二十七日、子どもたちに将来の仕事や進路を考えてもらおうと、地域のお店の協力で、販売などの仕事を行う「子ども商業体験」が行われました。
 参加した三十五人の小学生は、通町、仲小路、市民市場の三か所で活動。なれない雰囲気に戸惑いながら、威勢のいい声の出し方や接客などを店員さんから学び、貴重な体験をしました。



Copyright (C) 2000秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp