2007年9月7日号

市長ほっとコラム

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アラスカ キナイ半島郡を訪ねて

 七月下旬、平成四年に交流合意の調印をし、その後、青少年の相互訪問を中心に交流を続けてきたアメリカ、アラスカ州南部に位置するキナイ半島郡を訪問しました。
 私が市長に就任してから、キナイ半島郡の代表市長さんからは、市民訪問団とともに本市を二回訪問していただきましたが、こちらからは訪問したことがありませんでした。今回、十五周年ということで、郡の記念日にあわせての招聘があり、市民交流団のみなさんと一緒に訪問しました。
 キナイとは、他の例とは異なり、日本では独立した存在ではない「郡」が交流提携の相手方になっています。
 地方分権の国アメリカでは、自治体の形もさまざまで、小さな市町村が一体となって郡という広域自治体を形成することができるようです。

キナイ半島郡のウイリアムズ代表市長と
 キナイ半島郡も、五つの小さな市を中心とした広域自治体で、それぞれに市長さんがいるほか、郡全体を束ねる代表市長さんがいます。代表市長は郡全体の選挙で選ばれ、徴税権や条例制定権などを持つ、日本の市長とほぼ同じような役割です。
 その下に、それぞれの市を受け持つ市長さんがおり、この市長さんたちも選挙により選ばれるということですが、権限は日常的な住民サービスに限定されているということでした。数百人程度の小さな町の場合は選挙で選ばれたとしても、ボランティア的な立場であるということです。
 日本に当てはめれば、市の支所長と地域の振興会長、もしくは町内会連合会長さんを足して二で割ったような存在ということもできます。
 本市では、市内を七ブロックに分け、各市民サービスセンターを中心に、地域固有の案件や身近な住民サービスは地域主体で、という「都市内地域分権」を目標にしていますが、センター長が選挙で選ばれると仮定すると、キナイ半島郡の仕組みが理解できると思います。
 いずれ思ったのは、全体でも一万八千人の小さな郡にもかかわらず、世界の避暑観光のメッカ、キングサーモンに代表される漁業などを背景とした豊かな土地で、公共施設はいずれも立派で、暮らし向きも豊かな地ということです。特に、四、五千人でひとつの独立した市を形成し、それぞれの地域の固有の文化や資源を大切にし、生まれた土地に誇りを持って暮らしている、穏やかで優しい気風の土地と感じました。
 日本の地方分権が欧米並みに進み、市民サービスセンターの長を選挙で選ぶようになったら、今とはひと味違った自治行政になるでしょう。

キナイ半島郡ソルドトナ市の記念行事「プログレスデイ」
のパレードに、ウイリアムズ代表市長と参加



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