2004年5月14日号

市長ほっとコラム

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激変する巨大「中国」

市長●佐竹敬久

 四月末に、五日間でしたが中国の北京市と西安市を訪問しました。
 今回の中国訪問は日本と中国の自治体交流が開始されてから三十周年ということで、中国の中日友好協会から全国市長会会長の山出金沢市長と私を含め四人の副会長が招待されたものです。ちょうど、この二月に本県の産業経済事情等の視察で本市を訪れた中日友好協会の宋健会長と会見したばかりでしたので、タイミングのよい訪問となりました。
 北京市内での重症急性呼吸器症候群(SARS)患者の発生により、空港で体温チェックを経験しましたが、とにかく米国人観光客が多いのには驚きました。中国人通訳が言うには、「中国は出入国管理や治安対策が徹底しており、米国人もテロの心配をしなくてもよい最も安全な国だから」と言って自慢していました。
 さて、公式日程として環境問題と経済交流をテーマに日中市長フォーラムが開催され、私からは本市のゴミ処理や環境保全施策等について発表させて頂きましたが、本市の友好都市、蘭州市の張志銀市長も出席しており二年ぶりの再会を果たしました。また、日本大使館では阿南大使から中国情勢のレクチャーを受けたほか、中国の国会議事堂ともいうべきあの巨大な人民大会堂で中国ナンバー2の王兆国全人代副委員長と会談する有意義な機会も得られました。
 西安では、市幹部との会談や中国最大規模のハイテク産業開発区の視察に加え、世界遺産の巨大な兵馬俑保存施設の視察もさせて頂きました。
 いずれにせよ、改革解放路線をとり始め、海外との経済交流が本格化してからの中国の経済成長は極めて急ピッチで、本県からも最近中国向け輸出が増していますが、中国の調達量の急増から世界的に石炭や鉄鋼価格が上昇し、さらには貨物船舶が不足するなど世界市況をも左右する巨大な経済規模になりつつあります。
 また、二○○八年の北京オリンピックも加わり、どこを見ても高層ビルや高速道路などの建設中で、いささか過熱気味とも見える状況でした。
 しかしながら、中国要人も素直に口にしておりましたが、経済最優先からくる極端な貧富の差の拡大、バブル経済化の兆候、環境悪化、都市の膨張の裏返しの農村部の衰退など大きな課題を抱えており、巨大中国の前途もまた多難な状況にあります。 いずれにせよ、世界の安定には中国の安定は欠かせない条件であり、日本の安定も中国情勢と密接な関連を持っていることを再確認できた今回の中国訪問でした。

西安市ハイテク産業開発区の
ソフトウエアセンター


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