※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2012年11月16日号

6次産業化で地域の力を掘り起こそう!



高校生が考えたこだわりの味。完成品が楽しみです!

 農畜産業を中心に、さらなる地域経済の活性化を促す“6次産業化”。秋田市が今年度から進めている取り組み、チャレンジするかたへの支援、そして、すでに実践しているかたの声をご紹介します! 農林総務課tel(866)2115
*6次産業化…生産(1次)、加工(2次)、販売(3次)を一体化し、農林水産業を中心に、地域で新しい付加価値を生み出す試み。

6次産業化のロゴ…秋田市の食材で「命をつなぐ」「元気をつなぐ」をコンセプトに、再生を意味する植物を元にデザインしました。

今までの取り組み

●17歳の6次産業化プロジェクト
 6月から、金足農業、秋田商業、秋田工業の生徒30人が、市内産の農産物を活用したおいしく楽しく食べられる」商品の開発に取り組んでいます。
 金足農業の生徒は素材選びを担当。種沢ファーム(雄和)の圃場(※)見学などを行い、市内産農産物の安全性を実感しながら、素材に米粉、枝豆、トマト、かぼちゃを選びました。
 秋田商業の生徒は市場調査を担当。関係機関からコンビニの売れ筋や商品づくりのヒントなどを伝授してもらい、販売品をだんご、中華まん、パンに決めました。
 そして、秋田工業の生徒は売り出す際のデザインを担当。地元のデザイン会社の指導のもと、ビジュアル表現を学び、6次産業化のロゴ(下段)とイメージキャラクターを作成しました。
 9月には、生徒全員で商品の試作にチャレンジ。商品イメージを話し合い、料理研究家の渡部恵美さんの協力のもとレシピを作成してもらい、実際に生徒たちが調理しました(上の写真)。味や見た目などにこだわり、試行錯誤を重ねて、ついに商品が完成。11月3日の「アキショップ」では、一部商品が試販され好評でした。
 商品の完成発表会は11月23日(金)。その後、販売のための商談などを行い、来年2月の店頭デビューをめざします。その際はぜひ手にとって、17歳の夢と努力の“結晶”をご賞味ください。

●土産品開発プロジェクト
 市内産の食材などを使い、若い感性を生かした商品開発と実社会での経験を積んでもらうことを目的に、ノースアジア大学観光学科の学生15人が取り組んでいるプロジェクトです。
 現在、販売・製造業者への調査などを行い、今年度中に本市ならではの土産品の商品発表を行う予定です。


土産品開発プロジェクトでの圃場見学

●見学会「女性農業者たちよ大志を抱け」
 10月16日、6次産業化に関心がある女性を対象に先進地見学会を行いました。視察先は、トマトを栽培、加工、直売しているデリシャスファーム(株)(宮城県大崎市)。参加者からは、事業成功の秘けつや雇用形態など専門的な質問が出され、それに対する担当者の説明をみなさん熱心に聞いていました。


デリシャスファームのハウス栽培を見学

※圃場=農作物などを栽培する田畑。

やる気をサポート
6次産業化セミナーへどうぞ

 6次産業化を担う人材を育成するため、農業者や商工業事業者を対象としたセミナーを実施しています。すでに市内6か所で、関連制度や実践事例を紹介するスタートアップセミナーを行い、たくさんのかたにご参加いただきました。
 今後は、さらに詳しく加工や販売への取り組み方を解説するステップアップセミナーを下記の日程で開催します。受講無料。6次産業化に興味のあるかたはぜひご参加ください。

●日時/11月22日(木)・29日(木)、12月4日(火)・13日(木)、いずれも午後1時30分〜3時30分
*4回それぞれ内容が異なります。
●会場/ルポールみずほ(山王の秋田県警察本部向かい)
●申込/11月21日(水)まで農林総務課tel(866)2115


南部公民館で行われたセミナーの様子

ご活用ください!
事業費の支援制度

 市では、6次産業化の取り組みに対し、下記の内容の支援を行っています。該当しそうな事業をお考えのかたは、お気軽に農林総務課6次産業化担当へご相談ください。tel(866)2115

支援対象→市内で対象となる事業を行おうとする個人、直売グループ、加工グループ、法人
支援内容→対象経費の最大2分の1を補助
対象事業の内容→
・農林水産物などを加工するための施設の新設や増改築工事
・農林水産物などを加工するための機械設備の購入や設置
・商品開発・改良のための試作商品の制作、パッケージの制作、マーケティングや調査・分析など

実践者のひとこと


●“宝川みさこ餅”
 木山みさ子さん(下北手)
 その日のつきたてがすぐに食べられる新鮮さが人気の“宝川みさこ餅”。「『餅菓子を毎日作って、お店へ届ける』。大手企業がやれないことを実行したことがみなさんに喜んでもらえる結果になった」と代表の木山さんは話します。
 商品づくりを始めたのは平成元年。現在は、6人ほどで作業を行っています。「販売のための流通というものがわからなかったので苦労しました。人脈を広げれば道が開けると思い、積極的に自身の活動の場も広げました」と木山さん。おかげで、季節のイベントに欠かせない商品として順調に注文が入るようになったそうです。
 地元の素材と無添加にこだわった品々は、秋田市地域特産品にも認定されています。「素材がいいとやる気が起きます」。どこまでも地元産を愛する木山さんのひとことが印象的でした。


●種沢果樹組合
 伊藤敬一さん(雄和)
 種沢果樹組合は50年以上にわたり、雄和でりんごを栽培しています。元々畑だった土壌が適していたこともあり、果樹園では毎年たくさんのりんごが赤く実ります。現在は8人が、6.5ヘクタールの広い敷地で収穫から出荷までの作業を行っています。組合長の伊藤さんは、「できるだけ自然のおいしさを味わってもらいたいので、通常の収穫よりも数日遅らせて完熟させるなど、工夫が欠かせません」と話します。
 毎年今ごろは、もぎとり体験で訪れる保育園やサークルなどでスケジュールがいっぱい。さらに、果樹園のりんごを加工したオリジナルのジュースもおいしいと評判です。「自然災害への備えや設備の老朽化など、大変な面もあるけど、楽しみにしている人たちのために頑張らないと」と伊藤さんは力強く話してくれました。


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