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2011年6月3日号

市長コラム

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竿燈が照らす希望の光

市長穂積 志


5月19日、宮古市、釜石市、多賀城市に「竿燈まつり被災者招待事業」の趣意書を届けました(多賀城市の鈴木副市長と)。
 がんばろう東北ー 。全国から、そして世界中から、激励の声が東北に届いています。東北は一つ。幸いにして大きな被害を免れた私たちは、同じ東北の被災地・被災者のみなさんに寄り添い、支えていきたいと思います。
       
 「被災地の未来を担う子どもたちを勇気づけたい」との思いから、この夏の竿燈まつりに、スポーツや地域連携で市民間の交流が盛んな宮古市・釜石市・多賀城市の子どもたちとそのご家族を招待することにしました。家や生活を失い、先行きの見えない避難生活を続けているみなさんに竿燈を観てもらうことで、その心に将来への希望の光が宿ってほしい。
 今年の竿燈まつりは、東北各地の夏まつりと連携して、災害に立ち向かう東北人の底力を結集し、“東北の連帯の証し“にしたいと思っています。 
 5月19日、竿燈まつりへの招待を直接お伝えするため、宮古・釜石・多賀城の三市を訪れました。土台だけが残る家々、寸断された道路、倒れたままの電柱…。テレビや新聞で何度も見たはずの光景でしたが、その惨禍を目の当たりにすると一言の声さえ発することができませんでした。
 釜石市の災害対策本部を訪ねたとき、玄関で印象的なポスターを見かけました。瓦礫のまちを背景に作業着姿の若者が2人。彼らは釜石市民。そして「前よりいい町にしてやる」の文字。このポスターは、盛岡市の有志などからなる「復興の狼煙ポスタープロジェクト」が手がけたもので、前を向いて歩み始めようとする釜石市民から感じた人間の“強さ”そのままを伝えたいとの思いで作られたそうです。何種類かあるポスターにはそれぞれ「心まで壊されてたまるか」「諦めるな、と帆立が言う」「悔し涙は、嬉し涙にする」などと書かれていて、その文字と、ポスターのモデルとなった釜石市民の表情からにじむ“強さ”に私の方が勇気づけられました。中には「そして絆は家族になった」と書かれたポスターもありました。家族・地域の絆…。
今回の震災で本市では、民生委員や町内会のみなさんなどの懸命な努力により“地域での見守り”がしっかりと機能し、ひとり暮らしの高齢者のかたなど、いわゆる災害弱者の無事を速やかに確認することができました。そして停電が続いた暗く長い夜を“家族の絆”がともした灯で乗り越えることができたかたもきっと多いはず。困難な時にこそ、思いやりや支え合いの心、家族・地域の絆が大切です。
       
 竿燈まつりまであと2か月ほど。満天の灯火の光が、被災地のみなさんの“希望の光”となるよう、まごころを持って温かく迎えたいと思います。

復興を願って(釜石市の佐々木副市長と)



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