2008年12月5日号

市長ほっとコラム

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新しい時代へ 試練と恵み

 今年のお正月は気温も高く、市街地では雪は見られず、このまま春になるのではと思うような天候でした。
 しかし、一月中旬になってしっかりと寒波が訪れ、一面の雪景色、久々の全市一斉の除雪となりました。 大豪雪は歓迎できないものの、秋田にとって適度な降雪は必要です。人間の生存や収穫にとって不可欠な水資源という恵みの源だからです。
 もし雪が決定的に生活の阻害物になるのであれば、地球上の多くの人は雪のない所にだけ居住していたはずです。熱帯地方の酷暑も同じで、とても住みたくないような暑すぎる気候も、逆に多雨という形で水資源となり、広大な大地に緑を繁らせます。
 人間が地球上で唯一、文明という思考と行動による賜を保有して生存し続けているのは、恵みとともに、その逆の試練もあるからです。恵みだけであれば適応能力の弱い生物として、わずかな環境変化などで絶滅しているはずですし、試練だけであれば、そもそも今の人間の形には進化していないはずです。

「おはよう秋田市長です」収録
(1月20日)
 今、アメリカ発の百年に一度ともいうべき未曽有の不況が瞬く間に地球を覆い尽くし、活況を謳歌してきた経済社会は大混乱です。
 世界各国で、企業も国も自治体も躍起になって不況対策に取り組んでいます。悪くなったら良くなるように力を尽くすことは当然のことです。
 確かに、常に景気が良くて、何でも手に入る豊かな生活、楽な生活を送れることに越したことはありません。しかし、そのような恵みだけの状態が続くことは、とんでもない結末につながるような気がします。
 欲望にブレーキが効かなくなった弱肉強食社会、資源の枯渇、地球環境の悪化など、いずれも人類にとって極めて大きな試練です。
 大不況は、影響を受ける個々人にとっては大変なことですが、社会全体として見た場合には、大きなサイクルで天から試練を課せられたということもできます。
 雪と農作物の収穫が試練と恵みの一年ごとのサイクルだとすると、いずれ大きなサイクルの中で恵みという好景気も訪れるはずです。
 しかし、試練の認識なしには訪れが遅いでしょう。如何にして秩序ある経済社会を再生させるのか、限りある地球の資源を大切にし分かち合うのか、危機的な環境悪化を食い止めるのかなど、世界的な試練を乗り越える努力こそ、次の恵みへの入り口になるような気がします。
 目先の対策も必要です。しかし近未来への大きな視野も不可欠です。

寒い冬の間に降り積もった雪はやがて栄養たっぷりの川となり、緑の恵みをもたらします(河辺・伏伸の滝)


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