2006年2月1日号

子どもの安全を守ろう!
〜不審者からの被害を防ぐ〜


 豪雪の話題とは変わり、これは子どもたちを不審者から守ろうという取り組みです。
 昨年一月から七月までの間に、全国で小学生が犯罪被害にあった件数は一万を超え、ひんぱんにニュースを聞くようになりました。もはやこれは遠い場所での出来事ではありません。

「対岸の火事」では なくなってきた

 いずれも市内で起きた事件です。
 昨年十二月八日午後四時三十分ころのこと。帰宅途中の男子小学生が、黒い車に乗った男から「お母さんが頭から血を流して入院した。いっしょに乗って行こう」と声をかけられました。男の子が「行きたくない」と自宅に逃げ帰ったところ、母親は入院などしていませんでした。
 また、十二月十三日の午後三時三十分ころ、女子小学生が白い車に乗った男から「お母さんが交通事故にあったよ。病院へ連れて行ってあげる」と声をかけられました。危険を感じた女の子が急いで近くのアパートの軒下に隠れると、車は走り去りました。家に帰ると、母親はちゃんと家にいました。
 昨年四月から十二月まで、このように市内で起こった子どもに対する事件は三十件を超えています。

子どもを守るさまざまな取り組み

 市では平成十六年からすべての小学校に、不審者の侵入を防ぐ警備員を配置しています。また、通学路の安全マップを作成して各家庭へ配付したり、学校危機管理マニュアルに従って訓練を行うなど、子どもを守るさまざまな取り組みを行っています。
 平成十七年からは、警察OBをスクールガードリーダーに任命し、一部の小学校へ試験的に配置。ガードリーダーは、校内外を巡回・警備するほか、防犯ボランティアの指導、町内会やPTAなど各団体間の連絡調整をしています。寺内小学校を担当する長谷川三紀夫さんは「昨今の痛ましい事件は秋田でもいつ起きるのかわからない、という危機感を持って活動しています」と、その使命に燃えています。
 また、市内各地域には町内会やPTA、学校、交番などが連携して設立した安全対策委員会があり、子どもの安全を守る活動を推進しています。お住まいの地域の活動を知りたい、または参加したいかたは、お近くの小学校か市教育委員会学事課tel(866)2243へお問い合わせください。

動き回る地域の目〜寺内小学校区〜

 「おはよう! 危ないから一列に歩けよ!」。路肩に積もった雪の上を歩いて登校する小学生たちに元気な声をかけるのは、「児桜新生町内地域安全プロジェクト」のメンバーのみなさんです。寺内小学校近くの児桜新生町内会が結成した、防犯のためのプロジェクトチームでメンバーは三十人。明るい黄色の帽子とジャンパーという目立つ格好をして、交替で毎朝、町内の通学路に立っています。
 この活動は、平成十二年に寺内小学校児童の祖父母有志十人が行った子どもたちの引率から始まりました。その時からのメンバーである工藤一郎さんは、「防犯活動で大切なことは、地域の監視の目を増やすこと。そして、とにかく動くこと」と話します。
 その言葉どおり、チームは登校時の安全指導のほか、散歩や買い物の時に防犯帽や腕章を着用する「散歩でパトロール隊」や、自家用車に防犯ステッカーを貼って走る「マイカーパトロール隊」を結成。不審者による声かけなどが多く発生している下校時間帯(下図参照)にも町を動き回り、地域に目を光らせています。
 このように大忙しのメンバーたちですが、工藤さんは「子どもたちの明るい顔を見ると一日が充実する。喜びはあるけど苦労はないよ」と笑います。
 「私たちの活動が、隣の町内、向こうの町内と広がり、今は『点』でしかない活動が、地域を覆う『面』になったらうれしいね」。安全で安心して暮らせるまちづくりのため、チームは今日も町に出ます。

今日からあなたも地域の目

 「防犯活動って、たいへんそう」と思うかもしれませんが、ちょっとした心がけで、無理せずにできます。あなたの目や声は、犯罪を未然に防ぐ力になります。

◆散歩や庭の手入れを子どもたち の下校時間帯にしてみましょう
◆保護者のかたは、子どもの見送りと出迎えのとき、3歩でも外に出てください。その際、子どもに一声かけたり、家の周囲に不審者がいないかチェックを!
◆見慣れない人にもあいさつを。犯罪者だった場合、顔を覚えられたと思って退散します
◆あやしいと思ったら、遠慮せずに110番通報をしましょう

不審者は下校と帰宅の時を狙います

 中学生以下の子どもに声をかけたり抱きついたりした不審者の情報は、秋田県警に平成十七年中に三十八件届けられました。
 発生時間は午後一時から日没後までの下校・帰宅時間帯、場所は道路に集中しています。その時間帯に外で一人で遊んでいる子どもには、特に注意が必要です。

●県内での子どもに対する声かけなどの不審者情報件数 (平成17年)


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