2004年10月8日号

郷土で協働(4)


地蔵田遺跡
弥生人になって竪穴住居を復元中!

 御所野総合公園内にある地蔵田遺跡「弥生っこ村」。日本で初めて発見された、木柵で囲まれた弥生時代の集落跡として、平成八年に国の史跡に指定されています。


市民参加は初の試み

 この貴重な遺跡を当時の姿によみがえらせようと、二年前から市民参加で木柵と竪穴住居の復元作業が進められています。市民参加による国指定史跡の復元は全国で初めての試み。いまから二千二百年前の竪穴住居を復元しているのがボランティア「弥生っこ会」のみなさんです。
 すでに完成した二棟の竪穴住居は、専門の業者が復元しましたが、最後の一棟は市民の手で復元しようと、今年の春、市教育委員会の呼びかけで、四十九人の“弥生人”が集まり会を結成。秋田建築専門学校の生徒が作成した設計図をもとに、七月から直径八?、高さ六?、中の広さ約三十畳の竪穴住居の骨組みに取りかかりました。

毎日が苦労の連続

 猛暑が続く中、大工さんの指導を受けながら、会員が一から作業にあたりました。会長の鈴木銀一さんは、「さまざまな形をした丸太を、縄で縛りながら組んでいくのは思った以上に大変でした」と振り返ります。
 みなさん初めての体験に苦労の連続だったようですが、ヤル気とチームワークの良さで乗り切り、予定どおり二か月ほどで骨組みが完成。九月十八日には、その完成を祝い上棟の儀式を行いました。儀式では、会の代表が弥生式の麻製の貫頭衣に身を包み、清めの儀式を行い、集まったみなさんにもちをまいて振る舞いました。


あなたも“弥生人”に

 鈴木会長は「竪穴住居ができたら、次は土壙墓や土器棺墓といったお墓を整備したい。ゆくゆくは出土した物を展示する資料館も造りたい!」と意欲満々。また、「遺跡を復元するだけでなく、たくさんの人に遺跡への理解を深めてもらおうというのもこの会の目的の一つ。市民のみなさんに『弥生っこ村』に足を運んでもらい、楽しい体験をしてもらいたいですね」と話します。
 今後は十月から屋根の茅葺き作業に取りかかり、十一月末の完成をめざしますが、その間にも、市民のみなさんに“弥生人”の生活を体験してもらおうと、さまざまなイベントを企画中です。詳しくは広報あきたでお知らせします。

 市民の手によって愛情をもって復元される地蔵田遺跡。これからもみんなで大切にして、未来へ平成の竪穴住居を引き継いでいきたいですね。



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