2005年5月1日号

市長ほっとコラム

秋田市ホームページで市長の動向や記者会見の内容などをお伝えしています。

秋田弁は民俗観光資源

市長●佐竹敬久

 ある時、竿燈まつりの評判をインターネットでのぞいていたら、「市長が秋田弁なまりの英語でスピーチをする迫力ある祭り」というような観光客の書き込みがありました。
 「レディス、アンド、ジェントルマン…」と、毎年本部前のやぐらの上から英語でも歓迎のあいさつをしています。私としては、なまりのある人でも歌はなまらないものだと言われますので、てっきり英語もなまらないものと独り合点し、しかも市長の英語は良かったなどと、おだてられることもありますので、そこそこ流暢な英語かなと思っていました。ところが、やっぱりでした。 
 思い起こせば、昭和三十年前後の私の小学校時代には、共通語教育というものが重視されました。秋田弁、すなわち方言は「悪い言葉」として定義づけられ、学校内で口にすれば赤いリボンを胸の所に虫ピンで刺され、リボンが十ケになれば反省文を二百字などという、今思えば滑稽なことがあったように記憶しています。
 しかし、関西人や九州人は、今でも、相手が分かろうが分かるまいが、独特の関西弁や九州弁を、臆することなく堂々と口にします。はたして関西や九州では、その時期に我が地と同様に共通語教育が行われたのか、今にして思えば興味深いことです。
 さて私の場合には、秋田弁なまりは直しようがないものの、話の内容が相手に理解されなければどうしようもないので、外では一応共通語的言語(?)を使うようにしています。しかし妻が同郷なこともあり、家では子どもも理解不能なような仙北弁がかった秋田弁丸出しの生活です。
 そんなことで、公の席で秋田弁を思いっきり使ってみたい思いに駆られていたところ、絶好のチャンスが訪れました。先般、大阪出身の北側一雄国土交通大臣をお迎えして開催された観光シンポジウムのレセプションの席上で、あいさつを兼ねた乾杯の音頭の役をいただいたのです。  
 やりました、百パーセント秋田弁で、なまり丸出しの秋田弁で…。 
 最初、会場はキョトン、そのうちに大爆笑、大臣にお聞きしたところ、七割方分からなかったが、秋田に来た実感がわいたという評価でした。 
 秋田を元気にするためには、内にこもらず秋田弁を立派な民俗観光資源くらいにとらえ、郷土に自信を持つことが必要なのではないでしょうか。
 私が全国会議などで熱を帯びてしまい、ついつい秋田弁まじりになってしまった場合には、議事録を作る事務局から内容の確認の問い合わせが間々あるにはありますが…。      




Copyright (C) 2005秋田県秋田市(Akita City , Akita , Japan)
All Rights Reserved.
webmaster@city.akita.akita.jp