2004年1月23日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/
本間光信先生(市立秋田総合病院中央診療部長)

インフルエンザ〜重症になる前に〜

 今年もインフルエンザの流行期になりました。多少の地域差はありますが、日本では、例年12月下旬から3月上旬を中心に流行します。

薬か毒か? 飲酒量が分かれ道

 飲酒量と死亡率の関係について調査したものによると、お酒を飲む人は飲まない人に比べ、一定の飲酒量までは死亡率が低く、それを過ぎると逆に上昇することが報告されています。
 これは少量の場合、アルコールは血管を拡張させ、HDLコレステロール(※)を増加させるため、心筋梗塞や脳梗塞による死亡率を低下させるからです。一方、多量の飲酒はアルコール中毒や肝硬変、臓器のがんによる死亡率を増加させます。お酒は量によって薬にも毒にも変化するのです。

ウイルスは性格の異なる3タイプ

 インフルエンザウイルスは、症状が最も重く、流行の規模も大きいA型、症状が軽く、目立った流行が認められないC型、両者の中間的性格を示すB型の3つに大きく分類されます。タイプが違うとまったく別物ですので、同一シーズン中に複数のタイプのインフルエンザが流行する場合には、A型のインフルエンザにかかった後に、さらにB型にかかってしまうといったケースもあります。

予防にはワクチンの接種が一番!

インフルエンザはふつうの風邪にくらべて全身 
症状が強く、高齢者や基礎疾患のあるかたは肺炎、
乳幼児は脳症などを併発して重症化することがあるので注意が必要です。
 予防にあたって最も有効なのは、流行前にワクチンの接種を受けることです。インフルエンザウイルスの性格は、わずかながら常に変化しているため、ワクチンの効果は絶対的なものではありませんが、接種後に発症した場合は軽症ですみます。

かかったかなと思ったら、すぐに受診を

 最近では、鼻の奥から採取した鼻汁などを使って測定する迅速診断法により、インフルエンザかどうかを短時間で正確に診断できるようになりました。また、治療薬もインフルエンザウイルスそのものの増殖を抑える薬を使用することで、発症後48時間以内なら優れた効果が得られるようになっています。
 受験シーズンまっ只中のいま、「インフルエンザにかかったかな」と思ったら、できるだけ早く医療機関を受診することをおすすめします。


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