2006年7月1日号

市長ほっとコラム

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100人寄れば

 人は、自分のおかれた立場をもとに物事を判断しがちです。一人の人が当然と思うことが、別の人にとっては違うということが多々あります。
 私がスーパーに行ったある時、私を見た中年の奥さんが「市長さん、プールに行けば五百円もとられる、もっと安くして!」と言うのです。
今は市立プールがないので、どこの話だろうと思っているうちに県立の屋内プールのことだとわかりました。そこで「建設には何十億円もの県民の税金が費やされ維持費もかかるから五百円でも間に合わないと思う。プールを使わない人も負担していることになるので、その程度は理解して」という趣旨の話をしたところ、隣で聞いていた別の奥さんが「私はプールに行かない。不公平だからもっと高くするように県知事さんに言って」ということです。
 市政を進めるにあたり、さまざまな手法で多くの市民意見を聞くことは極めて大切なことです。しかし、立場立場で意見は千差万別ですし、加えて、自分に関係のあることには意見を出すものの、関係ないことには関心を示さない傾向が強く、「市民全体としては、どうなんだ」という答えが出ない場合が多くあります。
 前述のプールの例をとっても、泳がない奥さんにとってはなくてもよいものですが、プールを使わないその奥さんも公設テニスコートを低料金で使っているかもしれません。
 こうなれば、どちらも同じこと、高い安いという議論は単純にはできないということになります。
 要は、ひとつの事柄だけをとらえて議論しても答えにはならず、状況を広くとらえ、異なる立場を重ね合わせて議論してこそ、はじめて良い答えが出てくるものと思います。
 市では昨年、アンケートや各種集会、審議会、意見公募などによって市民意見を幅広く聞くためのルールとして「しあわせづくり市民公聴条例」を制定し、今回それに基づき「市民100人会」という新しい発想の制度をスタートさせることにしました。
 無作為に選んだ市民百人に、市の計画などについて幅広く状況説明を行ったうえで意見をお聞きしようとするものです。それぞれの立場で考える場面と、立場を超えて考える場面とが想定され、きっと今までの関係者中心の意見聴取とは、ひと味もふた味も異なるものになるでしょう。
 市政推進の立場からは、ひとつの冒険ですが、我々も立場を超える発想が必要とされる時代に入りました。 もしかして、あなたが選ばれるかもしれません。そのときはご協力を!

「市民100人会」がスタート。
あなたの生の声をお聴かせください



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