2004年12月10日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/三河茂喜先生(市立秋田総合病院・神経外科科長・


大腸一刻も早い受診を…脳卒中


不名誉な県民病

 脳卒中は脳血管の異常が原因です。意識の障害、ろれつが回らない、言葉が理解できない、手足の麻痺や感覚の異常、頭痛、吐き気などが突然起こる病気で、脳の血管がつまってしまう「脳梗塞」、脳の中の血管が破れる「脳出血」、脳の表面を走る動脈にできた瘤が破裂する「くも膜下出血」があります。症状が残ることが多いため「寝たきり」になる最大の原因です。残念ながら秋田県は今でも脳卒中死亡率日本一。なんとかして不名誉な県民病である脳卒中を克服したいものです。

脳卒中を防ぐためには?

 大切なことは、動脈硬化の危険因子を避けることです。喫煙、大量飲酒、肥満、運動不足、偏った食事を避けるようにしましょう。すでに高血圧、糖尿病、高脂血症、低コレステロール血症、心房細動などの脳卒中の危険因子を持っている人は、それらを上手にコントロールすることが大切です。

キーワードは「3時間」

 脳卒中の治療は時間との戦いです。
 脳梗塞では、血管に詰まった血の固まりを溶かしたり、梗塞になってしまった脳組織から発生する有害物質を除いて脳を保護したりなど、新しい治療法が開発され成果を上げています。しかし、脳梗塞になってから長時間たつと回復不可能なダメージを受けてしまうため、新しい治療法も効果がありません。逆に発症後3時間以内に治療を開始できれば劇的に症状が改善することがあります。
 脳出血では、発症してから3時間は出血が続いてしまうことが多く、放置すると、どんどん脳組織が破壊されます。
 くも膜下出血では、動脈瘤が破裂してから3時間以内に再破裂が起こりやすいのですが、再破裂により命とりとなったり、重大な障害を残すことが知られています。
 当院にいらした脳梗塞の患者さんで、発症3時間以内に来院されたのはわずか32%で、貴重な治療のタイミングを逃しているかたが7割近くいました。
 脳卒中を疑う症状があったら、何をおいても専門の病院に向かいましょう。

高齢者のみなさん
インフルエンザ予防接種を受けましょう!


接種期間は1月31日まで

 インフルエンザ予防接種は、高齢者の発病防止や病気の重症化防止にとても有効です。ワクチンが十分な効果を維持する期間は、接種後約2週間後から5か月ですので、流行前に接種することをおすすめします。
 県内の登録医療機関であればどこでも接種できますが、市外の医療機関で接種する場合、秋田市と契約していない医師がいるときなど、状況によって接種料金が異なりますので、事前に各医療機関または健康管理課へご確認ください。
 なお、予約が必要な病院もありますので、あらかじめ各病院へお問い合わせください。

注射したあとは…

→予防接種後30分は医療機関で様子をみる
→予防接種後24時間は副反応の出現に注意し、観察する
→予防接種当日の入浴は差し支えないが、過激な運動や大量の飲酒は避ける

対象者

→65歳以上のかた
→60歳以上65歳未満のかたで心臓や腎臓、呼吸器の機能障害または、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害(身体障害者手帳1級程度)が認められるかた

接種料金

秋田市に住民票のあるかたで市内で接種する場合は1,000円。市外での接種は医療機関へ直接問い合わせてください。
生活保護受給者は無料です。

持ち物

健康保険証、生活保護受給者証明書、上記の疾患を証明するもの(身体障害者手帳)

問い合わせ

健康管理課予防接種担当tel(883)1179
ホームページ
http://www.city.akita.akita.jp/city/hl/hm/inful-kourei.htm


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