2008年3月7日号

市長ほっとコラム

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欲は、ほどほどに

 人間にはさまざまな欲があります。 
 日本人にとっては、仏教の教えにある、いわゆる五欲が一般的なものといえるでしょう。睡眠欲、食欲、財欲、色欲、名誉欲の五つです。 
 このうち睡眠欲だけは、生命を維持するための一定の睡眠は欠かせませんので、惰眠をむさぼることは感心しないものの、とりたてて問題にされることがない欲です。
 食欲は、生命を維持するために必要不可欠なものである反面、欲望の赴くままの飲食は健康を害しますので、腹八分目、抑え気味にする方がよい部類に入る欲なようです。特に今の日本は飽食の時代、国と自治体では多額の経費をかけてメタボリック対策を進めようとしている折、国民の関心が高まっている欲でしょう。

わか杉国体の感謝状贈呈式で
 残りの三つの欲は少しばかり複雑です。いずれも人間として生まれたからには、あってしかるべく欲ではあるものの、その程度が問題です。
 食欲の場合には、度が過ぎて病気にかかった場合の保険医療費分は他人に迷惑がかかるという形にはなるものの、健康を損ねたツケの大半は自分自身に跳ね返ります。
 しかし財欲の場合には、個々人の特性や職業などの上で、自らの向上心や努力の結果としての範囲に収まる場合には文明社会の前進や社会の円滑化につながる方向に作用するものの、金もうけ第一、金の亡者となって金に目がくらむようになると、一転して犯罪行為や、経済活動の足を引っ張るなど、社会や他人に損失を与えることになります。
 色欲の場合には、人間が潜在的に持っている種の保存に付随した自然的欲求から大きく外れない限り、人類の存続にかかわる不可欠なものですが、これも程度を踏み外すと極めてやっかいなものとなり、人の心身を傷つけたり、社会にいらぬ害毒を流すはめになります。
 名誉欲の場合には、度を越した財欲、色欲ほどに直接的、物理的な害を及ぼすことはないものの、とかく名誉欲が過ぎると、人と人との摩擦や、社会に不快感を与えるなど、迷惑行為につながります。
 およそ無い物が無いというほど物が有り余り、その気になれば大概の欲は満たされる現代社会は、昔に比べ欲というものには十分に応えているはずですが、キリがないのが欲というものの定めなようです。
 いずれにしても、誰しも煩悩である欲から完全に離れることはできないものの、ほどほどが何より。かく言う私の場合は、有り余る食欲の始末に苦悩している毎日です。


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