2005年4月1日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/伊藤伸朗先生(市立秋田総合病院呼吸器内科医師)


睡眠中のいびき、無呼吸に潜む危険


寝ているときの呼吸、気になりませんか?

 まだまだ寒い夜が続いていますが、いかがお過ごしですか。布団の中は暖かく、夢心地といきたいところですが、隣りで寝ているご主人のいびきに悩まされている奥さまはいらっしゃいませんか?
 「あれ、呼吸が止まってる!」…1、2、3秒〜30秒
 「グァ〜」…あっ、呼吸が戻った。
 「あなた、起きてる!
  今、息が止まっていたわよ。 
  苦しくないの?」
 「ん? 全然」
 翌朝、ご主人は何事も無かったように起きてきましたが、「のどがカラカラだよ。なんか頭も重いし、寝足りないなぁ」ー。
 ご主人の仕事はタクシー運転手。彼は、表彰を受けるほどの優良ドライバーでしたが、帰宅後、晩酌のとき、「今日事故を起こしちゃったよ。なんか運転中眠くて、眠くて…」と意気消沈しています。

良質な睡眠のために早めの治療を

 みなさんは、「睡眠時無呼吸症候群」という病名を聞いたことがありますか? この病気は、「睡眠中のいびき」「睡眠中の無呼吸」「日中の眠気」といった症状があらわれます。
 寝ている最中は、一般的に呼吸が弱くなりますが、さらに肥満などを原因として気道(空気の通り道)が狭くなったり、完全に閉じてしまうことでいびきをかいたり、呼吸が止まってしまうことがあります。これにより、体は酸欠状態となり、全身に大きな負担がかかります。
 また、良質な睡眠がとれないため、起床時に熟睡感がない、頭が重い、日中でも眠いといった状態になります。日中の眠気は交通事故を引き起こす原因にもなります。
 最近の研究で、睡眠時無呼吸症候群により、心臓疾患、脳血管疾患、糖尿病なども高い率で発生することが報告されています。しかし、治療が可能な病気ですので、このような症状があるかたは、早めに専門医に相談してください。


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