2002年3月22日号

学校が週5日制になります

 四月から、公立のすべての学校で毎週土曜日を休みとする「完全学校週五日制」がスタートします。ゆとりの学習の中で、将来を担う子どもたちに「生きる力」をはぐくんでもらう、新しい教育がすすめられていきます。
●問い合わせ 学校教育課TEL(866)2244

生きる力をはぐくむ教育がスタート

 四月から、全国の公立幼稚園、小・中学校、高校、養護学校などで学校週五日制がスタートします。学校だけでなく、これまで以上に家庭や地域にも学びや体験の場を求め、子どもたちに社会とのかかわりのなかで「生きる力」をはぐくんでもらおうというものです。
 特に小・中学校では、この学校週五日制と同時に、授業時間数や学習内容を減らした新しい「学習指導要領」に沿った学習も始まります。
 子どもたちに求められる「生きる力」。それは、自分で課題を見つけ、学び、考え、判断し、問題を解決する力と、自分を律しつつ、他人を思いやる豊かな人間性、そしてどんな状況にもたくましく対応する健康と体力です。日々変化する社会で必要とされるのは、細かい知識よりも、こうした総合的な力だといえるからです。
 学校週五日制のねらいは、土曜日や日曜日を利用して、家庭や地域社会で子どもたちに様々な生活体験や自然体験、スポーツ活動などをしてもらうことです。「学校での時間が少なくなって、学力が低下するのでは」という心配の声も聞きますが、子どもたちの学びの時間は年中無休。社会に必要なルールや他人を思いやる心、たくましく生きる体力などは、家庭や地域での生活から身に付けていくものです。学校で週五日、家庭や地域で週二日、勉強や体験をする、これが新しい教育のあり方です。

学校の授業もゆとりあるものに

 学校週五日制のスタートにあわせて、年間授業時間数や指導内容を定めた「学習指導要領」も新しくなりました。小・中学校ではこの四月から一斉に、高校では平成十五年度から段階的に、この指導要領に基づいた学習が始まります。
 新しい指導要領では、国語や算数など教科の総授業時間を一割弱、学習内容を三割程度減らしました。基礎・基本に重きを置き、授業時間数の縮減以上に内容を厳選しているので、一つのことにじっくり時間をかけて取り組めるのが大きな特徴です。
 また、中学校、高校では、一人ひとりが興味や関心に応じて選択し、学習できる幅も拡大。学校の実情に合わせた時間割を組むこともできるようになり、各学校におけるカリキュラムの作り方も大切になります。
 さらに、一人ひとりに目が行き届く三十人程度の少人数学級や、課題別、習熟度別、または興味・関心に応じてグループを作り複数の教員が授業を行うティーム・ティーチングなども、子どもたちの個性を尊重した取り組みとして始められます。

「総合的な学習の時間」を設けます

 新しい指導要領では、「総合的な学習の時間」もつくられました。これは、自分から学び、考える力を養うため、体験的な学習や問題解決的な学習を重視する時間です。子どもたちの興味・関心に基づく課題や、国際理解、環境など横断的・総合的な課題を学習することができます。
 「総合的な学習の時間」は、小学校では三年生以上から週三時間程度、中学校では週二〜四時間程度割り当てられ、内容は自然体験や郷土研究など各学校で独自に決めることになります。

家庭と地域の協力なくしては…

 四月から子どもたちは毎週土曜日も、家庭や地域で過ごすことになります。今まで以上に、家族との触れ合いや、地域のかたがたと交流する機会が大切になります。
 学校週五日制は、家庭や地域の持つ教育力をさらに高めようとするものです。みんなで子どもを育てていかなければ、子どもたちは行き場を失ってしまいます。教育は学校だけでできるものではなく、家庭や地域の協力もとても大切です。将来を担う子どもたちのために、学校と家庭、地域の連携が求められています。


新学習指導要領のもとでは、時間割を柔軟に変えていくことになります。1年間の各教科の授業時間数を基準にして、学習内容や学校の特色に合わせて組み立てていきます。

自由に使える自分の時間
八橋小学校 渡部泰校長先生

 子どもたちの「生きる力」は、学校・地域・家庭のバランスのとれた教育を通してはぐくまれます。学校での学習だけでなく、家庭や地域での生活体験、社会体験、自然体験も重要となります。そのためには、学校と家庭・地域との連携が不可欠です。
 八橋小学校では、地域の文化や自然などを学ぶ学習や、地域の人との触れ合いを目的としたあいさつ運動や八橋っ子祭りなどの活動を取り入れています。このような学習や活動を通して、子どもたちの地域への関心や、地域社会の一員としての意識や自覚が高まっています。
 学校週五日制では、子どもの生活に「ゆとり」ができますが、これまでの土曜休業日でも、多くの児童が休みを活用し、学校で学習したことを家庭生活にいかすとか、ボランティア活動や調査活動などをしているようです。
 学習に限らず、遊びや体験活動など、自由に使える自分の時間を自分の意志で有効に使えるようになってほしいと思います。


Copyright (C) 2000秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp