2003年4月25日号

お年寄りにも環境にも優しい

今日もバスに乗ろうよ!


 市民の公共交通として、私たちのまちを走るバス。利用者の減少が続く一方、毎日の生活にバスを必要としているかたもたくさんいます。
 どうしたら公共交通としてのバスをうまく利用していけるか、改めて考えていかなければなりません。

バスを必要としているかたがたくさんいます

 秋田市で乗合交通としての自動車営業が始まったのは明治四十五年のこと。以来、バスは市民の移動手段として重要な役割を果たしてきました。
 しかし昭和四十年代以降、自家用車が急速に普及し、現在では自家用車が交通手段の中心となりました。バス利用者は減少を続け、ここ十年間で半減しています。平成十三年の輸送人員は延べ千二百七十万人で、このところ毎年七 程度の減少が続いています。
 このまま利用者の減少が続けば、バス路線を維持していくことがとても難しくなります。
 しかし、買い物や通院などにバスを利用しているお年寄りや、通勤、通学にバスを利用しているかたなどにとって、バスは日常生活になくてはならない交通手段です。市民の大切な足としてのバスを維持していくことは、とても重要なことといえます。


大切な交通手段だからその良さを見直そう

 「決まった時刻に来ない」「路線がわかりにくい」「バス停まで歩くのが面倒」「渋滞に巻き込まれる」…など、自家用車の普及以外にもバス離れの理由はいろいろあるようです。利用しづらい部分は、もっと利用しやすいように改良していかなければなりません。
 市ではこのほど、バス事業者、市民、行政が一緒に取り組むべき指針を示した「秋田市の公共交通(バス)に関する基本方針」を策定しました。今後、利用しやすいバス路線への再編やプリペイドカードによる料金支払い、バス路線を維持していくことが難しい地域への乗合タクシーの導入などを検討していきます。
 高齢者のための交通手段として、また排気ガスによる環境汚染や交通渋滞を緩和する交通機関として、バスの重要性がいま再認識されています。
 自家用車の便利さにすっかり慣れてしまった生活ですが、大勢の人を運んでくれる〃市民の足〃であるバスの良さも、もういちど見直してみませんか。


バス交通のメリット

●バスのおもな利用者である高齢者の増加、地球規模での環境問題に対応する交通機関としてバスの重要性が再認識されています
●中心部の交通渋滞緩和のため公共交通(バス)への転換が求められています


秋田市の公共交通(バス)に関する基本方針

 市ではバス交通を取り巻く環境が大きく変化している状況をふまえ、バス事業者、市民、行政が一緒に取り組むべき指針を示した「秋田市の公共交通(バス)に関する基本方針」を策定しました。


基本方針3つの考え方


市民生活を支える交通機関としてのシビルミニマム(注)の確保

市民生活を支える交通機関として、地域ごとの特性をふまえ、バスが提供できる最低限のサービスを維持していきます。
(注)自治体が住民生活のために保障しなければならない最低限度の生活環境基準


より快適で使いやすい公共交通の実現

 市民のみなさんがより快適で使いやすいバス交通をめざし、ニーズを的確に把握し、バス路線だけでなく鉄道や自動車などとの連携をはかり、総合的な公共交通システムを考え、推進していきます。


公共交通の整備を効果的に進めるための連携強化

 民間事業者と行政はバス路線の効果的な整備を行い、市民のみなさんは公共交通の重要性を認識し、積極的な利用を心がけていくことをめざしていきます。


こんなバス、あんなバス

ラッピングバス
車体に、釣りキチ三平を大胆にデザインした「三平バス」やお店の広告が描かれているバス。宣伝効果バッチリ!
 
低床バス
車いすや足に障害があるかた、お年寄りなどが楽に乗れるように、バスの床を低くしてあります。

市交通局の路線を中央交通(株)に移管中!

 現在、市内のバスは秋田中央交通(株)と秋田市交通局の2社が中心となって運行されています。平成12年度から、市交通局の路線を秋田中央交通へ移管する作業が進められ、すでに8割が移管されました。移管が完了すれば、市内バス路線は完全に民営化され、民間事業のノウハウを活かした効率的な運行などが期待されます。
●バスに関するご意見お問い合わせ
都市総務課交通政策室TEL(866)2085


これからのバスに期待

「バスを魅力あるものに」
「秋田市の公共交通(バス)に関する基本方針」検討委員を務めた
武藤正彦さん(NPO法人 秋田バリアフリーネットワーク理事)

 バスに乗りやすい環境を整え、魅力的にするため、目的地ごとに番号を付け、行き先をわかりやすくしたり、路線ごとにバスやバス停などのデザインを統一して、子どもや高齢者、障害のあるかたなど、だれでもわかりやすく乗れるようにする工夫が必要です。普段バスを敬遠しているみなさんも、久しぶりにバスに乗ってみてください。利用しないと気づかないことも多いはず。まずは、自分たちの足として、バスを認識しましょう。

「柔軟な対応に期待します」

中央交通(株)の社外モニター
伊藤節三さん(広面字糠塚)

 モニターとして、利用者の声をじかに聞くようにしています。近くに大学病院がありますが、病院までのバス経路が3つあって、利用者にとっては、どのバスで帰ればいいのか路線がわかりづらいようです。利用する人の年齢層と地域にある施設、特徴などを考え、路線とダイヤの組み合わせや停留所の位置を変えるなど柔軟に対応すれば、より利用しやすいバスになると思います。



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