2005年2月1日号

市長ほっとコラム

秋田市ホームページで市長の動向や記者会見の内容などをお伝えしています。

冬をたくましく

市長●佐竹敬久

 今年も暖冬と思いきや、お正月は白一色の雪景色となり、久々に秋田らしい冬となりました。     
 一月十日の成人式も、ここ数年では最も寒い日となりましたが、寒さにもめげず、本市でめでたく新成人となった三千五百十人の七九パーセントにあたる二千七百五十八人もの参加の中で、騒ぎもなく整然と執り行うことができました。あらためて、秋田の若者は健全に育っていて、頼もしいとの感を強くしました。
 翌十一日は、いよいよ河辺町・雄和町との記念すべき合併の日です。午前中には吹雪まじりの寒い中で、旧役場が衣替えした河辺市民センター、雄和市民センターの開所式などを行い、午後には、いよいよ拠点センター「アルヴェ」で、新たに秋田市民となった河辺・雄和地区の小中学生たちの参加もいただき、簡素な中にも晴れやかに新生秋田市のスタートを切ることができました。     
さて、私の子ども時分の冬を思い起こしてみますと、薪ストーブやコタツのある居間が唯一の少しばかり暖かい場所で、あちこちの隙間からは風雪が吹き込み、朝には洗面所のタオルが凍結していましたので、冷え込んだ日には室内でも零度以下となり、息が白く見えるのが普通の家の姿ではなかったでしょうか。
 放課後や休日には、家の中でじっとしているとかえって寒いため、逆に外に出て、鼻水を垂らしながら、手をかじかませながら、雪合戦や雪だるまづくりなどで、頭から湯気が出るほど遊び回ったものです。
 スキーもリフトが出現するまでは、近場の山が自然のスキー場となり、フウフウ息を切らしながら歩いて登り、滑り降りるのは一瞬でした。
 しかし、今思えば楽しい思い出ですし、自然に雪国で暮らすための体力と適応力が身についた気がします。寒いからこそ、温かい納豆汁や焼餅が、このうえもなく美味しいものに感じられました。
 吹雪の中、学校に近道しようとして、田んぼの雪原を進むうちに雪をかぶった用水路に落ち込み、全身水浸し、着衣をガチガチに凍らせながら学校にたどり着き、用務員室で裸になり体を温め、衣服を乾かしたことも幾度となくありました。今にしてみれば、よく死ななかったものだとも思いますし、家に帰って話しても、「バカ、おまえの注意が足りないからだ」の一言で片づけられました。
 快適なこと、暖かいこと、安全なこと、すべて良いことです。しかし、人間の生命力という視点からは、文明の進化とともに失うものもあることは否定できないように思えます。

鼻水を垂らしながら、千秋公園の
お堀でスケート(昭和30年代)



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