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2009年11月6日号

市長コラム

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初めて姉妹都市を訪ねて

市長穂積 志


パッサウ市のユルゲン・ドゥッパー市長と
固い握手(10月12日の記念式典で))
 先ごろ、ドイツ・パッサウ市を訪問しました。姉妹都市提携25周年と秋田市制120周年をともに祝い、そして、私の市長就任のあいさつの意味も込めたものでした。
 パッサウ市はドイツの南部バイエルン州の中でも東南部、オーストリアとの国境に位置する人口5万人の美しい古都です。ドナウ、イン、イルツの3つの流れの合流点に浮かぶ川のまちで、年間の観光客は200万人を超えるそうです。歴史の蓄積を感じさせる街並みと、川と草原に代表される自然が織りなす風景がすばらしく、まさに「どこを向いてもすべて絵はがき」状態でした。
 その“絵のごとく美しいまち”を市民約100人の交流訪問団とともに訪れました。25周年記念式典やパッサウ市主催の晩餐会、独日協会主催の歓迎会などに臨み、その翌日は「AKITA DAY」と称し、さまざまな趣向を凝らしてパッサウと秋田の友好を深めました。
 会場は大きなスーパーマーケットの一角で、秋田で言えば御所野にあるイオンモール秋田のセントラルコートをもうちょっと小さくしたようなところでしょうか。ステージをしつらえ、屋台には日本からはるばる持ち込んだお茶やおかき、日本酒、ハタハタのうま煮などを並べました。その向かい側は書道の道具やけん玉、福笑い、おはじき、ダルマ落としなど、私たちでさえ懐かしくなるような日本の伝承遊びシリーズ。ステージでは、パッサウの民族音楽や子どもたちによる民族舞踊、そして秋田から参加した大正琴による民謡や童謡、タップダンスなどの競演が繰りひろげられました。そのかたわらでは、恐る恐るハタハタにかじりつく姿や、毛筆を手に真剣なまなざしで和紙と向き合うパッサウ市民の姿が見られました。
 考えてみれば不思議な光景でもありました。地球上ではるか1万キロも離れている市民同士が、私たちが忘れかけているような昔の遊びに童心に帰ってうち興じているのです。住む国や話す言葉、食べるものが少々異なっても、平和の原点とは、こうした一人ひとりの市民同士の交流にあることを身をもって実感した気がします。
 雪が降ってもおかしくないような寒さの中、パッサウ市民のみなさんは、私たち秋田市民をとても温かく迎えてくれました。5年後の姉妹都市提携30周年は秋田で祝うことになります。

独日協会会員の指導で書道を体験した
パッサウ市の子どもたち。とても上手ですね


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