2005年11月1日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/中山 豊先生(市立秋田総合病院 血液・腎臓内科 科長)


貧血を指摘されたら


貧血とは?

 貧血とは、血液中のヘモグロビンが低下していることをいいます。ヘモグロビンが低下した分だけ血液が酸素を運べなくなるので、心臓が余分に血液を送り出すことになり、心臓の負担が増加します。
 特に坂道や階段を上がるときは自分の体重分を持ち上げているので、心臓の負担はたいへんなものになります。心臓の負担となっている自分の体重は感じられないので、イメージとしては自分と同じ体重の人を背負って階段を上がるのと同じ負担だと思ってください。したがって貧血がある人は、坂や階段を上がるときは心臓の負担に注意してゆっくり上がり、動悸・息切れがあれば途中で休んでください。

鉄欠乏性貧血の注意点

 貧血の原因はさまざまなものがありますが、最も多いのは鉄欠乏性貧血です。鉄欠乏性貧血で治療を受ける場合、注意してほしい点が2つあります。
 1つ目の注意点は、鉄欠乏性貧血は鉄剤を飲むと2か月程度で治りますが、この時点で飲むのを止めるとすぐに貧血が再発してしまうので、さらに6か月間鉄剤を飲み続ける必要があることです。正常な人は体内に鉄分を貯めてあり、一時的に鉄分が摂取されなくても貧血になりません。鉄欠乏性貧血のかたが鉄分の貯蔵まで正常に回復するには、貧血が回復してからさらに6か月程度、鉄剤を飲み続ける必要があります。
 2つ目の注意点は、40歳以上のかたが鉄欠乏性貧血になった場合は、胃と大腸の検査を受ける必要があることです。胃がんや大腸がんから毎日少量ずつ出血して鉄欠乏性貧血になる場合があります。がんの可能性がある年齢で鉄欠乏性貧血がおきたら、がんの早期発見のため、胃の内視鏡検査と大腸がんの検診を受けましょう


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