2005年3月1日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/円山啓司先生(市立秋田総合病院救急治療室室長)


AEDで蘇れ、鼓動


一般市民の手で心臓に電気ショックが可能

 「AED」という言葉をご存知ですか? これは自動体外式除細動器のことです。しかし、これでは何のことかわからないですね。
 突然心臓が止まったとき、心臓はまだ細かいけいれんを起こしていることが多いのです。その時に電気ショック(除細動)を与えると、心臓が再び動き出す可能性が高いのです。しかし、この心臓のけいれんは長くは続きませんので、電気ショックを与えるチャンスは心停止から数分間しかありません。一般に、心停止から電気ショックを開始するまでの時間が1分遅くなるごとに7〜10%命の可能性は低下します。つまり、救急隊の到着を待っていては遅すぎるのです。
 そこで、そばにいる人が安全に、簡単に、より早く電気ショックを行える機械(AED)が開発されました。すでに世界各国で使用され、救命効果、安全性が確かめられています。日本でも昨年7月に一般市民が使用できるようになりました。
 電源を入れると、AEDが次に何を行うか音声で指示し、その指示どおりに行っていけば、電気ショックを与えることができるようになっています。もちろん、電気ショックが必要かどうかの判断もAEDが行います。内部に心電図などの記録を保存していますので、あとでそのとき何が起こっていたか確認することもできます。

アルヴェと秋田空港に設置されています

 秋田市では年間200人以上のかたが突然の心停止で病院に救急搬送されています。現在、AEDはアルヴェ、秋田空港に各1台設置されているだけですが、今後消火器のようにいたるところに置かれ、いつでもだれでも近くにあるAEDを使って電気ショックや心肺蘇生法が実施できるのであれば、市民にとってこれほど心強いことはありません。
 ラグビーの盛んな秋田!「ワンフォーオール、オールフォーワン」の精神を忘れることなく、かけがえのない命をみんなで守り、だれでも安心して生活できる社会にしていきましょう。

AED=Automated External Defibrillator


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