2004年9月10日号

市長ほっとコラム

秋田市ホームページで市長の動向や記者会見の内容などをお伝えしています。

ちょっと言いにくいことですが  …大酒飲み再考

市長●佐竹敬久

 秋田では、友人や客を夜の飲食に誘う場合に「ちょっと飲みに行こう!」というような表現をするのが一般的ではないでしょうか。しかし、他県では「飯を食いに行こう!」というような表現が多いように感じられます。
 これは、酒と食のどちらに重きを置くかということにほかならず、秋田の場合には酒をたくさん飲んで酔うことが主で、食の方は酒の肴という形態を表しています。
 それが、他県ではまずは食が主で酒は食を進めるための潤滑剤としてとらえていることを意味します。
 良質な米と清浄な水に恵まれた本県は清酒が代表的な地場産業で、「米の秋田は酒の国」、「美酒王国」、はたまた「酒豪度日本一」というようにさまざまな冠が授けられております。
 しかし、古来から「百薬の長」と言われるように、適度な飲酒はプラスに働きますが、度を超した飲酒は弊害を生じさせます。
 本県はガン、脳血管疾患、心疾患による死因が上位を占める短命県で、これには少なからず過度な飲酒によるところもあるとされております。
 また、アルコール依存症やそれに起因した暴力や家庭崩壊、飲酒運転の多発、加えて、定かではないものの自殺率の高さとも関連づけられたり、あげくの果てに「秋田県人は睡眠時間が長く、実は働かない」などと、酒好きに起因する面も少なからずあるのではないかと思われる不名誉な県民性まで指摘されます。 
 酒造県の県内では、酒に関する批判的なことは口に出しにくく、かつて県民の健康づくりのため行政が主体となって減塩運動を進めたことはあるものの、減酒運動というのは聞いたことがありません。
 しかし、秋田の生産量を大幅に上回る酒造県の酒豪度は格別に高くはなく、もっぱら他地域に売ることに主眼をおいているようです。
 実は、経済面では、人口減により縮小する県内市場よりも他地域への販売に力を入れたほうが効果的ですし、飲食業にしても酒一本槍ではなく、料理をたくさん食べてもらったほうが、売り上げや農水産物関連など地域産業に与える経済波及が高いと言えます。
 旨い酒を自分たちだけで飲むのは幸せなことには違いありませんが、健康と経済の両方の観点からは、むしろ適正な地産地消のうえにたった地産他消を進めたほうが効果的なことだと思われます。
 ところで、酒好きでついつい飲み過ぎ傾向となる私自身、まずは「隗より始めよ」ではあります。

適度な飲酒は「百薬の長」ですが…


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