2003年11月28日号

河辺・雄和の人〜Person〜


秋田市と合併の協議が進む河辺町、雄和町。
両町のステキな人たちをちょっとご紹介します

シンビジウムを河辺から全国へ

小西園芸
小西明弘さん(河辺町)
 華やかで、花の寿命が長いため、贈り物などに人気のあるシンビジウム。この花を県内で初めて栽培したのが、河辺町の小西さんのお宅です。栽培を始めたのは明弘さんのお父さんで、以来二十年以上シンビジウムを栽培してきました。
 比較的寒さには強い花ですが、品種によって適切な温度が違ったりするため「長くやっていても、なかなか極めるのは難しい」と明弘さんは言います。
 現在は、二十一棟のビニールハウスで約三万株を育て、切り花を北海道や北陸、関東にまで出荷しています。そのほか、個人で注文をくれるお客さんへの発送もあり、これからの出荷シーズンは大忙し。花の出荷は、十二月中旬から五月まで続きます。
 「出荷のピークの時期は、ほとんど休みなしですね。秋田市内から直接買いにくるお客さんもいますよ。年末まで家族総出でがんばらないと」と話してくれました。
 小西さんのハウスは、まもなく黄色や白、ピンクなどで華やかに彩られ、今シーズンも四万本以上の花が河辺から全国に旅立っていきます。

わたしたちの劇で町のみんなを元気に

河辺わさび座(河辺町)
 河辺町健康生活推進協議会(三浦房子会長)の健康生活推進員十四人で構成する「河辺わさび座」は、今年で結成三年。各地区の健康まつりなどで、身近な問題を題材にした寸劇が好評です。
 寸劇のテーマは、第一弾が「ぼけ」、第二弾が「青少年の問題行動」、第三弾となる今回は「健康って素晴らしい」と題して生活習慣病をとりあげました。酒、たばこ、塩分の摂りすぎが病気を引き起こすことをわかりやすく、面白く演じました。
 わさび座のウリは、リアル感。自分の家族や近所のおじさん、おばさんたちが実際に口にしそうなセリフ。それが、見ている人たちをうなずかせ、笑いと涙を誘います。
 「関心がない人たちにも健康について知ってもらうには、どうしたらいいかと考えたときに、思いついたのが寸劇でした。はじめは不安いっぱいでしたが、『楽しみにしてるよ』という地区の人たちの声が自信になります。ずっと続けていきたいですね」。第四弾、第五弾を町のみなさんが待っています。

素材に自信あり!のレストランです

ゆう菜家
浅野育子さん(雄和町)
 雄和町にある「ゆう菜家」は、地元の新鮮な食材を使った料理を味わえる農家レストランです。オーナーの浅野さんが、葉たばこの乾燥に使っていた作業小屋を改築して作りました。
 農家レストランを始めるきっかけとなったのは、「モロヘイヤめん」。これは、浅野さんがそば作りを教えてもらったときに、自然薯の代わりに同じようにネバネバするモロヘイヤを入れてみたらどうだろうと思いつき、二年ほどかけて作り出したものです。イベントなどでそれを提供するうちに、お客さんの声をじかに聞けるのがとても楽しくなり、グリーンツーリズム(※)の話を聞いたこともきっかけとなって、四年前に「ゆう菜家」をオープンしました。
 お客さんの八割くらいが秋田市から来ているといいます。「わたしたちが当たり前だと思って食べているものも、街の人は『おいしい』って言ってくれるんですよ。素材がおいしいからでしょうね」と浅野さん。
 「ゆう菜家」で使っている食材は自分の家で作っている野菜や山で採れた山菜、近所の直売所で調達した野菜など、地元のものにこだわっています。「だから『身体にいいよ!』って自信を持ってすすめられるんです」。ピカピカの素材と自信にあふれた浅野さんの笑顔が、料理のおいしさをアップさせているんですね。
※グリーンツーリズム…緑豊かな農山漁村で、自然、文化、人々との交流を楽しみながら過ごすこと

手作りの窯のそばで家族とともに暮らす

幸炎窯
高橋和起さん(雄和町)
 高橋さんは、平成元年に雄和町に自分の窯を造りました。当初は秋田市に住み、窯まで通っていましたが、五年ほど前に家族で雄和町の窯のある場所へ移り住みました。
 高橋さんの窯は「穴窯」と呼ばれるもので、自分で設計し、れんがを積んで造りあげました。陶芸で最も難しく、面白いのが「焼き」だと言います。薪を割って、山から窯へ運ぶのに二か月。窯に薪を詰め、作品を焼いて窯から出すまでに、さらに一か月ほどを要します。窯に火が入っている間はそばを離れることもできません。それでも、焼き上がりの成功率は50%?という難しさ。ほかの窯に比べて時間も費用もかかりますが、高橋さんはこの「穴窯」での焼きが気に入っています。
 高橋さんがこの窯を造ったのは、障害のある息子さんと一緒に仕事をしたいという思いからでした。今後について「ここまでは苦しかった。これからは自分の作品づくりに没頭したい」と話す高橋さん。「ここで家族仲良く幸せに暮らしていきたい」というのが、窯の名前にも込められた一番の願いです。


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