2006年2月1日号

健康万歩計

このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。


今月のドクター/水俣健一先生(市立秋田総合病院 精神科)


うつ病を治すために


待つうちに 消えるものあり 雨のち晴れ

 うつ病になったときに出てくる悩みの多くは、回復すると消えます。「どうしてあんなことで死のうと思ったんだろう。不思議だ」と患者さんは言われます。
 うつ病は脳の病気で、脳そのものが壊れてしまうのではなく、がんばり過ぎてバッテリーが上がってしまった状態と言えます。治療は、ゆっくり時間をかけて脳を休ませて充電することです。特に睡眠と休養が大切です。ただ、「休んでもいいよ」と言われても休めないし、横になっても眠れないのがうつ病の特徴ですから、必ず、抗うつ薬が必要です。薬なしでうつ病を治そうとするのは無謀なことです。

知らぬ間に 綱引きをして こじれつつ

 治療が成功するためには、患者さんと家族や職場、そして治療者の治していこうとする方向が3者とも同じ矢印にそろうことが大切です。
 よくあるのは、主治医の知らないうちに患者さんが薬を飲みながら無理な勤務を続けていて、眠くてだるくて仕事ができないと、薬を勝手に減らしたり止めたりします。薬と仕事とが綱引きをしてしまい、病気が治りません。また、本人と主治医は休養を考えているのに、家族や上司がなんとか働かせたいと思ってしまうと、これも綱引きをしてこじれることがあります。
 うつ病の治療は、3歩進んで2歩下がる、行きつ戻りつで、薄紙をはがすように良くなっていくものです。
 また、かなり回復しても無理をするとバッテリーが上がりやすい時期が月単位で続きます。再発に気をつけて、主治医の指示を守り、服薬を続けることが大切です。


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