2004年3月12日号

市長ほっとコラム

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春、人生いろいろ

市長●佐竹敬久

 市立秋田商業高校が守備面を評価され、「希望枠」として第七十六回選抜高校野球大会に二十四年ぶり四度目の出場を果たし、市民の期待が膨らんできていることと思います。
 また、厳しい経済環境も和らぐ様相を見せ始め、例年に比べ早い春の訪れとも重なり、まちには幾分か明るい兆しが漂う感じもします。
 さて、日本の春は卒業・退職とその裏返しの入学・就職、さらには大方の組織体での転勤・引っ越しなど、多くの人々にとって忘れがたい人生の一コマになる季節です。  
 特にピカピカの小学一年生にとっては、広い意味でとらえれば社会への初デビューともなります。
 しかし、すべての人にとって春は喜ばしい季節とは言い切れません。
 希望する学校へ合格し満面の笑みで入学式に臨む人がいる一方で、せっかく卒業しても就職が決まらない人がいたり、昇格で喜ぶ人がいる反面、人事異動に不平たらたらの人がいたり、悲喜こもごもでしょう。
 人は常に自分が今おかれた立場を中心にして物事をとらえがちで、目先のことに一喜一憂しがちですが、長い人生から見れば、幸いと思ったことが後に災いに転じたり、自分の希望どおりに進まなかったことが後々になって良い方向に進んだりすることが往々にしてあります。 
 私の友人でも、かつて花形企業と持てはやされた会社に就職したものの、その後経営不振でリストラの憂き目にあったり、希望する会社に落ちて、しぶしぶ入った無名な会社が急成長を遂げ今では役員にまで昇りつめたなどの消息を、しばしば耳にすることがあります。
 スポーツ界でも、大型新人と期待された選手が芽が出ず、かえって下積みの無名だった選手がスター選手になったりすることも現実です。 
 長い人生のほんの一コマだけで一生が決まるような社会は存在しませんし、もしそのような社会があるとしたらそれは異常な社会です。
 ましてや、社会の変化が著しく、特に価値観が多様化を通り越して個別化してきている昨今では、それぞれの人々の「今」の延長線上に「将来」も存在するということは希でしかないような気がします。
 少し古いのですが、島倉千代子の歌のように、まさに「人生いろいろ」なのではないでしょうか。
 はしゃがず、おごらず、のぼせず、あせらず、ひがまず…
 実際にこの心境になるのは難しいのですが、まずは努力しましょう。
 ガンバレ秋商! もうすぐ春爛漫

忘れがたい人生のひとコマ(秋田商業高校卒業式で)


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