※掲載している情報は「広報あきた」発行当時のものです。
2014年11月7日号

市長コラム

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国文祭からつながる未来

市長穂積 志(もとむ)

招待した被災地の子どもたちと一緒に
 里の秋もいよいよ深まり、そして1か月に渡り繰り広げられた「第29回国民文化祭・あきた2014」は、県内に大きな文化の渦と多くの感動・喜びを巻き起こし幕を閉じている頃かと思います。
 10月4日、県立武道館での開会式・オープニングフェスティバル。この日のために続けてきた鍛錬と精進、緊張感が会場の私たちにもひしひしと伝わりました。竿燈をはじめ、数々の伝統芸能や石井露月など先人たちの紹介、さまざまなパフォーマンスは息つく間もないほど圧巻の連続で、今でもビデオを見るたびに鳥肌が立ちます。
 ことに管弦楽や吹奏楽、合唱での総勢600人にのぼる大編成による「大いなる秋田」には圧倒されました。「秀麗無比なる鳥海山よ…」で始まる秋田県民歌では、会場が一体となる大迫力で歴史の1ページを刻みました。
 開会式での皇太子殿下のお言葉にもありましたが、今回は東日本大震災後初の東北での開催になりました。そのこともあって、秋田市独自事業である「小学校文化フェスティバル(※)」に、被災地の宮城県石巻市と南三陸町、そして岩手県大槌町から小学生と引率者など、約100人を招待しました。
 宿泊した太平山自然学習センター・まんたらめでの夕食では新米で作ったきりたんぽを食べ、竿燈の実演では私が音頭を取って「どっこいしょ、どっこいしょ」のかけ声、そして最後はみんなでキャンプファイアを囲みました。
 翌日、文化会館での本番では、被災地と秋田のそれぞれの郷土芸能などを披露し合ったほか、参加した児童全員で「ふるさと」を合唱し、心を一つに。引率した石巻市の先生からの、「子どもたちの元気な笑い声を聞いてうれしくなった」という言葉が印象的で胸が熱くなりました。
 今回の国文祭では、あらためて芸術・文化が内に秘める偉大なる力を再認識しました。芸術・文化は人の心を潤し、時には悲しく沈んでいる気持ちに勇気を与え、そして、力強く生きるパワーを観る者、聴く者にもたらしてくれます。
 国文祭が終わった今、私たちにとって大切なことは、脈々と受け継がれてきた伝統芸能などの貴重な地域資源や芸術・文化の素晴らしさを次の世代に引き継いでいくことです。今回の国文祭がそのきっかけとなり、子どもたちに確実に引き継がれ、未来へとつながり、そして限りなく広がっていくことを期待しています。
 最後に、国文祭のテーマソング「僕たちの未来」のワンフレーズを紹介しましょう。

“夢を追う力で 未来へつなぐ
君からわたしへ 僕からあなたへ
秋田の笑顔 育てて行こう…

新しい花 咲かせて行こう
       見つけに行こう”

※小学校文化フェスティバルの様子は、今号の最終面(こちら)をご覧ください。


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