※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2011年8月19日号

健康万歩計


このコーナーでは、みんなが健康で元気に過ごすために必要な、ドクターからのちょっとしたアドバイスを紹介します。
●今回のドクター
 内藤 信吾先生(市立秋田総合病院精神科 医長)

「うつかな?」と思ったら早めの受診を


うつ病は脳の不調

 昨今、ストレスの多い社会情勢を反映してか、うつ病になる人が増え続けています。うつ病はよく"心の風邪"と言われますが、実際は長期間ストレスにさらされた脳が健康な働きを失った状態なのです。脳も心臓や肺、胃、腸、腎臓などと同じ内臓の一つですから、それらと同じようにさまざまな理由で調子を崩したり病気になったりします。その結果、健康な精神状態を保てなくなってマイナス思考になり、健康だったときは苦もなくできていたことができなくなってしまうのです。多くの内臓の病気と同じように、うつ病になったら休養を取って脳を休ませることと、脳の機能を回復させる薬(抗うつ薬)の服用が必要になります。

“ひやみこき”とは違う

 秋田弁では怠け者のことをよく"ひやみこき"と言います。周りの人には、うつ病になった人が"ひやみこき"に見えてしまうことがありますが、うつ病の人が自分から進んで"ひやみこき"をしているわけではありません。脳の機能が低下しているので元気がなくなり、日常生活でやるべきことができなくなり、その結果"ひやみこき"に見えてしまうのです。頑張りたくても頑張れないのです。周りの人が、うつ病の人を頑張らせたり励ましたり責めたりすると、病状をこじらせることが多いのです。

早めの対処が必要

 体の病気と同じように、うつ病になったら早めの対処が肝心です。軽いうちに治療を始めないと治りにくくなることがさまざまな研究・統計で分かっています。自分や周りの人が「うつかな?」と思ったら、できるだけ早く受診するのが望ましいです。もし、精神科を受診するのがためらわれるときは、かかりつけのお医者さんに相談してください。


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