2005年2月1日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/中川正康先生(市立秋田総合病院・循環器内科科長)


狭心症・心筋梗塞にならないために


動脈硬化を起こす要因

狭心症と心筋梗塞は、どちらも心臓の筋肉に血液を送る血管(冠動脈)が細くなったり詰まってしまうために生じる病気で、虚血性心疾患と呼ばれます。
 これらの病気は動脈硬化が原因と考えられていますが、それを起こしやすい要因(冠危険因子といいます)として、糖尿病、高脂血症、高血圧、喫煙、肥満、家族歴(血縁者に虚血性心疾患がある場合)などがあげられます。糖尿病や高脂血症、高血圧のあるかたは、放置しておけば何倍もの確率で虚血性心疾患になりやすいですから、医療機関を受診してきちんとコントロールすることが大切です。

生活習慣の改善を

 先に述べたような病気がなければ安心かと言うとそうではなく、冠危険因子を生み出しやすい生活習慣を改善することも大切になります。
 その第一は喫煙です。喫煙が冠動脈に及ぼす悪影響はある意味では他の因子を大きく上回る一方、100%本人の心がけ次第で排除できる因子です。「減らしてはいるけれど…」と言われるかたが多いのですが、適量なら推奨されるアルコールとは異なり、たばこはちょっとでもダメです。また、周囲の人間をも危険にさらしているという点も考えるべきです。
 運動不足や過剰なカロリー摂取、そしてその結果としての肥満も大きな危険因子となります。肥満はそれ自体が糖尿病や高脂血症、高血圧の原因にもなります。外見的な問題としか考えていないかたが多いのですが、肥満はりっぱな病的状態です。さらには精神的なストレス、過労、睡眠不足なども見えない危険因子です。

思い当たることがあるかたは

 自分の生活習慣に不安を感じ、「心筋梗塞になったらどうしよう」とただ心配していても何の解決策にもなりません。反対に、糖尿病、高脂血症、高血圧で治療中のかたの中にも、「薬を飲んでいるから大丈夫」などと勘違いをして、喫煙を続けたり肥満を全く改善しようとしないかたがいます。
 「節制もせずに健康で」なんて虫のいい話はありません。思い当たることがあるかたは、できるだけ早く生活習慣の改善に取り組み、それを持続するようにしましょう。


Copyright (C) 2005秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp