2004年9月10日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/松尾重樹先生(市立秋田総合病院外科診療部長・泌尿器科長)


前立腺がんと検診

 男性は中年といわれる年代にさしかかると、仲間うちの話の中で、必ずと言っていいほど「小便の出具合」の話題が登場してきます。尿の勢いがない、尿が細い、夜中に何回も起きるようになった等々。それでも仲間も同じようなものだし、年だからしょうがないと、ほとんどの人は多少の疑問を感じつつも現状から逃避しているようです。
 しかし、昨年の天皇陛下の入院手術を機会に、前立腺がんが大きくクローズアップされてきました。

日本でも前立腺がんの患者が年々増加

 前立腺がんはもともと欧米での罹患率が高いのですが、これは遺伝的要因だけでなく環境因子としての食生活が影響しているとも言われています。大腸がんと同様に、食文化の西洋化が進むにつれて日本での罹患率も年々増加しています。
 世界一の長寿国であり、高齢者人口比率がますます高くなりつつある日本において、前立腺がんは近年の増加傾向と潜在的な患者数から推計すると、2015年には肺がんを抜き、がんの中で最も死亡率が高くなると予想されています。

50歳を迎えたら検診を受けましょう

 前立腺がんを発見するには難しい検査は不要です。一般に1次検診では特殊な血液検査として腫瘍マーカーと呼ばれている前立腺特異抗原(PSA)の測定が行われます。
 このPSAの値が4.0ng/ml未満であれば正常、4.0から10.0までがグレイゾーンと呼ばれ、その約20%にがんが存在すると言われています。
 秋田市でも今秋から前立腺がん検診が導入されることになりました。早期に見つかれば95%以上の治癒率が得られると言われているだけに、早期発見、早期治療の観点からも、50歳以上の人には、ぜひ前立腺がん検診を受けられることをお勧めします。


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