2006年6月16日号

子どもを守る
みんなのチカラ


 子どもが犠牲になる痛ましい事件が世間をにぎわせている中、「子どもたちの笑顔を守りたい」と活動する人たちの力が、私たちの町に広がっています。
 地域のかたがたの多くの目によって子どもたちの安全が守られ、子どもと大人のふれあいも生まれています。

方法いろいろ、目的はひとつ「子どもを守る」


川添小学校区

 「子どもたちの下校時間です。ラジオをお聞きの皆さん、ちょっと通学路に注意を払ってください」
 ラジオで、こんな呼びかけをしているのは、雄和椿川にあるコミュニティラジオ放送局「エフエム椿台」。小学生の登下校の時間に合わせて毎日、地域住民に子どもの見守りを呼びかけています。
 二年前からこの呼びかけを続けているエフエム椿台代表の黒崎一紀さんは、川添小学校区で昨年七月に結成された、子どもの安全を守るボランティア「川添小学校地域安全パトロール隊」の一員でもあります。
 地域の防犯協会や老人クラブ、自治会、PTAのかたなど四十一人が参加しているパトロール隊は、おもに児童の登下校を見守り、地域に安心感を与えています。
 学区が広い川添小学校では、車で送迎している児童が多いため、登下校時に学校付近の交通量が増えて危険でした。しかし、パトロール隊の活動のおかげで送迎をやめるかたもいて車が減り、安全になったという実績もあります。
 「教師だけで学区をカバーすることは難しいので、パトロール隊の存在は本当にありがたい」と話す学校側も、安全対策に細心の注意を払っています。
 子どもたちが危険にさらされる可能性が高いのは下校のとき。その対策として先生たちは毎日、児童の「下校調べ」をしています。生徒全員がどのように家に帰るかを調べ、同じ地域の子どもたちを、学年やクラスを問わずいっしょに帰らせています。一人で帰らざるを得ない児童には、先生が付き添います。また、平成十六年からは、PTAが防犯ブザーを購入して全児童に持たせています。
 パトロール隊のがんばりやラジオでの呼びかけ、学校の取り組み…子どもを思うみんなの気持ちが集まり、安心を広げる大きな力になっています。

日ごろの用心。それがいちばん大事です


楢山保育園

 南通にある楢山保育園では、五月二十四日、警察官に講師をお願いして、不審者に対する防犯訓練を行いました。
 同園では災害時の避難訓練や交通安全教室は行っていましたが、このような防犯教室は初めて。園児たちも保育士もドキドキです。
 保育園に怪しい男が侵入してきたという設定の訓練では、不審者役の男性に保育士が勇敢に立ち向かい、怖がる園児たちを守ります。
 警察官から「さすまた(先が二またに分かれた棒)は、相手のお腹を挟むと押し返されることがあるので、顔や首を狙います」とアドバイスを受けた保育士が、この“武器”を巧みに使って不審者を撃退すると、怖がっていた園児たちは、その勇姿に大喜び!
 防犯教室を終えて伊藤たえ子園長は「訓練したから大丈夫、ということにはなりません」とさらに気を引き締めていました。「お散歩のときもきちんと子どもを見守る、いつもと違うかたが迎えに来る場合は身元をしっかり確認するなど、日ごろから子どもの周りに注意しておくことが大事です」。
 子どもの安全を常に考え、油断せずに万が一に備えているからこそ、子どもたちの元気な笑顔を守れるんですね。

子どもを守る力が地域を元気にしています


泉小学校区

 平成十五年、泉小学校区の七か所の公園に、非常ベルと警察への通報機が一体となった「子ども緊急通報装置」が、県警によって設置されました。泉地区周辺で不審者情報が数多く寄せられていたからです。
 平成十七年には、泉小学校の児童を見守るボランティア団体「泉っ子見守り隊」が発足。現在七十七人のメンバーが、通学路の見守りなどの活動をしています。
 見守り隊の一員で、毎朝小学校近くの交差点に立つ圓子皓士さんは、通る人たちみんなと顔なじみ。「安全を守ることはもちろんですが、皆さんが明るく学校や職場に行ってほしいから声をかけています。皆さんからのあいさつは、私の元気のもとにもなってます!」と笑います。街角でのあいさつを広げる見守り隊の活動は、地域の人たちのつながりも深めているようです。

駅東にも非常ベル

 四月一日、東小学校区の五か所の公園(左図)に、県警が「子ども緊急通報装置」を設置しました。県内では、泉小学校区に続いて二か所目です。
 前面の赤いボタンを押すと、赤色回転灯と非常ベルが犯人を威嚇。内蔵のマイクを使って警察に通報することもできるので、これからも安心して、大好きな公園で遊べますね。

●問い合わせ 秋田東警察署tel(825)5110


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