2001年11月9日号

地域の教材を大活用
学べることは身近にあるぞ!!

地域で育む教育。その教材は、学校の近くの田畑だったり、通学路にある神社だったり。自分の住む街を知る楽しみがわいてきます。


神社で体験!雅楽を演奏

 市内の小・中学校で行われている「はばたけ秋田っ子」。各校ごとに「行ってみよう、やってみよう」「ふるさと秋田を見つめよう」といった活動テーマを設けて、他校との合同学習や、体験学習を実践しています。
 秋田西中では「職人(体験者・研究者)に学ぶ」をテーマに、大森山動物園や地元の製材所での体験学習などを実施。選択科目が音楽のクラスは、学校の近くにある日吉神社で、笙や篳篥といった雅楽の演奏を体験しました。「世界の音楽に触れる」がクラスのテーマ。日本古来の音楽に触れたい、と選んだ場所が地域の神社でした。
 演奏するのはもちろん初めて。でも神主さんのわかりやすい説明でコツをつかんだ生徒は、音が出せるようになりました。普段はお参りでしか来ることのない神社で雅楽を学んで、この地域ならではの貴重な体験ができました。


子どもを育てる土台になれれば

日吉神社の石澤千秋さん
 私が子どもの頃は雅楽を学ぶという機会はなかったですね。これからも、地域の財産を教材にして交流を深めたらどうでしょう。子どもたちも地域社会の大切さを自覚するし、地元で育った人たちは、みんな喜んで協力すると思いますよ。


おいしい食材に感謝しよう

 市内、県内で採れた野菜や果物などを給食の食材にする「まるごと秋田を食べよう」が市内六十二の小中学校で十月二十二日から十一月三十日まで行われています。
 これは、身近な地域でどう食べ物が作られているのか、どう流通されているかなどを授業や野菜を作った人からのビデオメッセージなどで学び、食べ物の大切さを感じてもらう試み。献立には、しめじやブロッコリーを使った秋野菜カレーやとりたて野菜のサラダなど新鮮な食材を使った料理が並びます。給食の食材をだれが作っているか意識することで、感謝の心も養えます。
 築山小三年の茂木義喜くんは「みんなとランチルームで食べる給食はとってもおいしいんだ。栄養士の先生が秋田で採れたって教えてくれた食物、特にさつまいもは格別においしかった」と大満足の笑顔でした。


秋田産の野菜
おいしいでしょ

しめじを学校給食へ
提供している仲山重孝さん
 採れた次の日には食べてもらえるので、生産者としてもうれしい限り。学校から送られてくる献立表で、子どもたちがおいしいと喜ぶ顔を想像しています。秋田の大地で育った新鮮な野菜。ただ食べるだけでなく、ものを作るということにも関心を持ってほしいですね。


地域の自然に学ぶ「食と農」

 子どもたちに身近な所で農業の体験学習をしてもらおうと、市では今年から「一校に一農園」推進事業を始めました。今年の対象は東幼稚園と東小学校。
 五月にはさつまいもの苗を植えたほか、東小では、学校の近くの住宅街にある田んぼで、田植えと稲刈りを体験。地域の農家のかたに苗の植えかたや、刈った穂の一本一本まで大事に束ねることを教わりました。子どもたちも、水田の土の感触に驚いたり、重い米袋をみんなで協力して運んだり、いきいきした表情で農作業に取り組みました。
 自分が住む街にある田畑を活用することで、子どもたちの関心も地域に向けられます。汗を流して頑張った分、食物が順調に育つ環境も気になるはず。
 一校に一農園を進めるこの事業。来年度も新たに二校で行われる予定です。


農業は心を豊かにします

体験に協力した佐々木秀直さん(左)と佐々木弘さん
 今回の学習で、自然を大事にすることと、生命の尊さを学んでほしいですね。できれば稲が育つ過程を観察すると、より実感できると思います。おいしい食物をつくるには周りの環境が重要。地域をよく観察して、自然とのつながりを感じてください。



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